動脈硬化に関して、スウェーデンの研究(*2)をご紹介致します。
この研究では、炭水化物のエネルギー比率と蛋白質のエネルギー比率でスコア化しています
。例えば、炭水化物30%かつ蛋白質25%のような低炭水化物高蛋白食の場合は、10+10で20点という事です。そしてこのスコアと心血管疾患(脳卒中・狭心症・心筋梗塞など)リスクを検討しています。図に示しましたように、
低炭水化物・高蛋白質の食事になるに従い、リスクが有意に高まるという結果でした。しかし一方で、米国の看護師を対象にした研究(*3)では、
炭水化物のエネルギー比率と狭心症・心筋梗塞の関係は全く関連がないと報告していますし、
頚動脈超音波による動脈硬化の検討(*4)では、低炭水化物食は低脂肪食と同等の改善効果を認めています。
ちなみに動物実験では極端な糖質制限食(炭水化物エネルギー比率12%)で動脈硬化が進行する事が示されています(*5)。
このように判断が難しい所ですが、動脈硬化に対して低炭水化物食は不利にはたらく可能性があります。