サッチャーは退陣し、人頭税は廃止されたがすでにイギリスの貧富の格差は修復できぬほど広がっていた。

サッチャー元首相の死去後、すぐに友人から送られてきたのは、イギリスの映画監督ケン・ローチ氏のコメントだった。サッチャーのさまざまな政策がもたらした大量失業や破壊された地域社会を舞台にした
労働者階級の視点からの映画を手がけてきた彼はこう言ったという。「どうして彼女を称賛できるのだろうか。彼女の葬式は民営化しよう。競争入札にして、
一番安い応札者にしよう。それが彼女が望んだであろうことだから」

アメリカに倣い企業の利益だけを優先した結果産業が空洞化したイギリスは、もはやヨーロッパの小さな島国となった。同じ政策をとる日本もアベノミクスにより中国沖の小さな島国になる可能性は高い。