じゃろの入れ知恵元も論破されてるね
江部康二先生は、「400万年の歴史をもつ人類は本来肉食(蛋白質と脂肪)で、炭水化物を食べるようになったのは農耕が始まった1万年前からのことに過ぎない。
400万年のうち399万年は肉食であった」ことをご自身の「糖質制限食のすすめ」の最大の根拠にしておられます。
「人類はもともと肉食動物であるから炭水化物(糖質)は食べないほうがよい」というのが江部先生の基本的なスタンスです。
本当でしょうか。

身近にいる、祖先が肉食動物の典型は犬です。犬の犬歯は牙(きば)と呼ばれるほどに強力です。
私たち人間の犬歯は犬の牙のように鋭くありませし、32本中20本は植物をすりつぶすのに便利な臼歯です。
犬の摂食行動を見ていると2、3回口を動かすだけでほとんどまる呑みです。
私たちは食べ物を噛みつぶして唾液とよく混ぜ合わせてから呑みこみます。
人間では、膵臓が分泌する消化液(膵液)だけでなく唾液にもデンプン分解酵素(アミラーゼ)が含まれているからです。
このことは、「ヒトは植物から活動に必要なエネルギー源(炭水化物)を補給するように進化してきた動物である」ことの一つの証拠であると考えられます。

たとえ仮に、人類の399万年は肉食であったという江部仮説を認めたとしても、その後の1万年はとてつもなく長い期間で、人類が穀物中心の食事に適応するのに十分な年月です。
上で述べたように、ハワイに移住した広島の日本人はわずか150年足らずで移住先の食生活に適応してインスリン抵抗性状態に陥ってしまったのです。

人間が生きているということは脳が活動していることです。
脳活動の根源はグルコースです。脳
血糖が70mg/dl以下(低血糖)になると脳活動に支障をきたすから、身体は他の活動を犠牲にしてでも脳にグルコースを送り続けます。
あるときはグリコーゲンの分解を促し、あるときは筋肉のグルコース取り込みを抑え、またあるときは筋肉の蛋白質からグルコースを合成(糖新生)して、血糖の維持に努めているのです。

血糖が低くては獲物を追いかけられないし、逃げることもできません。
地球上の動物は血糖値を維持するのに懸命です