30gのクリームは1ヶ月分

「外用薬がなくなったら受診」では水虫は治らない (日経メディカル)
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/tsunemi/201208/526376_2.html

これを考えるには、最近、アトピー性皮膚炎や乾癬の外用指導で
よく用いられる「fingertip unit」(FTU)の概念で考えると分かり
やすいでしょう。1FTUは、チューブに入った外用薬を示指の指尖
部からいわゆる第一関節(遠位指節間関節)まで押し出した量で、
およそ0.5gになります。これは、手のひら2枚分、つまり体表面積
の2%に塗布するのに必要十分な量です。

 体の各パーツに塗布するのに必要な外用薬の量をFTUで表した
図がありますので、こちらを参照してください。
 これによれば、足は片足全体で2FTUですので、足底、趾間、
趾背、足縁、アキレス腱部の面積をおよそこの半分とすると1FTU
となります。両足では2FTUです。1FTUが0.5gですから、2FTU
は1gです。つまり、上記の足白癬治療に塗布するべき範囲に十分
な量の外用薬を塗るためには毎日1gが必要なことになります。
正解は1gです。そうすると1カ月では30gになり、これは外用
抗真菌薬のチューブ3本に相当します。

 つまり、患者に1カ月後の再診を指示するとすれば、30gの
外用抗真菌薬を処方しなければならないわけです。みなさんは、
十分な量の外用抗真菌薬をきちんと処方できているでしょうか。
外用薬の量が足りなければ、患者が正しく薬を塗布することな
ど、望むべくもありません。