ところが1972年にブランデージが会長を退任すると、74年には五輪憲章の参加資格から「アマチュア」が
削除され、プロ選手が参加できるオープン化が始まった。

■日本代表はアマチュアチームで

野球が正式競技になった1992年のバルセロナ大会と次のアトランタ大会まで、野球日本代表は社会人選手
を中心にアマチュアオンリーで参加して銅メダルと銀メダルを獲っている。

ところがその後、プロ野球選手の出場が認められた2000年のシドニー大会以降は、2004年のアテネ大会で
銅メダルを獲っただけだ。

延期された東京大会も、稲葉篤紀監督の「侍ジャパン」を中心にプロ野球のベストメンバーで金メダルを
めざすという。しかし、最強軍団のアメリカはマイナーリーグと大学の有力選手で編成し、大リーグの
ベンチ入り選手(各球団26人)は含まないことが決まっている。

だから私は、こんな五輪野球には興味がない。プロの実力世界一を競うのなら野球はWBC、サッカーや
ラグビーにはワールドカップがある。世界中が見えない敵・新型コロナと戦争をしているのだから、
オリンピックも1年延ばすだけでなく、クーベルタン男爵が掲げた理念に立ち戻るいい機会ではないか。

*   *   *

広岡達朗『言わなきゃいけないプロ野球の大問題 巨人はなぜ勝てなくなったのか?』

「私がイチローに引退を勧め続けた理由」
「大谷は外野手になれ!」
「原巨人は、丸で優勝しても意味がない」
――日本野球界を斬って斬って斬りまくる、この連載が本になりました!
●長野、内海の流出で試される巨人の若手育成力
●“ポスト原”の監督育成に着手せよ
●大谷はバッティングを封印してリハビリに専念しろ
●イチロー、45歳で引退。真価が問われる“第二の人生”
●ワールドシリーズを制したレッドソックスの「脱・フライボール革命」
●ソフトバンクは今シーズンこそ“真の日本一”をめざせ
●日ハム・吉田と中日・根尾 大型ルーキーの課題とは
●FA選手の巨額複数年契約はやめろ ……ほかセ・パ両リーグ日本一の名将・広岡達朗氏が「野球の本質とは何か」を提言。
甲子園から大リーグまで、野球界の問題を徹底検証します。