そこで今回、カナダMcMaster大学のMahshid Dehghan氏らは、低所得国(バングラデシュ、インド、パキスタン、ジン
バブエ)、中所得国(アルゼンチン、ブラジル、チリ、中国、コロンビア、イラン、マレーシア、パレスチナ、ポーランド、
南アフリカ共和国、トルコ)、高所得国(カナダ、スウェーデン、アラブ首長国連邦)の計18の国と地域で行われた、
大規模な観察研究「PURE」に参加した35〜70歳の13万5335人(年齢の中央値は50.29歳、男性が41.7%)のデー
タを分析しました。
研究への参加が決まった時点で、それらの人々の食事の内容を調べ、その後、7.4年(中央値)追跡して、あらゆ
る原因による死亡(総死亡)、循環器疾患の発症と循環器疾患による死亡などの有無を調べました。炭水化物の
摂取量が多かったのは中国、南アジア、アフリカの国で、脂質の摂取量が多かったのは北米と欧州、中東、東南
アジアの国、たんぱく質の摂取量が多かったのは南米と東南アジアの国の人々でした。
炭水化物、脂質、たんぱく質のそれぞれから摂取したエネルギーが総エネルギー量に占める割合を計算し、最も
少ない人から最も多い人までを並べて5等分しました。それら5群のうちの最低群を参照として、最高群の総死亡と
主要な循環器疾患(循環器疾患による死亡、死亡を免れた心筋梗塞、脳卒中、心不全)のリスクを評価しました。