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◎炭水化物の摂取が非常に少ない低炭水化物ダイエットは死亡リスクを増やす場合が少なくないことも明らかになりました。
低炭水化物ダイエットでは、炭水化物の摂取を極端に制限する一方で、肉や脂肪の摂取を制限しません。
スウェーデンのウプサラ大学のパー・シューグレン(Per Sjogren)氏らが、American Journal of Clinical Nutrition誌電子版に8日付で発表しました。
低炭水化物ダイエットへの遵守は死亡リスクを増加させます。特に摂取カロリーが十分な人々だけでみると顕著でした」とこの研究者は報告しています。

◎10年間の死亡率と世界保健機関の食事ガイドライン(HDI)、地中海式食事法(MDS)、低炭水化物ダイエット(CR) の3つの食事法への遵守度との関係を調べました。

◎スウェーデンの平均71歳の924人の男性に、7日間の食事記録をつけてもらいました。この記録に基づいて、各人の3つの食事法への遵守度をスコア化しました。

◎平均10.2年間の追跡期間に、255人が死亡しました。このうち88人は心血管疾患が死亡原因でした。

◎分析の結果、地中海式食事法だけが、全ての人々で、食事法への遵守スコアの標準偏差と死亡リスクが有意に関連することが分かりました。

◎影響する要素で調整後に、地中海式食事法の遵守スコアの標準偏差が1上昇すると死亡リスクは17パーセント低下しました。

◎カロリー摂取量が十分であった511人だけでみると、地中海式食事法の効果は大きくなりました。

◎影響する要素で調整後に、地中海式食事法の遵守スコアの標準偏差が1上昇すると、総死亡リスクが29パーセント低下して、心血管疾患による死亡リスクが37パーセント低下しました。

◎対照的に、低炭水化物ダイエットのスコアの遵守スコアの標準偏差が1上昇すると、総死亡リスクが19パーセント増加して、心血管疾患による死亡リスクは何と44パーセントも増えました。

◎この人々は、摂取カロリーが十分であったことから、炭水化物の摂取量が少ない代わりに肉や乳脂肪を比較的多く摂取しています。これが死亡リスク、特に心血管疾患による死亡リスクの増加につながったと考えられます。