北海道のスキーリゾート、ニセコで土地や物価の価格が高騰している。もともとオーストラリアからの観光客が多かったが、SNSでニセコの評判が世界中に拡散。外国人観光客が右肩上がりに増え続け、
2018年はおよそ13万4600人が訪れ、10年前の約4倍に増加。外国からの投資が増えたことで、高級別荘やペンションのある樺山地区は2019年の地価上昇率(前年比)が66.7%増。4年連続で全国1位になった。

地価の上昇で人々が去り、地元商店街は壊滅状態

中心部の「ひらふ坂」には、2018年、アメリカ人投資家で構成する不動産開発会社が高級分譲コンドミニアムを開業、最高額で4LDKで約8億円の物件で、
シンガポールやタイなどの富裕層が購入した。購入者が不在の時は、ホテルとして貸し出しているが、冬季宿泊料は1泊で最高72万円だ。

スキー場近くの高級住宅は1棟5億円以上。2階建てで450平方メートルある住宅は、20人以上が食事できるリビング、天然温泉、24時間体制の
コンシェルジュサービス、スキー場などへの送迎サービスもある。9棟のうちすでに4棟が売れているが、オーナーは主に外国人だという。

一方で、JR倶知安駅周辺の商店街では、次々と店舗がつぶれる影響が出ている。2012年に100店舗あったが、今は35店舗のみ。
倶知安商店連合会の山崎隆史さんは「地価の上昇で住んでいた人が土地を売り去っていった。商店街としては壊れている」と話す。地元に残った人の生活がどんどん不便になっているというのだ。

スーパーには3万円の肉や1パック5万円のウニ
客の4割が外国人というスーパーでは、輸入食品や3万円の肉の塊など、富裕層向けの食材が並ぶ。1パック5万円以上のウニを売るスーパーもある。
地元住民の女性は「高すぎて手が出ない」と話す。また、アパートの家賃も高騰しているため、「もう住めない」と悲鳴を上げる人が続出している