日本で消費税が導入されたのは1989年のことだ。

消費税は平成の負の遺産と言える。

政府は財政再建と社会保障制度維持のために消費税増税を実施してきたとするが、事実でない。

消費税増税の規模と法人税および所得税減税の規模がほぼ一致するのである。

つまり、消費税増税で得た財源は、法人税減税と所得税減税に投入されてきた。

この減税によって恩恵を受けたのは富裕層である。

他方、消費税は所得の少ない階層の人々に対する過酷な負担増加をもたらしてきた。

日本が一億総中流時代に税負担の水平的公平を確保するために消費税を導入するのなら意味がないわけではない。

ところが、平成の30年間は、日本の一億総中流が完全に崩壊し、圧倒的多数の中間所得者層が下流へ押し流された時期に相当する。

その下流に押し流された人々に鞭を打つ税制変更が強行されてきたのだ。

法人税減税と所得税減税は、1%の富裕層の税負担をさらに軽減するものであり、格差急拡大の時代に、
その格差拡大をさらに拡大させる政策が採用されてきたのだ。

いま日本に必要な経済政策は、国家がすべての国民に保障する最低ラインを引き上げることだ。