柳生新陰流には
「一殺多生の剣」というのがあります。

「一人の悪に依りて、萬人苦しむ事あり。しかるに、一人の悪をころして萬人をいかす、是等誠に、人をころす刀は人をいかすつるぎなるべきにや」
『兵法家伝書』柳生宗矩

一人の悪を断ち一人を殺しても多くの衆生を生かすのが活人剣である。いわれなき殺生をするのが殺人刀である。

仇なす悪に打ち勝って確実に殺すのが殺人刀であって、その悪を殺したゆえに万人が救われ「活きる」のが活人剣だと言う。