月刊WiLL 2020年9月号
中国に危機意識を持て
■古森義久×有村治子
技術覇権を狙う中国の「千人計画」
ttp://web-wac.co.jp/magazine/will/2020%e5%b9%b49%e6%9c%88%e5%8f%b7
【古森】 日本からも研究者が「千人計画」で中国に渡っているんでしょうか。
【有村】 世界的な競争力を持つ大学教授らが参加しており、実名が公表されている方もいます。
中国側で世界トップレベルの研究者を勧誘する目利きリクルーターの一人も、かつて日本の大学院で
研究していた中国人研究者です。
 今回、私の国会質問に対する政府答弁で明らかになったのは、日本の大学研究者の誰が「千人計画」
に参加しているのか、文部科学省がまったく把握していないという厳然たる事実です。残念ですが、
日本の学術環境は、安全保障の観点からは極めて心もとない状況です。
 日本の研究機関の中には、ファーウェイなど中国政府と深い関係を持つ外資企業から寄付を受けて
いる大学もあります。どの大学が外国資本から、どのくらいの寄付や特別便宜を受けているのか、
行政が把握していないことも判明しました。学術研究の名のもとで、表玄関から堂々と先端機微技術が
抜かれているとしたら由々しきことだと警鐘を鳴らしました。

【有村】 日本学術会議は、「日本の大学は安全保障や軍事技術の研究に加担するべきではない」と主張
する一方で、中国の「千人計画」に日本人の学者が参加することには、お構いなし。まったくおかしな
二重基準(ダブルスタンダード)です。
 そもそも、時代が進むほどに、軍事技術と民生技術の垣根はなくなってきています。