過去のメタアナリシスに今回のデータを統合したところ、解析対象は43万2179例となり、うち4万181例が死亡した。
メタアナリシスに含めた研究のうち、ARICを含む北米・欧州の6研究では炭水化物摂取率が平均50%前後だったのに対し、
日本の1研究(NIPPON DATA80、Br J Nutr. 2014;112:916-24.)およびPURE研究では60%前後だった。

 そこで、北米・欧州の研究に関しては第5五分位(炭水化物摂取率が50〜70%)
に対する第1五分位(同40%未満)での、NIPPON DATA80とPURE研究に関しては第1五分位(同50%前後)に対する第5五分位(同70%超)での、総死亡のリスクを算出した。
その結果、総死亡のリスクは炭水化物摂取率が少ない場合だけでなく(第5五分位に対する第1五分位のHR:1.20、95%信頼区間:1.09-1.32、以下同様)、
多い場合も上昇していた(第1五分位に対する第5五分位のHR:1.23、1.11-1.36)。

 炭水化物の代わりに摂取する蛋白・脂肪が、動物由来か植物由来かに関するデータが得られた研究を統合してメタアナリシスを実施した。対象は15万4344例であり、
3万959例が死亡した。炭水化物に代わり、動物由来の蛋白・脂肪を摂取した場合は総死亡のリスクが上昇し(HR:1.18、1.08-1.29)、植物由来の蛋白・脂肪を摂取した場合は低下した(HR:0.82、0.78-0.87)。

 著者らは研究の限界として、観察研究であって臨床試験ではないこと、アジア人は動物由来の蛋白源として肉ではなく魚を摂取することが少なくないため、今回の結論が適用されない可能性があることなどを挙げている