0590元武雄市長物語
2019/01/21(月) 14:17:37.17ID:qCx4d2kK0結局、プリキュアショーは微妙な空気のうちに閉幕。
他は完璧な出来栄えであるから、あの場面が原因であることは言うまでも無い。
人がはけた閉幕後の会場に残る、2人の男。
複雑な表情の男と、やたら上機嫌で頭同様輝くような笑顔の男。
樋渡「いやー実に大成功だな! 最高のショーだったじゃないか!」
小松「樋渡さん・・・本当に、これでよかったんですか?」
樋渡「ん、どうしたんだ? 収支なら最悪でもチャラだし心配いらない。
僕の計算では、儲けこそ少ないかも知れんが決して損はしないはずだ。
図書館の二の舞にはならんから安心していい。」
小松「ええ、分かっています。
しかし、これでは楽しみにしてくれていた子供たちが・・・」
樋渡「何を言ってるんだ小松君。
今回のイベントが何の目的か、君は最初から知ってるだろ。
全ては、私のイメージ回復のためだ。
子供達が憧れる正義の味方も僕を応援していることを、ちゃんと市民に示せた。
これで、皆全力で僕を支持するに違いない。
もう一回、市長からやり直すための礎だよ。
君は黙って僕についてくればいいんだ。
つべこべ言うゴキブリなんぞ、黙殺すればいい。
全ては武雄活性化のためだ、わかってくれるな?」
この日のことが報道機関を通じて世に広まることは、恐らく無い。
一地方都市の着ぐるみショーに過ぎないのだから、当然と言える。
樋渡が再び行政に進出するなら、話は別かも知れないが。
私利私欲のために平気で他人を犠牲にする男、それが樋渡。
子供の夢を踏みにじろうと、他人の誇りを傷つけようと、一切知った事ではない。
そんな樋渡に、明日はあるのか――
ハゲっと!プリキュア 〜元武雄市長物語〜
[完]