静岡知事「飲用茶にすれば問題ない」 仏での検出受け
2011年6月18日20時43分

 「静岡」の茶から基準を超える放射性物質が検出されたとのフランス政府の発表を受け、静岡県の川勝平太知事はコメントを発表し、「仮に製茶の数値が1千ベクレルだとしても飲用茶にすれば10ベクレル程度になる。飲んでもまったく問題ないと考える」と県の独自調査の結果を示して安全性を強調。その上で「情報を確認し、早急に輸出ルートを調査する」とした。

 茶の輸出手続きを担当する同県経済産業部によると、フランスで検査対象となった茶の最終加工地が「静岡」だった可能性はあるものの、県内では他県産や海外産の茶葉を加工して出荷する場合もあり、茶葉自体がどこで生産されたものかはまだ分からないという。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、欧州連合(EU)への食品や飼料の輸出には産地証明書が求められているといい、同部は農林水産省や日本貿易振興機構(JETRO)などへの情報収集に追われた。

 同部の内藤文俊・マーケティング推進課長は「証明書番号が分かれば、流通ルートが特定できる。冷静に対応したい」と話した。

 茶商と小売業者で構成する静岡県茶商工業協同組合の斎藤松太郎理事長は、「過去にも産地が間違っていたり、数値が違っていたりしたこともあった。まずは時間をかけて、事実を確認して欲しい」と話した。

 静岡県では県内19産地別にサンプル検査を実施。一番茶の製茶では、静岡市葵区の藁科地区の「本山(ほんやま)茶」から、国の基準(1キログラム当たり500ベクレル)を超える679〜581ベクレルの放射性セシウムが6工場で検出された。
二番茶の荒茶の検査は継続中で、いずれも基準を下回っている。