■安さが人気の「ノビノビ座席」

5・12号車に「出雲」「瀬戸」で各28席設けられた設備で、「普通車指定席」扱いとなるため料金の安さで人気がある。
「ノビノビ座席」はJR東日本「えきねっと」からの予約が可能となったので、さらに埋まりやすくなった
(他の個室寝台は「みどりの窓口」だけでインターネット販売には対応していない)。

他の個室寝台では運賃+特急料金+寝台料金が必要なのに対して、「ノビノビ座席」は寝台料金不要であり、
指定席特急料金だけで利用できる。「寝台料金840〜1,240円(普通車指定席は閑散期200円引き、繁忙期200円増し)
の格安設備」だと考えればわかりやすい(他の寝台の料金計算では「寝台利用時は指定席特急料金を520円割り引く」
というルールが適用される)。

設備としては長さ207cm、幅82cm、高さ96cmの「カーペットを敷いた区画」が販売されたもので、付帯設備としては
「頭部分の仕切り、小テーブル、使い捨てコップ、個別照明スイッチ、毛布、枕カバー(枕はない)」であり、
コンセントはない(側廊下部分に1カ所あるが、取りあいになるので三又タップを用意するなどした方がトラブルを避けられる。
なお、盗難の恐れがあるので使用は自己責任だが、洗面所にもコンセントがある)。

個人スペースとしては、かつての2段式B寝台車(寝台長さ190cm、幅70cm)を上回る広さがあり、充分に広い。
だがカーペットにクッションなどはないので、そのまま横になれば体が痛くなるかもしれない。
備え付けの毛布を体の下に敷き、コートなどを布団代わりに体に掛け、携帯枕を持ち込むと数段居住性が向上して「寝台並み」になる。

なお「横になれる座席」であり、夜間でも他の利用者と仕切られることはないため、逆に「添い寝」には向いている。
ただし「ノビノビ座席」は座席なので、前述した「寝台の添い寝」ルールは適用されず、未就学児以外の子どもは、
利用人数分の指定席特急券が必要となることには注意が必要だ。

そして、個室ではないので「夜間に会話すれば他の利用客の迷惑になる」「貴重品の管理は自己責任」であることにも注意が必要である。
また、個室寝台ではなく、かつ電動車でもあるので、音に神経質な方は個室寝台をオススメしたい。