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数学の部屋(すうがくのへや、Math Room)とは数学を理解できない人を小部屋に閉じ込めて、
マニュアルに従った作業をさせるという思考実験。
チューリング・テストを発展させた思考実験で、意識の問題を考えるのに使われる。

ある小部屋の中に、日常言語しか理解できない人を閉じこめておく(例えば文系一般人)。
この小部屋には外部と紙きれのやりとりをするための小さい穴がひとつ空いており、
この穴を通して一般人に1枚の紙きれが差し入れられる。
そこには彼が見たこともない文字が並んでいる。
これは数学記号の並びなのだが、一般人の彼にしてみれば、
それは「★△◎∇☆□」といった記号の羅列にしか見えない。
彼の仕事はこの記号の列に対して、新たな記号を書き加えてから、
紙きれを外に返すことである。
どういう記号の列に、どういう記号を付け加えればいいのか、
それは部屋の中にある1冊のマニュアルの中に全て書かれている。
例えば"「★△◎∇☆□」と書かれた紙片には
「■@◎∇」と書き加えてから外に出せ"などと書かれている。

彼はこの作業をただひたすら繰り返す。
外から記号の羅列された紙きれを受け取り
(実は部屋の外ではこの紙きれを"質問"と呼んでいる)、
それに新たな記号を付け加えて外に返す
(こちらの方は"回答"と呼ばれている)。
すると、部屋の外にいる人間は
「この小部屋の中には数学を理解している人がいる」
と考える。
しかしながら、小部屋の中には一般人がいるだけである。
彼は全く数学記号が読めず、作業の意味を全く理解しないまま、
ただマニュアルどおりの作業を繰り返しているだけである。
それでも部屋の外部から見ると、数学の対話が成立している。