マルコによる福音書より

「それからすぐ、イエスは自分で群衆を解散させておられる間に、しいて弟子たちを舟に乗り込ませ、

向こう岸のベツサイダへ先におやりになった。 そして群衆に別れてから、祈るために山へ退かれた。

夕方になったとき、舟は海のまん中に出ており、イエスだけが陸地におられた。

ところが逆風が吹いていたために、弟子たちがこぎ悩んでいるのをごらんになって、

夜明けの四時ごろ、海の上を歩いて彼らに近づき、そのそばを通り過ぎようとされた。

彼らはイエスが海の上を歩いておられるのを見て、幽霊だと思い、大声で叫んだ。

みんなの者がそれを見て、おじ恐れたからである。

しかし、イエスはすぐ彼らに声をかけ、

「しっかりしなさい。わたしである。恐れることはない」と言われた。

そして、彼らの舟に乗り込まれると、風はやんだ。彼らは心の中で、非常に驚いた。

先のパンのことを悟らず、その心が鈍くなっていたからである。