H身体(五蘊)から完全に顛倒夢想を遠離した彼岸の境地に到る事(心経後半部) 五蘊から輪廻の原因たる形成作用と妄執の全てが滅尽された(ダンマパダ的解釈)
I人は肉体を我が物と思って執着し五欲を満たす為に奔走し日常の中に埋没して苦しんでいるが、物や感覚世界や概念に確固たる価値は無く皆空しいものである(苦・集)
 五蘊(肉体)とは行と識の穢れを磨いて道諦を実践し、涅槃を知解する為の道具である  「色(諸法)も成仏の因」(四聖諦&唯識的解釈)
J大日如来自身の境地に入って、自心も本性においては清浄にして無分別平等で無戯論なり と悟る事(密教的解釈)
K宇宙と一体の境地を表わす熟語  何ものも孤立した存在は無い 「個」は「全体」と不可分」の関係にあり、
a.(一つの形ある存在物というのは、実は「全体」の中の一部に過ぎず、「世界」の中で動き回り変化を続ける)微小な突起物みたいなものである ←空間的
b. 現実の顕われ(色)とは、移ろい行く全体の一断面であり、変化の途中経過である ←時間的
L20世紀物理学的な解釈 c.物質は虚空によって根拠付けられた存在である 物は時空中の場から質量が与えられている(ヒッグス機構等)
d.物質場の分布量と時空の歪み方は一致する(アインシュタイン方程式Gμν + Λgμν = kTμν の右辺が色、左辺が空 との解釈)
M二乗の低い段階の無我の見解に固執していると五蘊は空っぽと見做すだけで終わる(我が無いと主張するなら智慧もさとりも無いのでは?)と疑問を提示している。
つまり有部にあった(主にアナートマンやアートマンを巡る)或る種の狭い見解への執着を遠離した菩薩の境涯を説明する為の方便