>>225
一時的ではないですね



糖負荷試験では一般に、先ず空腹時(ブドウ糖液を飲む前)の
血糖値と血漿インスリン濃度、次いでブドウ糖液を飲んでからの血糖値とインスリン濃度が測られます
。デフロンゾ教授の原図には、横軸に糖尿病の重症度の指標である空腹時血糖値、縦軸に糖負荷後の血漿インスリン濃度が目盛られています。この図を見ると、アメリカ人では空腹時血糖値が120mg/dlまで膵臓が頑張ってインスリン濃度を高めるが、
それを超えるとインスリン分泌が悪くなり、200mg/dlになると糖負荷によるインスリンの追加分泌がほとんど起こらないことがわかります。(この図は同時に、アメリカ人の空腹時のインスリン濃度が20μU/mlであることを示しています)。

一方、大櫛先生が提示なさった図によると、日本人のインスリン分泌は
、空腹時血糖が100mg/dlのところでピークに達しています。
つまり、日本人は、アメリカ人に比べて、20mg/dlも低いところでインスリン分泌の限界がきてしまうのです。
日本人のインスリン分泌能力が低いことを示す貴重なデータです。「日本人のデータは75g糖負荷によるもの。
100gのアメリカ人データに比べて、日本人インスリン濃度が低いのは当然である」などという話はデータの読み誤りです。

炭水化物の少ない食事によってインスリンの必要量が増える
短期間の間に食事の内容が大きく変わりましたから、
日本人の膵臓は昔に比べて過重な働きを求められるようになりました。
かつての日本人は炭水化物が多く蛋白質と脂肪の少ない食事を摂っていました。
戦後間もなくの1946(昭和21)年の国民栄養調査によると、
日本人の炭水化物の摂取割合は80.5%、脂肪7.1%でした。
それが次第に脂肪の多いアメリカ型の食生活に変わってきたのです。
1970(昭和45)年には炭水化物と脂肪がそれぞれ67.1%と19.2%
、2000(平成12)年には57.5%と27.5%になりました。
食生活が低炭水化物/高脂肪食になったために、日本人の身体が大量のインスリンを要求するようになったのです。
さらに、日本人があまり身体を動かさなくなったことがこの傾向に拍車をかけました。