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この思考実験全体はコンピュータのアナロジーになっている。
すなわち小部屋全体がコンピュータを表し、
マニュアルに従って作業する一般人は、
プログラムに従って動くCPUに相当する。
この思考実験から帰結する論点は、基本的に単一のものだが、
分野によってその表現が若干異なる。
ここでは数学の部屋の思考実験についてよく議論される三つの分野、
心の哲学、数理哲学、人工知能の哲学からの表現を述べる。

心の哲学からこの実験を見ると、これは心身問題に対する立場の一つ、

機能主義に対する反論を提示している。
すなわち意識体験は機能に付随しない。機能主義は間違っている。

数理哲学の観点からの表現は、次のようになる。
数学の統語論は意味論を含まない

人工知能の哲学の観点から表現すると、次のようになる。
強い人工知能は製作不可能である。