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北海道の方言に関する資料『北海道方言辞典』、『笑説これが北海道弁だべさ』によると「たくらんけ」は、ばかもの。たわけもの。相手をののしる言葉となっている。また、津軽弁に同じような意味を持つ言葉として「たふらんけ」という言葉があり、ルーツはこのあたりかという記述があったので、東北の方言の資料も調べた。
『日本方言辞典 標準語引き』によると、「ばかもの〜たくらんけ 北海道 岩手県気仙郡 山形県南村山郡・最上郡」ということで、この地域で使われていることがわかった。また、『秋田のことば』によると、「たぐらんけ〜くそたぐらんけ・たがらんけ・たふらんけ〜半人前、卑罵語。「たくらた」と関連ある語か。馬鹿者に相当する語。一説、「たくらむ」に「け」という接尾辞が付いたものという。下手の考え休むに似たりというから、馬鹿者との距離は近いのかもしれない。【全国分布】・思慮のない者。愚者=「たーくら」長野、「たくら」兵庫県淡路島、熊本、「たーくらたー」新潟、長野、・おてんば=「たくらけ」島根とのことで、秋田でも使われていて、且つ全国的にも似た言葉があるようだ。

アイヌ語と関係があるのかについては、『萱野茂のアイヌ語辞典』で調べたが、「タクランケ」という言葉、それに似た言葉ともに載っていなかった。また、「タク」という発音の言葉は「玉、かたまり、」「呼ぶ、招待する」という意味で、「ランケ」という発音の言葉は「下ろす、たびたび〜する」という意味とのこと。これらからはアイヌ語が「タクランケ」に関係しているということは読み取れなかった。