碧巌録(へきがんろく)  第87則  雲門薬病相治(うんもん やくびょう あいち)   

本則

雲門、衆に示して云く、「薬病相(あい)治(ち)す。 尽大地(じんだいち:世界)これ薬。那箇(なこ)かこれ自己?」。



雲門:雲門文偃禅師(864〜949)。雲門宗の開祖。
法系:六祖慧能→青原行思→石頭希遷 →天皇道悟→龍潭崇信→
徳山宣鑑 →雪峯義存→ 雲門文偃
薬病相(あい)治(ち)す:薬は病のためのものであり、病は薬を必要とする。
ここでは、仏法(あるいは悟り)を薬に、
煩悩や迷いを病(心の病)に譬えている。
仏法(あるいは悟り)という薬は、煩悩や迷いの病(心病)を治すために必要であり、 心の病が治れば「悟り」という薬必要がなくなる。これを薬病相治(あいち)すと言っている。

本則

ある日雲門禅師は弟子達に向って言った、
「薬(悟り)とは病(心の病)を治すために飲むものだ。
大地は薬であふれている。自己は一体どこにあるのだろうか?」。

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ある日雲門禅師は弟子達に向って言った、
「一体、仏法の薬(悟り)は病(心の病)を治すために飲むものだ」。

⇒ ずいぶん前になるが、わたしは宇宙と言っていた。
  わたしが歩けば、宇宙が動く、と。
  いう事に間違いは無いのだが、実際の日常では見えてこない、ほとけの ありよう だ。
  具体性が、求められる。
  わたくしと宇宙は、別物ではない。わたしと宇宙は、一の如。