今回のTOBでは、ヤフーはZOZO株式50.1%の取得を目指しています。なぜ50.1%なのかというと、
過半数の株式を持つと経営に関する意思決定を自由にできるからです。アパレルのECサイトを運営するZOZOの経営権を手に入れ、競合のアマゾンや楽天に対抗しようという目的です。
全ての株を買い取るわけではないので、投資家はこれまでどおりZOZOの株を取引できます。

TOBが成立する条件として、“発行済株式数の33.4%以上が集まること”が設定されています。ZOZOの前澤社長はZOZO株式を37%持っており、30%ほどの売却が決まっています。そのため、
投資家から3.4%以上の応募がなければTOBが不成立となります。TOBが成立するかどうかは、投資家にかかっています

基本的には、TOB価格まで株価が上がります。買付価格は2,620円なので、TOBが実施されるまではこの価格付近で株価が推移すると考えられます。
下のチャートは、TOBが発表される前日の2019年9月11日と、TOBが発表された2019年9月12日の株価です。前日の終値である2,166円から、
一時2,575円まで上昇し、2,457円で取引を終えました。

ZOZOの株主にとっては、TOBに応募すれば買付価格である2,620円までの値上がり益が手に入ります。TOBに応募しなくても、市場で売れば値上がり益が手に入る状態となっています。

株主には次の3つの選択肢が迫られます。
@TOBに応募し、当選したら株式を売る
ATOBには応募せず、市場で株式を売る
BTOBには応募せず、株式を継続保有する