第4次産業革命とは、18世紀末以降の機械化を第1次産業革命、20世紀初頭の分業に基づく電力を用いた大量生産を第2次産業革命、1970年代初頭からの電子工学や情報技術を用いたオートメーション化を第3次産業革命とした時、IoTやビッグデータ、
AIなどを活用した新たな技術革新のことを言う。産業の在り方が大きく変わり、社会の仕組みや働き方がダイナミックに変化する可能性も少なくない。
「第4次産業革命がいつごろから取り上げられるようになってきたのか、正確なところはわかりませんが、私の認識では、日本政府の対応は決して早くはなかったと感じています」と、竹中氏。
2011年にドイツのハノーバーメッセで「インダストリー4.0」という言葉が登場し、2012年ごろからアメリカとイギリスがビッグデータを整備するための新たな仕組みづくりに取り組み始めた。また、同じく2012年ごろからはディープラーニングも登場したとされている。
しかし、日本が第4次産業革命を明確に意識し、官民の体制を作ろうという議論が出てきたのは、2016年の成長戦略からだった。
「日本は他国より第4次産業革命に取り組み始めた時期が3〜4年遅れをとっているということを謙虚に認めて、対応していく姿勢が必要だと思います。AIで出遅れたとしても、
それをロボットに組み込む技術などにおいては高いポテンシャルがあるはず。こうした認識を官民で共有して、それぞれがやるべきことを正しく把握し、進めていくことでチャンスはきっと訪れるでしょう」