里見惇と二人で脚本を練りに練り、脚本が完成した段階で、小津の頭の中のスクリーンにはすでに映像が出来上がっているのだろう。
小津にとって、映画撮影とは自分のイメージと同じ映像を作り上げる作業。俳優がイメージと異なるアドリブをするなど絶対に許されない。
小津安二郎が真の芸術家たる所以。