基本的に繁殖にあがらなかった競走馬達は、表面上は「乗馬になった」として処理されていますが、実際はほとんどが行方不明となっています。
なぜなら、毎年5000頭以上の馬が引退していて、そのほとんどが乗馬になっているはずなのに、今現在、乗馬クラブに登録されている馬の数は全体で5000頭程しかいません。
本来なら数万頭いないと、計算がおかしくなります。
乗用馬がたった5000頭しかいない、その事実が示すのは、実際はほとんどの馬が乗馬になれず、人知れず処分されているということに他なりません。

もともと騎乗されていたのだから、乗用馬への転向は簡単に見えますが、競走馬というのは、とにかく早く走ることや、ライバルに対して食らいついていく闘争心を徹底的に教え込まれています。
そのため、いきなり従順に、ゆっくり人を乗せて歩いたり、なんて器用なことはできません。

JRAは毎年、2兆5000億円前後の売上高がありますが、もし馬券を買う人全員がその1/10でいいから、引退馬の支援に回したら、2500億というお金が生まれます。2500億という数字は、その年に引退する何千頭の馬すべてを
、寿命を迎えるまで飼育することが可能なほどの大きな金額です。
もちろんそんな単純な話ではありませんが、競馬を楽しんでいる人こそが同時に引退馬支援の大きな力になる可能性を秘めているのです