強引に入信を勧誘したとの放送で名誉を傷つけられたとして、宗教法人「顕正会」がテレビ朝日に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が26日、東京高裁であった。
 秋吉仁美裁判長は「放送内容には真実と信じる相当の理由があり、名誉毀損(きそん)に当たらない」と述べ、同社に20万円の賠償を命じた一審東京地裁判決を取り消し、原告側の請求を棄却した。
 二審判決によると、テレ朝は2013年9月、警視庁公安部が入信勧誘をめぐって顕正会を捜索したことを番組で放送。この際、「日本脱カルト協会」幹部の「勧誘で付きまとわれることがある」などの発言内容を紹介した。
 秋吉裁判長は、違法な勧誘をした会員が逮捕されたことなどが03〜09年に何度も報道されており、テレ朝は警視庁に多数の相談が寄せられていたことを把握していたと指摘。
番組で「付きまとわれる」と発言した協会幹部は顕正会に詳しい専門家で、「テレ朝は取材活動からコメントに信頼性があると認識していた」と述べた。