http://blog.goo.ne.jp/toyodang/e/66fda06802e29f013e26f5d41f769b01
「物理学」や「全分野」では、まだ、日本の方が上回っているとは
言っても、人口当り論文数を計算すれば、韓国の方が上回っていること
を考えなければいけません。人口当り論文数で、日本が明確に韓国を
上回っているのは、「地学」と「宇宙科学」、ほぼ同じ程度なのが
「植物・動物学」と「神経学」であり、あとは、すべて韓国の方が上
回っているのです。

 資源の少ない韓国は、教育研究に国の資源を投入し、研究分野では、
特に「工学系」、その中でも、イノベーションやGDPに直結しうる分野
に「選択と集中」したことが読み取れます。そして、人口が2.5倍の日本
を凌駕しました。

 今まで、ややもすると日本企業は韓国企業に技術を取られたために負け
たというような言われ方がされてきましたが、韓国は、研究の基盤力に
おいても量的・質的にすでに日本を上回っており、日本が負けるのも当然
と思われます。そして、今後、工学系の研究基盤力を高めない限り、日本
が韓国に追いつくことは不可能であると思われます。

 また、最近インドの論文数ランキングが急速に上がっていることも注目
されます。インドは、中国と同じように人口が多いので、論文数が増える
のも当たりまえといえば当たりまえなのですが、いよいよ世界のイノベー
ション競争に参入してきたということであり、日本の競争しなければなら
ない相手がさらに増えたことになります。

 それにしても、日本の工学系論文数の急激な減少、つまり工学研究の
基盤力の劣化は、尋常のカーブではありませんね。人口当りにすれば貧弱
な日本の大学の研究規模をいっそう縮小するという、今の政府の科学技術
政策がこのまま続けば、日本は早晩先進国から脱落し、二度と這い上がれ
ないことが目に見えます。