代数学演習
線形代数
群
環と加群
体Galois理論
可換代数
群の表現
などの演習問題を解くスレ まず、gcd(b, c) = d > 1のときは、
(Y^(b/d))^d + (Z^(c/d))^d
なので1の原始d乗根をζとして
(Y' - 1Z')(Y' - ζZ')...(Y' - ζ^(d-1)Z')
と因数分解される(Y' = Y^(b/d), Z' = Z^(c/d))。Z'を適当に座標変換すれば、各因数はY' + Z'の形になるから、各因数が既約多項式のべき乗になっているかどうかは、gcd(b, c) = 1の場合に帰着される。
多分、gcd(b, c) = 1なら、Y^b + Z^cは既約だろう。それなら、既約因子が全部多重ってことはない。
y^2 + x^3とかなら係数比較すればいいけど、どうやって示すのだろう?そもそも成り立つのか。 pは素数とする。Rは単位元をもつ環で元の個数がp^2であるとする。
(1) Rは可換であることを示せ
(2) Rはどのような環になるか。同型類を全て記述せよ。
(京大) (1)
1 + ... + 1 (p^2回) = 0であるから、1の加法群としての位数はpまたはp^2である。
1の位数がp^2ならば、Rは加法群としてZ/p^2Zに同型である。この時、Rのすべての元が1 + 1 + ... + 1の形になることから、Rの乗法も、Zから誘導されたものになる。したがってRは可換である。
1の位数がpの場合を考える。
Rの加法群としての構造は、Z/pZ×Z/pZである。したがって、Rのすべての元は、ある2元aとbの整数係数の線形結合で表される。
1 = na + mb (n, m∈{0, 1, ..., p - 1})
とすると、0, 1, ..., p - 1はすべての元と可換なので、a, bを1の左右からかけたものを比較すると、
a = na^2 + mba = na^2 + mab
b = nab + mb^2 = nba + mb^2
∴ m(ab - ba) = 0, n(ab - ba) = 0
n, mの両方が0だと1 = 0となってしまうので、ab - ba = 0。Rはa, bで生成されるから可換である。□
(2)
1の位数がp^2のとき:
上で述べた通り、環としてもZ/p^2Zと同型である。
1の位数がpのとき:
RはF_pを部分環として含むとしていい。
F_pに含まれない元X∈Rを取る。Rの元の個数はp^2だから、F_p加群としてF_pX⊕F_p1に同型。よって、
X^2 + aX + b = 0(a, b∈F_p)
が成り立つ。したがって、Rは剰余環
F_p[X]/(X^2 + aX + b)
に同型である。
f = X^2 + aX + bとおく。Rの同型類は
・fが1次式のF_pに重根を持つとき、F_p[X]/(X^2)に同型
・fが異なる1次式の積に分解されるとき、F_p[X]/(X(X + 1))に同型
・fが既約のとき、F_p[X]/(X^2 + X + 1)に同型。 訂正:
> ・fが1次式のF_pに重根を持つとき、
・fがF_pに重根を持つとき、 有理数のなす加法群ℚと、有理数体の乗法群ℚ*は、Abel群として同型でないことを示せ。 q∈ℚを0でない任意の元とすると必ず2p = qとなるp∈ℚが存在する。
一方、ℚ*の元には平方根が存在するとは限らない。たとえば2。 K⊂ℂを部分体、pを素数とする。ℂに含まれる任意の有限次拡大L/Kに対し、
「L = Kでなければ、[L : K]はpで割り切れる」
と仮定する。このとき、ℂに含まれる任意の有限次拡大L/Kに対し、[L : K]はpのべき(1を含む)であることを証明せよ。
(京大) L/Kを任意の有限次拡大とする。
Lを含むKの最小のGalois拡大M/Kが存在する。仮定より、[M : K]はpで割り切れる。
|Gal(M/K)| = mp^n (mとpは互いに素)とおく。Sylowの定理よりGal(M/K)のSylow p部分群が存在する。その一つをHとすると、|H| = p^n。
Hの元で固定される部分体M^HのK上の拡大次数は、Galois理論の基本定理より、|Gal(M/K)|/|H| = mである。しかし、仮定よりこれはpのべきでなければならないから、m = 1である。
したがって、[M : K] = p^n。よって、M/Kの中間体であるLのK上の拡大次数もpのべきである。□ 体K = ℚ(√N, √(1 + i))がℚ上のGalois拡大となるような最小の正の整数Nと、そのときのGalois群Gal(K/ℚ)を求めよ。
(京大) √(i + 1)のℚ上の共役は
√(i + 1), -√(i + 1), √(-i + 1), -√(-i + 1)。
√(i + 1)√(-i + 1) = √2なので、√2が含まれれば、Kに√(i + 1)の共役がすべて含まれる。
N = 1のときはGalois拡大にならないので、N = 2が最小。
M = ℚ(√2, i)とおく。
KはMの2次拡大で、Mはℚの4次拡大だから、#Gal(K/ℚ) = 8。
σ∈Gal(M/ℚ)を、σ(i) = -iで定まるものとすると、
σ(√(i + 1)^2) = - i + 1
だから、Gal(K/ℚ)の元としては
σ(√(i + 1)) = √(-i + 1)
σ(√(-i + 1)) = √(i + 1)
で、位数は2。
τ∈Gal(M/ℚ)を、τ(√2) = -√2で定まるものとすると、
τ(√(i + 1)√(-i + 1)) = -√2
だから、これをKに延長したものは
τ'(√(i + 1)) = -√(i + 1)
τ''(√-i + 1)) = -√(-i + 1)
で定まるものの2つがある。どちらも位数は2。
以上から、Gal(K/ℚ)は位数2の元3つで生成されるので、
Gal(K/ℚ)〜ℤ/2ℤ × ℤ/2ℤ × ℤ/2ℤ。 おかしいな
Abel拡大になるはずない
> KはMの2次拡大で、
ここが違うか もしAbel拡大なら、Galois群の部分群はすべて正規部分群だから、Q(√(i + 1))を固定する部分群も正規部分群になる。よって、Q(√(i + 1))/Qが正規拡大となり矛盾。
8次拡大はあってて、非Abel的だから位数8の二面体群になる。 断捨離してたら加藤和也の授業の演習プリントが出てきた 桂利行と川又雄二郎の授業の演習プリントはまだ持ってる K = ℂ(t)を変数tに関する複素数係数の1変数有理関数体とする。uを0でない複素数とし、Lを多項式f(X) = X^4 + 2utX^2 + t∈K[X]のK上の最小分解体とする。
(1) 拡大次数[L : K]を求めよ
(2) ガロア群Gal(L/K)はアーベル群であるか?理由をつけて答えよ。
(京大) (1) f(X) = 0を解くと、
X = ±√(-ut + √(u^2t^2 - t)), ±√(-ut - √(u^2t^2 - t))
α = √(-ut + √(u^2t^2 - t))
β = √(-ut - √(u^2t^2 - t))
とおくと、
αβ = √-t。
K(α^2)/Kは2次拡大(u≠0なので)
K(√-t)/Kは2次拡大
よって、K(√-t, α^2)/Kは4次拡大
L/K(√-t, α^2)は2次拡大
なので、L/Kは8次拡大。
(2) Gal(L/K)がAbel群なら、すべての部分群は正規部分群なので、すべての中間拡大はGalois拡大になる。
しかし、L/Kの中間拡大K(α)/KはGalois拡大ではない。なぜなら、これがGalois拡大ならαの共役βがK(α)に属さなければならなければいけないが、αβ = √-t∉K(α)なので。
よって、Gal(L/K)はAbel群ではない。 なぜ京大ばかりなのか
・私が受けるから
・東大はネット上では過去3年しか問題が公開されていないから
・東大の問題が難しくて解けないから Bを可換環、Aをその部分環(乗法の単位元1を共有する)とする。
BはA加群として有限生成であるとし、PをAの素イデアルとする。このとき、Aの元aが、
a = Σ[i=1, n] b_i p_i (b_i∈B, p_i∈P)
と表されるならば、a∈Pであることを示せ。 >>56
BはAの整拡大だから、Bの素イデアルQで
Q∩A = P
となるものが存在する(lying-over theorem)。a∈PB⊂Qであるから、
a∈Q∩A = P。□ lying-overの証明も美しいよね。
定理:
A⊂Bを環の整拡大、PをAの素イデアルとする。このときBの素イデアルQで
Q∩A = P
を満たすものが存在する。
証明:
M = A\Pとする。A_M, B_MをAおよびBのMによる局所化とする。
PはA_MのA_Mの極大イデアルP'の自然な写像i: A → A_Mによる引き戻しである。また、もしB_Mの素イデアルQ'で、Q'∩A_M = P'となるものがあれば、j: B → B_Mを自然な写像として、
P = i^(-1)(P') = i^(-1)(Q'∩A_M) = j^(-1)(Q') ∩ A
となる。よって、A, BをA_M, B_Mに置き換えることで、Aは局所環、PはAの唯一の極大イデアルとしてよい。
QをBの任意の極大イデアルとすると、Q∩A = Pとなることを示す。可換図式
B → B/Q
↑ ↑
A→A/(Q∩A)
を考えると、B/QはA/(Q∩A)上整。B/Qは体なので、以下のlemmaより、A/(Q∩A)も体。よって、Q∩AはAの極大イデアル。□
lemma:
A⊂Bを整拡大とする。Bが体ならば、Aも体である。
(Aが整域ならば、「Aが体ならばBも体」も成り立つ)
lemmaの証明:
1/a∈A⊂Bを0でない元とすると、Bは体なので、1/a∈B。1/aはA上整なので、
(1/a)^n + a_1(1/a)^(n-1) + ... + a_n = 0 (∃a_1, ..., a_n∈A)
となる。よって、a^(n-1)を掛ければ
1/a = a_1 + ... + a_n a^(n-1)∈A。□ 〔オイラーの定理〕
aがnと素ならば
a^φ(n) ≡ 1 (mod n)
φ(n) はオイラー関数
1≦a<n のうち nと素なもの (正則元) の個数。
・素数pについて
φ(p^e) = (p-1)・p^(e-1)
・n = Πp^e のとき
φ(n) = Πφ(p^e) … 乗法的 aがnと素 ⇒ a^m ≡ 1 (mod n)
となる最小の自然数m をλ(n) とかく。
λ(n) は φ(n) の約数。
nが素数p, p^2 のときはオイラー関数 φ(n) と一致する。
カーマイケル関数λ(n)
pが奇素数 または e≦2 のとき
λ(p^e) = (p-1)・p^(e-1)
p=2 かつ e≧3 のとき
λ(2^e) = 2^(e-2),
n = Π p^e のとき
λ(n) = LCM{λ(p^e)}, 〔Wilsonの定理〕
(n-1)! ≡ -1 (mod n) (nは素数)
(n-1)! ≡ 2 (mod n) (n=4)
(n-1)! ≡ 0 (mod n) (nは合成数(>4)) A = { m | 1≦m<n, mとnは互いに素}
の元を 正則元 とよぶ。
〔土岡の定理〕
3以上の自然数nに対して
(1) Π[1≦m<n, (m,n)=1] m ≡ ±1 (mod n)
(2) -1 となるのは n=4, n=p^e, n=2p^e のときである。
(pは奇素数で e≧1)
数学セミナー, vol.39, no.3, 通巻462号 (2000/Mar)
p.69-70 NOTE (x^5 + x + 1)/(x^5 + x^4 + 1) を約分せよ。
(略解)
x^5 + x + 1, x^5 + x^4 + 1 は x=ω, x=ω' のとき 0,
因数定理より (x-ω)(x-ω') = xx+x+1 で割り切れる。
x^5 + x + 1 = (xx+x+1)(x^3 -xx +1),
x^5 + x^4 + 1 = (xx+x+1)(x^3 -x +1),
∴ (与式) = (x^3 -xx +1)/(x^3 -x +1)
MathLABO 東大・医 (?)
http://www.youtube.com/watch?v=E4Lv6kerh78 09:30 〔問題472〕
mを自然数とする。因数分解せよ。
2^{2m+7} + 3^{2m} + 6^{m+2},
2^{2m+3} + 3^{2m} + 6^{m+1},
2^{2m-2} + 3^{2m} + 6^m,
2^{2m-2} + 3^{2m+1} + 6^{m+1},
[面白スレ39.472] 〔問題481〕
2^a + 2^b + 2^c + 2^d + 2^e = n!
の自然数解 (a≦b≦c≦d≦e; n) は何個あるか?
[面白スレ39.481] f(x) = (x^100 +1)^100 + (x^2 +1)^100 + 1
は x^3 -1 で割り切れるか。
2003年京大前期(?)、改作
[高校数学の質問スレPart414.427] f(x) = (x^100 +1)^100 - (x^2 +1)^100 + x^100 - x^2
は x^3 -1 で割り切れるか。 3次対称群S_3の自己同型群Aut(S_3)はS_3と同型であることを示せ。 >>71
G = S_3とする
φ: G → Aut(G)を
φ(g) = (x → gxg^(-1))
で定義する。
@ φは準同型である。
φ(gh) = (x → g(hxh^-1)g^(-1)) = φ(g)○φ(h)
Aφは単射である。
φ(g) = id_Gとする。このときすべての元xについて、
gx = xg
が成り立つ。もし、g ≠ e(単位元)とすると、i ≠ g(i)となるi∈{1, 2, 3}が存在する。n∈{1, 2, 3} \ {i, g(i)}を取る。このとき、
x(i) = i
x(g(i)) = n
となるx∈S_3が存在して、
g(x(i)) = g(i) ≠ n = x(g(i))
となるから、gx = xgとならない。よって、g = eである。
B |Aut(G)|≦6(= |G|)である。
Gは互換(1, 2), (2, 3), (3, 1)で生成されるから、f∈Aut(G)はf((1, 2)), f((2, 3)), f((3, 1))で決まる。
fは互換は互換に写す。
∵
gを互換として、nをf(g)の位数とする。G = S_3なので、nは1, 2, 3のどれか。G = S_3なので、2のときは互換である。
n = 1のとき、f(n) = eなので、fの単射性に反する。
n = 3のとき、f(gg) = e ≠ f(g)f(g)
よって、n = 2でなければならない。
よって、fの取り方は3 * 2 * 1 = 6以下。
@、A、Bより、φは同型。□ Aはn = 2のときに成り立たない。
Bの「互換は五感に」の証明がn≧4のときに使えない。
あと、n = 2, 6のときにS_n 〜 Aut(S_n)は成り立たない。 K を X^5 - 2 の Q上の最小分解体とする。
Gal(K/Q)と、K/Qの中間体の個数を求めよ。 位数7の有限体F_7上の一般線形群GL(2, F_7)は可解ではないことを示せ。 部分群SL(2,F_7)の剰余群PSL(2,F_7)は交代群に同型ではない最小の非可換単純群だからな Gを非可換群で以下の性質(*)を満たすものとする。
(*) N_1, N_2がGの相異なる非自明な正規部分群(すなわち{e}とG自身以外のもの)ならば、N_1⊂N_2でない。
(1) N_1, N_2がGの相異なる非自明な正規部分群ならば、G = N_1 × N_2であることを示せ。
(2) Gの自明でない正規部分群の個数は、高々2個であることを示せ。
(京大 2015) C(t)をC上の1変数有理関数体とする。aを複素数とし、s = t^3 + 3t^2 +at∈C(t)とおく。C上sで生成されたC(t)の部分体をC(s)とするとき、以下の問に答えよ。
(1) 拡大次数[C(t) : C(s)]を求めよ。
(2) C(t)/C(s)がガロア拡大となる複素数aをすべて求めよ。
(2015年 京大) (1)
多項式F(X)∈C[s][X]を
F(X) = X^3 + 3X^2 + aX - s
と定義する。FがtのC(s)上の最小多項式であることを示す。
明らかにF(t) = 0である。
FはC[s][X]で既約である。仮にFが既約でないとすれば、1次式と2次式の積に分解するが、1次の因数は(X ± 1)か(X ± s)でないといけない。しかし、係数を比較すれば、そのような分解は不可能であることが分かる。
C[s][X]はUFDなので、FはC(s)[X]でも既約である。
したがって、FはtのC(s)の最小多項式であり、よって[C(t) : C(s)] = [C(s)(t) : C(s)] = 3。
(2)
X + 1 = Yとおくと
F = (X + 1)^3 + (a - 3)X - s - 1
= Y^3 + (a - 3)Y - s - a + 2
Fの根の差積をΔとおくと、一般にFの分解体はC(t)(Δ)なので、C(t)がGalois拡大となるのはΔ∈C(t)のときである。
Δ = √(-4(a - 3)^3 - 27(-s - a + 2)^2)
= -4a^3 + 12a^2 - 12a + 4*27
-27(
...
まあ、a = 3のときだと思うよ Fを位数7以上の体とするとき、
PSL(2, F) = SL(2, F)/{I, -I}
は単純群であることを示せ。 nを正の整数とする。C[[t]]の部分環Aと極大イデアルmの組(A, m)で以下の条件をみたすものをひとつ求めなさい。
(1) AはCを含む
(2) C[[t]]/Aの、Cベクトル空間としての次元は有限
(3) Aの商体における整閉包はC[[t]]
(4) m/m^2 のCベクトル空間としての次元はn >>83
A = C[[t^n, t^(n+1), ..., t^(2n-1)]]
m = (t^n, t^(n+1), ..., t^(2n-1))
(1) OK
(2) t^n以降全部消えるのでOK
(4) (2)よりOK
(3) t = t^(n+1)/t^nなので、Aの商体はC[[t]]を含む
C[[t]]は正則局所環だから商体内で整閉
よってAの商体内での整閉包はC[[t]]