「添い寝」はB寝台でも可能だが、寝台幅が70〜75cmのため、狭くて現実的ではない。
「シングルデラックス」は85cm幅で、かつ大人側が備え付けのチェアに腕を載せて逃がせるため、
もっとも「添い寝」ルールを活かせる設備である。

「シングルデラックス」は寝台料金13,730円だが、添い寝で2人利用した場合、寝台券は1枚でいいので、
1人辺りの寝台料金は半分の6,865円となり、B寝台の「シングル」(寝台料金7,560円)2室を予約するより安いのである。

また、カップルで利用するにも向いていると書いたが「シングルデラックス」は個室同士の扉が向かい合った構造のため、
隣接する個室同士を予約して両方の住人が扉を開けば、お互いの個室の住人の顔を見ながら話ができる
(前述した通り、階段を上がった上に個室扉があるので通路から部屋の中は見られない。
また筆者が実験した限りでは、通路からは個室間の会話はほぼ聞こえない)。
だから、前述した「添い寝」の場合でも、例えば夫婦と子ども2人が、隣接する2室(21・22番/23・24番/25・26番個室)
を予約して、各寝台で子どもと添い寝、というのもありだろう。

ただし「シングルデラックス」は人気設備であり、繁忙期は常時満席と言っていい。
利用する場合は、切符の発売開始となる「乗車日の1カ月前の10時」のタイミングでの予約をおすすめしたい設備だ。


■3タイプから選べる「シングル」

「瀬戸」「出雲」にそれぞれ80室が設けられた1人用個室寝台であり、その個室数からもっとも予約しやすい設備である。
設備は長さ196cm、幅70cmのベッド、枕と布団、浴衣、長さ115cm、幅25cm程度の荷物置場、使い捨てコップ、
幅30cm、長さ90cm程度のテーブル、鏡、コンセント、浴衣、ハンガー、ゴミ袋、ラジオ&オーディオ装置、
アラーム付き時計、冷暖房の調節装置、スリッパが備わる。

床面積はかつての開放型A寝台と同等の1.9平方メートルと必要十分な広さ。
個室内の天井高さも1.8m程度確保されており、側窓も縦70cm、横120cmと大きいので開放感は抜群である。