終電繰り上げ 「働き方変わる」と期待 「身勝手」と批判も JR東日本、21年春に
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200927-00000033-mai-soci
9/27(日) 16:13配信

JR東日本が来春のダイヤ改正で、東京駅から100キロ圏内にある在来線の終電を30分程度繰り上げる。
その影響は大きく、仕事の残業や飲食店の営業時間、飲み会を終えるタイミングと幅広く及びそうだ。
主要駅の駅前で人々に賛否を聞くと、「社会が変化するきっかけになる」と好意的な反応がある一方、
「JRの都合で決められても」と批判的な意見も出た。

「身勝手な感じだ」。JR新橋駅近くの九州郷土料理店「新橋 有薫酒蔵(ゆうくんさかぐら)」
のおかみ、松永洋子さん(75)は終電繰り上げの方針を耳にした時、率直にそう思ったという。

店は1978年から40年以上、夫婦で切り盛りしてきた。駅から徒歩2分の好立地にあり、電車にすぐ乗れる。
2次会で立ち寄るサラリーマン客も多く、終電前まで店は繁盛した。だが、新型コロナウイルスの
感染拡大で状況は一変した。リモートワークが進んだこともあり、客が1日1人という日も。
客足は新型コロナ前より9割減った。

こうした中、発表された終電の繰り上げ方針。JR東は、新型コロナの影響で午前0時台の山手線利用者が
6割以上減るなど深夜帯の乗客が大きく減少する中、終電後に設備の保守・点検をする作業員の労務環境
を改善するためだと理解を求める。終電が早まれば、飲食店には早く閉店するところもありそうだ。
松永さんは「JR東の事情は分かる」としつつ、こう続けた。「客足だけでなく、従業員の帰宅時間にも影響する。
電車の時間で生活が左右される私たちのことも考えてほしい。あまりにも唐突過ぎる」と声を落とした。

首都圏では午前1時台でも在来線が動いているが、終電の繰り上げでタクシー利用が増える可能性もある。
ただし、東京ハイヤー・タクシー協会(東京都千代田区)の担当者は「客の動向にどのように影響するのか、
現状では見極めが難しい。減少も増加も考えられる」と慎重な立場を崩さない。