以前もどこかのスレッドに書いた記憶があるけど、も一回。

昔々、和田アキ子のバラエティ番組を見ていたら、時任三郎が、「海燕ジョーの奇跡」の宣伝の為に出演していた。
彼は当時まだ新人の域だったんで、バラエティ番組になれてなく、和田の前で明らかに緊張していて、
たどだどしい感じで必死に映画の見どころを説明していたんだけど、
和田の方は明らかに素っ気なく、「ふ〜ん」てな感じでただその言葉を聞いてるだけ。
彼の顔を見ようとすらしてなかった。

ところが、時任が途中で、「監督が、藤田敏八さんっていう、日活アクションを撮ってらっしゃった方で、・・・」と言ったら、
和田の表情が途端に一変し、「えっ。パキさんが監督なの?!」と言って身を乗り出し、時任の方に体の向きを変えて、
「じゃ、見る! 絶対見る!」と言い出していた。
そのあまりの変化に、時任の方が驚いていた。

「海燕ジョーの奇跡」がいまいちピリッとした作品にならなかったのは、
70年代において藤田と和田との間にあったような熱い仲間意識とは別次元のスタイルで作られたからだったろうと思う。