2016楽天ドラフト1位
手も足も出させない、完璧なストレートだった。初回2死、亀井に対してフルカウントからの8球目。藤平は、何度も捕手のサインに首を振って、この日最速の146キロ直球を外角に投げ込んだ。
見逃し三振だ。「投げたいところに思うようなボールがいったのですごい自信になりました」。堂々たるマウンドだった。

進化した姿を見せた。「勇気を持って変えるのは大切」と、初めて振りかぶって投げた。高校時代まではやっていなかった。
さらに、キャンプ中に岸のブルペンを見て学んだ、投球時に体を細かに動かしてタイミングを取った。

キャンプは1軍スタートで、途中から2軍へ。故障などもなく順調に調整を続け、この日がプロ相手への初登板だった。
松本、脇谷ら実績ある選手が並ぶ巨人2軍打線を「テレビで見ていた選手との対戦は、少し不思議な感覚」と言いながら封じてみせた。

2回を投げ1安打、3奪三振。対戦した8人の初球が全てボール球となるなど課題も残ったが「誰がバッターでも自分の投球スタイルを曲げずに、どんどん直球で押していきたい」と決意表明。
「いろいろ自分で考えてやれる子なので今後もすごい楽しみ」という平石2軍監督の言葉に将来への希望が込められていた。