また最近新たに注目されている「異所性脂肪」に関連して、骨格筋細胞内脂質の増加及び肝脂肪の蓄積とそれに伴うインスリン抵抗性
の問題がある。
「異所性」脂肪というのは、皮下脂肪や内臓脂肪のような脂肪組織以外の「本来あるべきでない場所」に過剰に溢れ出した脂肪という
意味で、肝臓や骨格筋、心臓その他の臓器の周囲等々至るところに付着している。
で、問題は日本人(ないしアジア系住民)は、遺伝的に皮下脂肪や内臓脂肪の収容能力が低いのか、
肥満でないにもかかわらず「脂肪肝」の
割合が(欧米人に比べて)高いことがひとつ。次に骨格筋細胞内脂質に関して「2 型糖尿病では,非肥満の状態でも骨格筋細胞内脂質は健常
者の約
2 倍と筋細胞内は“肥満”状態となっており,インスリン感受性も健常者の約50%しかないこと、長距離ランナーにおいて,たった3 日間
の高脂肪食は骨格筋の細胞内脂質を倍増させ,その変化量は,極めて個人差が強いことという指摘があること。