聖書の成り立ちと本文批評

聖書は、今からおよそ3500年前〜2000年前にかけて徐々に記されていった書物の集大成だ。
合わせて66巻に上る全ての書物は、元々特定の著者によって原典(オリジナル)が作成され、
その原典を写字生たちが書き写して写本を作成していき、今日までその内容が語り継がれるようになった。

では、聖書の各書物の原典はどこに存在するのかというと、現代は全ての原典が失われており一つも残っていない。
この事実が、多くの批判の原因となってきたことは、本記事の冒頭で説明した通りだ。

では、原典が無ければ写本の正確性を判別できないのか?というと、答えは完全に「ノー」だ。
聖書の原典が無くとも、歴史的に多くの専門家たちが多大な努力を払って本文批評を行ってきたおかげで、原典の内容はほとんど誤りの無い形で復元されているからだ。

今日私たちが手にしている聖書は、下等批評によって十分に復元された定本を元に、各国の言語に翻訳されたものだ。
だから、私たちは安心して聖書を読んで、その記録を信頼することができるのだ。

以上の点を踏まえ、これから旧約聖書と新約聖書、それぞれの写本の信頼性について、もう少し詳しく説明をしていきたい。