スギの伐採促進や、無花粉・少花粉の新品種開発に関する取り組みはこれまでも度々報じられてきたが、花粉の飛散量は一向に減る気配はなく、花粉症患者も年々増え続けている。

いったい現状はどうなっているのか――。調べていくと、“花粉症撲滅”を願ってやまない患者にとっては絶望的なデータが次々と出てきた。

現在、日本には全森林の2割にあたる約448万ヘクタール、40〜50億本ものスギが存在している。そのほとんどは戦後、住宅用木材として使うために植えられた人工林だ。
だが、1960年代より貿易自由化によって海外から安価なスギが輸入されるようになったことで、日本のスギ林は伐採や植林が進まずに放置された。
それが大量の花粉を撒き散らしているというわけだ。

にもかかわらず、年間で伐採されるスギは1500万本足らずで、相変わらずスギの植林が行われている現実もある。

一方、無花粉や少花粉スギの品種はすでに130種類以上が開発されているため、林野庁は補助金制度を出しながらこうした品種への植え替えを促しているが、
「花粉症対策苗木」の供給量は全苗木の約15%、258万本(2014年度)しかない。このままのペースでいけば、100年経っても200年経っても花粉症の撲滅は果たせない。
http://www.news-postseven.com/archives/20160220_387016.html?PAGE=1#container