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モード1/モード2 について

https://imidas.jp/genre/detail/K-126-0023.html

科学研究は、その誕生以来、個人の好奇心の満足のための活動とされてきた。
このような科学者の内部に向けた「学問のための学問」は、
モード1の科学と呼ばれる。

しかし20世紀には、科学は国家や企業のために展開されることが増えた。
アカデミックな科学研究も影響を受け、目的志向で
プロジェクト型の産業化科学(industrialized science)の発展につながった。

他方、最近になって比較的アカデミックな科学研究分野でも、
地球環境問題研究のように、明確に目的志向の課題が登場した。
そこでは、文理をまたがる多数の研究者が協働して問題を解く。
従来の学際的(interdisciplinary)なあり方とは異なり、
超領域的(transdisciplinary)に研究が行われる。
知識生産の拠点も、大学や産官学の研究機関に限られなくなり、
国境を越えて必要な知識が迅速に流通することも普通である。
このような新しい研究のあり方を、マイケル・ギボンズらの研究者は、
モード2と名付けた。

モード2の科学は、技術開発に限らず科学研究にも共通して
見られるようになっていて、新たな知識生産のあり方として注目されている。
モード2の科学や、レギュラトリーサイエンスに見られる
科学研究のスタイルは、これまでの通常の科学のあり方とは異なっており、
ポスト・ノーマルサイエンス(post-normal science)と称されることもある
(→トランス・サイエンス)。
なお、技術におけるオープン・イノベーションも、
モード2の科学のあり方と関係がある。