https://www.47news.jp/relation-n/2022041604

では、ジェンダーバイアスを乗り越えて理系を選ぶ女子生徒を増やすには、どうすればいいのか。ヒントは、東京都豊島区の私立中高一貫校「豊島岡女子学園」にありそうだ。

 この女子校では20年ほど前から、理系を選ぶ生徒が文系を上回るようになった。今春に高校2年となる生徒で見ると、3分の2が理系クラスに進む予定。昨年の大学合格実績を分野別で見ると、「理学・工学」が34%で最多だった。

 物理の授業を受け持つ村山洋教頭は「理系選択を誘導しているわけでもないし、特別な仕掛けもない」。自身が赴任した約30年前は、短大や専門学校への進学も珍しくなく、理系クラスを選ぶ生徒は1割未満だったと話す。

 大学進学率を伸ばし、理系選択が増えた要因は何か。村山教頭は「学ぶ楽しさ」を具体的に伝え、同時にキャリア教育も充実させたことにあるのではないかと分析する。

学園では、中学2年で企業へのインターンを、中学3年では社会人になった卒業生へのグループインタビューを体験する。これが、進学後の就職まで含めた自身の将来像を考える機会となる。理系分野で活躍する先輩が、最も身近なロールモデルとなっている。