ルカによる福音書

あるパリサイ人がイエスに、食事を共にしたいと申し出たので、
そのパリサイ人の家にはいって食卓に着かれた。

するとそのとき、その町で罪の女であったものが、パリサイ人の家で食卓に
着いておられることを聞いて、香油が入れてある石膏のつぼを持ってきて、

泣きながら、イエスのうしろでその足もとに寄り、まず涙でイエスの足をぬらし、
自分の髪の毛でぬぐい、そして、その足に接吻して、香油を塗った。

イエスを招いたパリサイ人がそれを見て、心の中で言った、

「もしこの人が預言者であるなら、自分にさわっている女がだれだか、
どんな女かわかるはずだ。それは罪の女なのだから」。

そこでイエスは彼にむかって言われた、

「シモン、あなたに言うことがある」。彼は「先生、おっしゃってください」と言った。

イエスが言われた、

「ある金貸しに金をかりた人がふたりいたが、ひとりは五百デナリ、
もうひとりは五十デナリを借りていた。

ところが、返すことができなかったので、彼はふたり共ゆるしてやった。
このふたりのうちで、どちらが彼を多く愛するだろうか」。

シモンが答えて言った、「多くゆるしてもらったほうだと思います」。

イエスが言われた、「あなたの判断は正しい」。