甲子園球場で編集者とライターの代表で私が清原氏に挨拶することになった。
ロープを張った関係者専用の観戦席に清原氏は飛び込むように入ってくると
誰ともなにも話さず、椅子に座り込んで携帯電話のゲームをやり始めた。
グラウンドに全く目もくれず、大きな身体を丸めてゲームをやっている姿と
それを黙って取り囲んでいる関係者の姿が異様でよく覚えている。

清原氏が楽しみという試合開始のサイレンが鳴ってもまだゲームを続けていた。
私は他の取材もあり、アホらしくなって「俺、帰るわ」と編集者に言い残して
挨拶せずに自分の取材席に戻った。もうあの人は野球に興味ないんじゃないか、と思った。