うつ病や不安症がある患者さんでは、それらを治療することで
過敏性腸症候群の症状が軽減すると考えられるため、抗うつ薬や抗不安薬の使用が検討されます。
抗うつ薬のうち、臨床試験などによって過敏性腸症候群に対する効果が認められているのは、
三環系抗うつ薬とSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の2種類です。
いずれの薬も、脳に働きかけることで抗うつ作用をもたらしますが、それ以外にも、
腹痛に対する鎮痛作用によって症状の軽減に寄与すると考えられています。