川相は若林だった…?

【川相昌弘EYE】松原の守備と若林の打撃が流れ変えた(06:00)

 ゲームの中には、流れを左右するプレーと一打がある。
この試合で言うなら、守りは初回先頭打者・田中広の右翼右への打球をフェンスにぶつかりながら捕った松原。
攻撃で言うなら、猛打賞の若林ではないか。

 松原の美技は確実に田口を救った。
捕っていなければ、田口はいきなり走者二塁か三塁のピンチを迎えていただろう。
田口を救い、試合の流れも決めたビッグプレーだった。

 若林の猛打賞は幸運な安打から始まった。
2回無死二、三塁で相手の守りが前進守備だったこともあったが、詰まった打球を遊撃後方に落とした。
その後の一発を含む2安打は、幸運を生かして勢いに乗って打ったと言うしかない。

 若林には少なからず思い入れがある。
2軍監督をしていた18年に入ってきた。
内外野どこでも守れる。
スイッチヒッターで左右どちらもパンチ力がある。
足も速く、セーフティーバントもうまい。
ベンチにとっては使い勝手のいい選手というのは、今でも変わらない。

 若林にはいいアピールになった。
この日のように、スタメンで使ってもらった時に結果を残し、1軍の投手のボールのキレに慣れていけば、対応ができる力はある。
「ゲームの中で役に立つ選手」というのは保証する。
(スポーツ報知評論家)