古今の有名人の「殺し文句」を分析した『ザ・殺し文句』(川上徹也・著)には、大正時代の総理大臣、原敬のこんなエピソードが紹介されています。総理になった原の元には、毎朝数十人もの陳情客が来ていました。
順番に面会していくのですが、朝一番の客には必ず次のように語ったといいます。

「君の話は、いの一番に聞かねばならんと思ってね」

 そして、最後まで待たせた客には次のように語りました。

「君の話はゆっくり聞かなければならないと思って、最後までお待ちいただきました」