楕円関数・テータ関数・モジュラー関数
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ちなみに個人的な感想だが 楕円関数 :生田絵梨花 モジュラー関数:SU-METALこと中元すず香 とすると テータ関数 :生田の親友についてSU-METALの姉である中元日芽香 か? いく「ひめたん、そんなに大した存在だったっけ?」 すぅ「ですよね?」 ひめ「うるっせーよ!」 >>3 すまんすまん 冗談はこの程度にして https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%BF%E9%96%A2%E6%95%B0 「テータ関数(テータかんすう、英: theta function)は、 θ(z,τ):=Σ_{n=-∞〜∞}e^{Πin^2τ +2πinz}. で定義される関数のことである。」 「z の関数と見た場合には擬二重周期を持ち楕円関数に関係し、 τ の関数と見た場合はモジュラー形式に関係する。」 で、zのほうの係数はnで、τのほうの係数はn^2 nはまあ分からんでもない 問題はn^2だ Q1. Πin^2τの中のn^2は、いったいどこから出てきた? πin^2τ ですな。 目の付けどころはさすが。 どっから出てきたか?て、それを原初的なところから導出するというのは 企業秘密なところがありまして。 一つ言うと、リーマンが証明したように、変換公式 θ(0,ix)=(1/√x) θ(0,i/x)からリーマンゼータの函数等式が証明される というか、メリン変換を通じて、これはリーマンゼータの函数等式と 同値である。つまり保型性=函数等式というヘッケ対応の嚆矢ですね。 だから、n^2とすることの背後には対称性がある。 >>5 >目の付けどころはさすが。 まつ毛の下ですw >どっから出てきたか?て、 >それを原初的なところから導出するというのは >企業秘密なところがありまして。 そこをなんとかw >一つ言うと、リーマンが証明したように、変換公式 >θ(0,ix)=(1/√x) θ(0,i/x) >からリーマンゼータの函数等式が証明される やべえ・・・ちょっとテータ関数を齧ろうとおもったら リーマン・ゼータがでてきちまった https://www.math.nagoya-u.ac.jp/ ~yanagida/19W/20191219.pdf 「ϑ(t) := 馬=−∞〜∞ e^−πn^2t. ϑ(t) = t^−1/2ϑ(1/t). この命題は Fourier 変換を使って証明できる. 」 しれっとiが抜けてたりしますが t=iτとすればいいだけなので あとは・・・確認しまぁすw >というか、 >メリン変換を通じて、これはリーマンゼータの函数等式と同値である。 メリン変換・・・メリンさんはフィンランド人だったんですね(そこ? https://en.wikipedia.org/wiki/Hjalmar_Mellin >つまり保型性=函数等式というヘッケ対応の嚆矢ですね。 リーマンゼータの次は、ヘッケ対応かい ますます泥沼だな ズブズブw ヘッケ指標 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%83%E3%82%B1%E6%8C%87%E6%A8%99 あ、そういえば、ガウス和でも指標って出て来たな ガウス和 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%82%A6%E3%82%B9%E5%92%8C 実はこのヘン、弱いんだよな(そもそも強いとこあるのか?w) 指標 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8C%87%E6%A8%99_ (%E6%95%B0%E5%AD%A6) >だから、n^2とすることの背後には対称性がある。 ありがとうございます 指標から勉強しなおします・・・ 楕円関数は楕円曲線上の有理型関数 モジュラー関数はモジュラー曲線上の有理型関数 >>7 >楕円関数は楕円曲線上の有理型関数 そうですね >モジュラー関数はモジュラー曲線上の有理型関数 そうですね ただ・・・ モジュラー曲線って、楕円曲線の同型類の集合ってところが ポイントだと思ったんですが・・・ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%BC%E6%9B%B2%E7%B7%9A で、質問ですが、 ・種数2以上の曲線についても テータ関数のようなものを考えることで モジュラス空間と何らかの関係づけが できるんですか? (楕円曲線は種数1) ネットのコピペでわかった気になってる人が多い(で何も知らない >>10 ネットで拾ったpdfのほうがへっぽこな本屋や図書館の蔵書よりかなりマシだろ。 特に英語のだと普通に研究者のプレプリ読めるんだし。 楕円関数なら日本語で梅村の本があるし復刊されたばかり あれより良い本は洋書でもそうはない(違う書き方はある) 梅村くらいを読んだ上で英語の論文漁るのはありだが このスレはそんな高尚なスレじゃないだろ >>12 >このスレはそんな高尚なスレじゃないだろ 立てた人は素人みたいですが 玄人の人がよってたかって教育する スレにしてほしいみたいですね >玄人の人がよってたかって教育する 5chに何を期待してるのだw >>12 六千円の学術書が田舎の中高生に簡単に手に入るとは思えん。 まあ自称阪大工学部が無能なコピペ野郎なのは同意するが。 >>15 5chは低俗だという思い込みをまず払拭してほしいな その梅村さんが、自分はパンルヴェ方程式など特殊函数でいろいろ仕事ができたけど テータ函数方面は憧れはあっても何もできなかった。この方面で仕事が 残せるのは、選ばれたごく一部の数学者だけなのだ、と大略そういうことを 書いていたかと思う。だから、楕円、テータ、モジュラーの中では 実はテータが最も神秘的な対象かと思う。 >>6 ヘッケ対応というのは、ヘッケ指標というよりヘッケ作用素の話ですね。 ゼータ函数と保型函数を関連付けるもので、もとはラマヌジャンの 仕事から理論化されました。リーマンゼータとの関係は リーマンの原論文か、概要なら解説記事 https://www.jstage.jst.go.jp/article/sugaku1947/54/1/54_1_99/_article/-char/ja/ にあります。 >>1 さんの趣味としては、モジュライ問題に興味がおありなのだろう。 確かに幾何学的に王道的な関心である。分野としては代数幾何ですね。 このスレも自称阪大工学部のコピペ馬鹿が沼に沈めつつあるな 梅村嫁のひとは、なんでn^2が出てくるか?って言ったら 「計算したらそうなった」としか言えないでしょ。そんなことは ヤコビの時代から分かってたんで。 しかし、テータには重さ半整数の保型形式という面もあって その視点は楕円函数論とはまた別もんですね。 >>19 ヘッケ作用素・・・それ検索で見つからなかった ヘッケ環とヘッケ指標は見つかったんですが・・・ >>20 おっしゃるとおり、モジュライに興味があります 代数幾何というよりトポロジー的な関心ですけど 写像類群に興味があるんで >>22 んー、梅村の他にもいい本ありますか? 最初は邦書がいいなとおもってるんですが(ヘタレ) 「いやこの洋書がいいんだよ!」というなら洋書でも結構ですので ちなみに当方は ・計算機科学専攻のド素人 ・昭和時代に大学を卒業 ・複素解析の基本くらい(留数解析まで)は知ってる(つもり) >>21 >このスレも自称阪大工学部のコピペ馬鹿が沼に沈めつつあるな あの人、なんか必死ですよね 何と闘ってるんだか・・・ >>25 "Tata Lectures on Theta"ですね 内容はざっとどんな感じなんですか? テータ函数によるアーベル多様体の射影空間への埋め込み というのがあって、最初に証明したのはレフシェッツらしい。 後にヴェイユが再発見した。 マンフォードのレッドブックの付録にも載ってるらしい? Tata lectures というのは三分冊でマニアックすぎるかな? レッドブックの付録の方がコンパクトに纏められてるだろう。 楕円函数論は竹内端三(クロネッカー青春の夢の1の3乗根の体 いわゆるアイゼンシュタイン数体の場合を解決したひと) の本がコンパクトに纏められていて名著。 楕円函数論は流儀が多くて混乱しがちだが、流儀ごとの関係も まとめられている。 楕円函数論は歴史的経緯はともかく、ヤコビ流よりワイエルシュトラス流 の方が圧倒的に使いやすいと思う。 それはそれなりに理由があるのであって。(だから現代では主流になっている。) ヤコビの特色は、テータを独立の函数として扱い 整数論への多くの応用を見出したこと、とされる。 >>28 The Red Book of Varieties and Schemes …そういうタイトルなんだw >>29 「楕円函数論 1-4、代数函数論」 『岩波講座数学』第4(解析学)、 岩波書店編、岩波書店、1935年(昭和10年) …戦前の本だなぁ 楕円関数は19世紀の話だから問題ないけど >>30 楕円関数・楕円テータ・楕円モジュラー の一般化?としての アーベル関数・リーマンテータ・ジーゲルモジュラー にも関心があるんですが、この本とかどうなんでしょう? 保型形式とユニタリ表現 (数学の杜 2) 高瀬幸一 (著) >>31 >Red Book 実は邦訳が出てますね。 代数幾何学講義 (シュプリンガー数学クラシックス) D.マンフォード (著), 前田 博信 (翻訳) >竹内本 新しい版は文字も改められてるし、別に戦前くさいとかはないですね。 昔先輩が10冊くらいまとめ買いしてて、1冊譲ってもらった思い出の本。 >保型形式とユニタリ表現 (数学の杜 2) >高瀬幸一 (著) いいんじゃないですか? ただ数論志向の本で、幾何学志向ではないかなとは思いますが。 >>32 翻訳出てるんだ・・・ ちょっと見てみるかな 竹内端三って名前は目にしたことがあるんですよ ただ「たけのうち」って読むっていうのは、最近知ったけど 肝心なこと聞くの忘れてたけど、例えばモジュライに興味がある場合 数論については特に知らなくてもいいんですか? (別に知りたくないわけではない) >>33 興味がおありなら知っておいてもいいのでは。 関心の方向性として、かなり違うのではと思っただけで 分野の違いなどは些末と言えばそうでしょう。 数論は細かい話が多いですね。数論も幾何学も 両方分かっていれば最強ですね。 >>34 なるほど もしよろしければ専攻を教えていただけますか? 数学科出身ですよね? 整数論的興味からすると、一般的・高次元の場合よりも、特殊な場合に話を深める方が好みだったりするんですよ。 まぁ、学力の問題もありますが。 しかし、加藤和也という偉い先生が来て講義したとき言ってましたが 「"アーベル多様体"と言っても、実際には具体的には楕円曲線で考えていることが多い。 一般のアーベル多様体は難しい」というように言われていたかと思います。 このレベルの本のことを自分で何にも調べられないような人には、教えてもムダだと思うよ。 幾ら教えても、どうなるか結果が見える。 >>37 >整数論的興味からすると、一般的・高次元の場合よりも、 >特殊な場合に話を深める方が好みだったりするんですよ。 それはそうでしょうね 虚二次体の虚数乗法論とかは、楕円関数の範囲内のことでしょうから >>38 ま、素人ですから・・・ 知ったところで、自己満足ですから、 数学者として結果を出すなんてことは 到底あり得ません そこんとこ、ご理解いただいた上で お付き合い願えれば幸いです (ひたすら低姿勢) 梅村でも竹内でもマンフォードTâta Iでもいいからまずあの程度は読もう レッドブックやTata II,IIIはそのあとで良い 楕円関数はナントカとも関係があるようですとかwiki的な知識だけで 数学的な中身を勉強しない知ったかになっても仕方ないよ >>43 TataTとU、Vの違いってなんですか? >>45 早速DLしてみました おっしゃる通り Tで多変数テータ(リーマン・テータ)とか ヤコビ多様体とかジーゲル・モジュラー群とか出てきますね ということで、まずTを読んでみます >>42 本日届いた 付録の「代数曲線とヤコビ多様体」を読んでみようと思う 梅村本の誤植に気づいた奴はいねえだろうな まあ本質とは全然関係ないところだが 梅村本の誤植は昔の初版の時にあったのを刷り直した時に直しているが まだいくつか残ってるんだろうな >>47 結局、梅村「楕円関数論」を読むことにした >>48 このスレッドでまとめを書いてみることにする ■定義1.1 (周期の定義) f(u)をC上定義された有理型関数とする 複素数ωに対して f(u+ω)=f(u) が成り立つとき、 ωは関数f(u)の周期であるという ●命題1.1 C上定義された有理型関数f(u)の 周期全体のなす集合Ωは Cの加法群の部分群になる ●命題1.1 C上定義された有理型関数f(u)の 周期全体のなす集合Ωは Cの加法群の部分群になる ●命題1.2 有理型関数f(u)が定数でなければ、 加群Ωは高々二つの元で生成される ■定義1.2 (楕円関数の定義) C上定義された有理型関数f(u)が、 R上1次独立な複素数ω1,ω2を周期とするとき、 f(u)は2重周期ω1,ω2を持つ楕円関数であるという □複素トーラス その1 ω1,ω2をR上1次独立な複素数とする ω1,ω2から生成されるCの加法部分群をΩで表す 加法群Cの部分群Ωに関する剰余群C/Ωを考える ■定義1.3 (周期平行四辺形の定義) [u0]={u=u0+rω1+sω2∈C|0<=r,s<=1}とおく [u0]を周期平行四辺形と呼ぶ ●命題1.3 任意の複素数uが与えられたとき、 u≣u' mod Ω となる[u0]が唯一つ存在する □複素トーラス 2 U0を周期平行四辺形の内点の集合 ~U0をU0の閉包とする 位相空間C/Ωは平行四辺形~U0の縁を 同一視することにより得られる □複素トーラス 3 位相空間C/Ωは常に🍩(円環面)と同相であるが これは位相空間であるばかりでなく 複素1次元あるいは実2次元の多様体でもある 複素1次元の複素多様体をRiemann面という C/Ωはコンパクトである コンパクトRiemann面の穴の数は種数と呼ばれ その重要な位相不変量である 🍩には穴がちょうど1個あるので、C/Ωの種数は1である すなわちC/Ωは種数1のコンパクトRiemann面である 逆に種数1のコンパクトRiemann面は すべてC/Ωの形に書けることが示せる □複素トーラス 4 種数1のコンパクトRiemann面は楕円曲線と呼ばれる 楕円関数論は種数1のRiemann面の理論である Ωを周期とする楕円関数は 複素多様体C/Ωの有理型関数に他ならない 1次元複素多様体としてC/Ωを考えるとき 複素トーラスC/Ω コンパクトRiemann面C/Ω 複素多様体C/Ω などと書くことにする □楕円関数体 ω1,ω2をR上1次独立な複素数とする ω1,ω2を固定して考える Ω=(ω1,ω2)を周期に持つ楕円関数全体をKと書くことにする Kには以下の性質がある 1)定数関数はKに属する 2)f(u),g(u)∈Kならば、f(u)±g(u)∈K 3)f(u),g(u)∈Kならば、f(u)g(u)∈K 4)f(u),g(u)∈Kで、g(u)≠0ならば、f(u)/g(u)∈K 2)〜4)により、Kが体であることが示される また1)により体Kは体Cの拡大である KをΩを周期とする楕円関数体という 5)f(u)∈Kならば、導関数f'(u)∈Kである 5)より、楕円関数体Kは微分に関して閉じている ★定理1.1 {ω1,ω2},{ω'1,ω'2}を各々R上1次独立な複素数の組とし Ω={ω1,ω2},Ω={ω'1,ω'2}とおく 次の集合の元の間に1対1対応が存在する 1){f:C/Ω→C/Ω'|fは複素多様体の全射正則写像} 2){φ:K(Ω')→K(Ω)|φは体のC-準同型写像} ☆系1.1 次の条件は同値である 1)コンパクトRiemann面C/ΩとC/Ω'は同型である 2)体K(Ω)とK(Ω')は同型である つまり両者は同値である 1)幾何学的対象である種数1のコンパクトRiemann面C/Ωを考えること 2)代数的対象である楕円関数体K(Ω)を考えること ●命題1.4 楕円関数は周期平行四辺形[u0]上で有限個の極を持つ ●命題1.5 複素平面C上で正則である楕円関数f(u)は定数に限る a_1,…,a_nを楕円関数f(u)の 周期平行四辺形[u0]上の極全体とする a_iにおける極の位数をm_iとする Σ(i=1〜n)m_i を楕円関数f(u)の位数と呼ぶ ●命題1.6 楕円関数f(u)の周期平行四辺形[u0]上の すべての極にわたる留数の総和は0である 〇系1.2 位数1の楕円関数は存在しない ●命題1.7 f(u)を位数rの楕円関数とする 任意の複素数に対して 楕円関数f(u)-cは周期平行四辺形上で ちょうどr個の零点を持つ ★定理1.2(Abel) 位数rの楕円関数f(u)の周期平行四辺形[u0]の 極を a_1,…,a_r 零点を b_1,…,b_r とすると、合同式 a_1+…+a_r≣b_1+…+b_r mod Ω が成立する ●命題1.8 位数rの楕円関数f(u)の周期平行四辺形[u0]の 極を a_1,…,a_r とする 任意の複素数©に対して、 楕円関数f(u)-cの周期平行四辺形[u0]の 零点を b_1,…,b_r とすると、合同式 a_1+…+a_r≣b_1+…+b_r mod Ω が成立する 感想 第1章は基礎なので、だいたいのことは知っていたが Abelの定理1.2(>>72 )は、今回初めて知った 今日以降 第2章を読む ☆補題2.1 無限級数 S=Σ' 1/|ω|^n はn>2なら収束し、n<=2ならば発散する (Σ'はωが集合Ω\{0}を動くときの総和) (\はバックスラッシュ) ☆補題2.2 n>=3ならば、級数 f_n(u)=Σ(ω∈Ω) 1/(u-ω)^n は絶対収束し、2重周期関数を表す ★定理2.1 P(u)=1/u^2+Σ'(1/(u-ω)^2-1/ω^2) は絶対収束し、2重周期関数を表す P(u)の定義より P'(u) =-2Σ(ω∈Ω) 1/(u-ω)^3 =-2f_3(u) 2重周期関数P(u)をWeierstrassのP関数と呼ぶ ●命題2.1 複素数cが与えられたとき、 P(u)-c=0 の解は基本周期平行四辺形上に2つ存在する それらをb1,b2とすると b1+b2 ≣ 0 mod Ω が成り立つ ●命題2.2 複素数a,bについての次の条件は同値である 1) P(a)=P(b) 2) a≣b または a≣-b が成立する ただし、a,bが共に極であるときもP(a)≣P(b)と解釈する P(u)-cの周期平行四辺形の2つの解 v1,v2が一致すれば v2≣-v1であるので、v1≣-v1 したがって2v1≣0 v1(※)は ω1/2,(ω1+ω2)/2,ω2/2 のいずれかに合同である (※箇所は本書ではv) >>75 命題2.2より P(ω1/2)=e1,P((ω1+ω2)/2)=e2,P(ω2/2)=e3 とおくと、cが各々e1,e2,e3のとき 方程式P(u)-c=0は2重解 u=ω1/2,(ω1+ω2)/2,ω2/2 を持つ したがってこの3つのuに対して P'(u)=d/du(P(u)-c)=0 である P'(u)は3位の楕円関数であるので 周期平行四辺形[0]上に3個の零点をもつ したがって ω1/2,(ω1+ω2)/2,ω2/2∈[0] はP'(u)の1位の零点である Q(u)=(P'(u)^2)/(P(u)-e1)(P(u)-e2)(P(u)-e3) は周期平行四辺形[0]上正則な2重周期関数である したがって、Q(u)は全平面で正則な2重周期関数となり、 命題1.5により定数である (計算により)Q(u)=4であり、以下の定理が証明される ★定理2.2 WeierstrassのP関数は微分方程式 P'(u)^2=4(P(u)-e1)(P(u)-e2)(P(u)-e3) を満たす 感想 WeierstrassのP関数と、それが満たす微分方程式が出てきた >>75 の命題2.1を導くのに、さっそくAbelの定理1.2>>72 を使った 竹内本は、昔誰かがtex打ちしたものがまだネットに転がっている模様。 g2=60Σ'1/ω^4, g3=140Σ'1/ω^6 と置く (Σ'はωが集合Ω\{0}を動くときの総和) ★定理2.3 WeierstrassのP関数は微分方程式 P'(u)=4P^3-g2P-g3 を満たす 定理2.2及び定理2.3より 4P^3-g2P-g3=4(P(u)-e1)(P(u)-e2)(P(u)-e3) であり、e1,e2,e3は相異なるので 判別式 Δ=g2^3-27g3^2 は0でない e1+e2+e3=0 e1e2+e2e3+e3e1=-g2/4 e1e2e3=g3/4 >>79 ★定理2.4 WeierstrassのP関数のu=0におけるLaurent展開の係数cnは、 正の有理数を係数に持つg2,g3の多項式で書ける ☆系2.1 G_2n=Σ'1/ω^2n は、正の有理数を係数に持つG_4,G_6の多項式で書ける 解析写像 f~:u∈C\Ω→(P(u),P'(u))∈C^2 から、射影化により、以下の写像 f~*:C→P2 が定義できる f~*(u)=(1,P(u),P'(u)) u∈C\Ω f~*(u)=(0,0,1) u∈Ω したがって、f~*から解析写像 f:C/Ω→C*⊂P2 (C*:x0x2^2=4x1^3-g2x0^2x1-g3x0^3) が定義でき、 1.fは全単射 2.任意の点P∈C/Ωについて、 接ベクトル空間の間の線形写像df_Pは同型である したがって以下の定理が成り立つ ★定理2.5 複素トーラスC/Ωと複素射影平面P2上の3次曲線 C*:x0x2^2=4x1^3-g2x0^2x1-g3x0^3 は複素多様体として同型である (g2=60Σ'1/ω^4, g3=140Σ'1/ω^6) 感想 WeierstrassのP関数およびその導関数を使って 複素トーラスを射影平面内に埋め込みました >>78 そうすか このスレは読書日記ってことで、読んだ定理のステートメントと 個人的に重要と思った説明を書くことにします あ、でもあくまで骨だけなので肉は書きません あしからず >>79 誤りがあったので訂正 ★定理2.3 WeierstrassのP関数は微分方程式 P'^2=4P^3-g2P-g3 を満たす ★定理2.6(加法公式) u1,u2,u3∈C, u1+u2+u3=0のとき、 等式 |P(u1) P'(u1) 1| |P(u2) P'(u2) 1| |P(u3) P'(u3) 1| =0 が成り立つ ★定理2.7 u1+u2+u3=0のとき、 3次曲線 C*:x0x2^2=4x1^3-g2x0^2x1-g3x0^3 上の3点 [1,P(u1),P'(u1)] [1,P(u2),P'(u2)] [1,P(u3),P'(u3)] は同一直線上にある。 ★定理2.8 u1+u2+u3=0のとき、 次の公式が成り立つ 1)P(u1)+P(u2)+P(u3)=a^2/4 2)(P(u1)+P(u2)+P(u3))(4P(u1)P(u2)P(u3)-g3)=(P(u1)P(u2)+P(u2)P(u3)+P(u3)P(u1)+g2/4)^2 ただし a=(P'(u1)-P'(u2))/(P(u1)-P(u2)) 定理2.6より P'(u1)(P(u3)-P(u2))+P'(u2)(P(u1)-P(u3))+P'(u3)(P(u2)-P(u1))=0 したがって P'(u3)=(P'(u1)(P(u3)-P(u2))+P'(u2)(P(u1)-P(u3)))/(P(u1)-P(u2)) 定理2.8の1)から導かれる式 P(u3)=-P(u1)-P(u2)+a^2/4 をつかってP(u3)を消去すれば、以下の定理を得る ★定理2.9 P(u1+u2)=-P(u1)-P(u2)+a^2/4 P'(u1+u2)=(1/(P(u2)-P(u1))) [P'(u1){(-P(u1)-2P(u2))+(a^2/4)} +P'(u2){(2P(u1)+ P(u2))-(a^2/4)}] ☆補題2.3 f(u)をΩを周期とする2重周期関数とする f(u)が偶関数であれば、f(u)はP(u)の有理式で書ける ★定理2.10 f(u)をΩを周期とする2重周期関数とする。 このときP(u)の有理式F(P(u)),G(P(u))が存在して f(u)=F(P(u))+G(P(u))P'(u) と書ける Ωを周期とする楕円関数全体K(Ω)は楕円関数体を構成する 定理2.10は、体K(Ω)がP(u),P'(u)により、C上生成されることを示す K(Ω)=C(P(u),P'(u)) 一方微分方程式 P'^2=4P^3-g2P-g3 は体C(P(u),P'(u))がC(P(u))の二次拡大であることを示している つまり抽象体として、下記は同型である C(P(u),P'(u))≣C[x,y]/(y^2-4x^3+g2x+x) したがって楕円関数体の構造は g2=60Σ'1/ω^4, g3=140Σ'1/ω^6 によって完全に決まる ★定理2.11(Chow) W⊂Pnを複素閉部分多様体とする このとき斉次多項式f1,…,frが存在して Wは、f1,…,frの共通零点の集合となる ★定理2.12 V⊂Pnを非特異射影多様体とする このとき代数多様体V上の有理関数体C(V)は 複素多様体V上の有理型関数全体のなす体と一致する 定理2.10は、定理2.12を3次曲線 C*:x0x2^2=4x1^3-g2x0^2x1-g3x0^3 に適用した特別の場合となる この型の定理をGAGA型の定理という (GAGAとはSerreの論文 "Geometrie Algebrique et Geometrie Analytique" に由来する) 感想 P関数の加法公式 及び 楕円関数体がPおよびP'によって生成されること を示しました この後、Weierstrassのζ関数およびσ関数の話になります □Weierstrassのζ関数 ζ(u)=1/u+Σ'(1/(u-ω)+1/ω+u/ω^2) と定義する (Σ'はωが集合Ω\{0}を動くときの総和) ζ'(u)=-1/u^2+Σ'(-1/(u-ω)^2+1/ω^2) =-P(u) ζ(-u)=-ζ(u) (※) ω∈Ωとすると ζ(u+ω)-ζ(u)は定数である ζ(u+ω1)-ζ(u)=η1 ζ(u+ω2)-ζ(u)=η2 とすると、(※)より 2η(ω1/2)=η1 2η(ω2/2)=η2 一般に整数m,nに対して ζ(u+mω1+nω2)=ζ(u)+mω1+nω2 ζはΩのみで極を持ち、その位数は1、そこでの留数は1 したがって、周期平行四辺形[u0]の辺Γ上、反時計回りに積分すれば 2πi=∫Γ ζ(u)du =∫[u0 u0+ω2] (ζ(u+ω1)-ζ(u))du-∫[u0 u0+ω1] (ζ(u+ω2)-ζ(u))du =η1ω2-η2ω1 (Legendreの関係式) ●命題2.3 φ(u)を楕円関数とし、その極はすべて1位であるとする 周期平行四辺形上でのφ(u)の極を a1,…,ar そこでの留数を c1,…,cn とする このとき、複素数c0が存在して、以下が成立する φ(u)=c0+Σ(i=1〜r) ciζ(u-ai) --- なぜなら、命題1.6により、周期平行四辺形上の 留数の総和Σ(i=1〜r) ci=0であるので ψ(u)=Σ(i=1〜r) ciζ(u-ai) は楕円関数であり、またφ(u)-ψ(u)は全平面上正則であるから 命題1.5により定数 その値をc0とすればいい さて ζ(u)-1/u=Σ'(1/(u-ω)+1/ω+u/ω^2) ∫[0 u] (ζ(u)-1/u)du =∫[0 u] Σ'(1/(u-ω)+1/ω+u/ω^2)du =Σ'(1/(u-ω)+1/ω+u/ω^2) =Σ'(log(1-u/ω)+u/ω+u^2/2ω^2) exp(Σ'(log(1-u/ω)+u/ω+u^2/2ω^2)) =Π'(1-u/ω)exp(u/ω+u^2/2ω^2) >>93 □Weierstrassのσ関数 σ(u) =u exp(∫[0 u] (ζ(u)-1/u)du) =uΠ'(1-u/ω)exp(u/ω+u^2/2ω^2) と定義する exp(∫[0 u] (ζ(u)-1/u)du) =σ(u)/u 両辺のlog微分をとると ζ(u)-1/u=σ'(u)/σ(u)-1/u したがって ζ(u)=σ'(u)/σ(u) P(u)=-ζ'(u)=d^2logσ(u)/du^2=(σ'(u)^2-σ(u)σ''(u))/σ^2(u) ★命題2.4 σ(u)=u+a5u^5+a7u^7+… a_2n+1(n>=2)はg2,g3の有理数を係数とする多項式 ★命題2.5 整数m,nに対して,等式 σ(u+mω1+nω2) =(-1)^(n+n+mn) exp((mη1+nη2)(u+(mω1+nω2)/2))σ(u) f(u)=σ(u-b)/σ(u-a) ω=mω1+nω2 η=mη1+nη2 とすれば f(u+ω)=exp(η(a-b))f(u) したがって以下の定理がいえる ★定理2.6 g(u)を位数rの楕円関数、 その零点の完全代表系を b1,…,br 極の代表系を a1,…,ar とする このとき、定理1.2(Abel)より Σ(i=1〜r)ai=Σ(i=1〜r)bi+ω となり、代表系の交換により Σ(i=1〜r)ai=Σ(i=1〜r)bi とできるので 0でない定数cが存在して g(u)=c(σ(u-b1)…σ(u-br))/(σ(u-a1)…σ(u-ar)) と書ける ☆補題2.4 ωを定数とし、任意の複素数uについて、 P(u+ω)=P(u) が成り立てば、ω∈Ωである ●命題2.7 ω1,ω2およびω1',ω2'をR上1次独立な複素数の二つの組とする 次の条件は同値である 1)uの関数として P(u;ω1,ω2)=P(u;ω1',ω2') が成り立つ 2)(ω1,ω2)=(ω1',ω2') 3)行列 (a b) (c d) ∈GL2(Z)が存在して、 (ω1) (ω2) = (a b)(ω1') (c d)(ω2') GL2(Z)={ (a b) (c d) |a,b,c,d∈Z,ad-bc=±1} >>96 ●命題2.8 命題2.7の1)〜3)と以下の条件は同値である 4)uの関数として ζ(u;ω1,ω2)=ζ(u;ω1',ω2') が成り立つ 5)uの関数として σ(u;ω1,ω2)=σ(u;ω1',ω2') が成り立つ ●命題2.9 命題2.7,2.8のの1)〜5)と以下の条件は同値である 6)g2(ω1,ω2)=g2(ω1',ω2')かつ g3(ω1,ω2)=g3(ω1',ω2')が成立する 問題2.1 g2^3-27g3^2≠0となる複素数g2,g3が与えられたとき、 3次曲線 C*:x0x2^2=4x1^3-g2x0^2x1-g3x0^3 を考える、 このとき、R上1次独立な複素数ω1,ω2が存在して、写像 C/Ω→P2:u→[1,P(u;ω1,ω2),P'(u;ω1,ω2)] によってC/Ωと3次曲線C*は同型になるか? 問題2.2 g2^3-27g3^2≠0となる複素数g2,g3が与えられたとき、 g2(ω1,ω2)=g2、g3(ω1,ω2)=g3 となるR上1次独立な複素数ω1,ω2は存在するか? 答えは肯定的である >>98 ☆補題2.5 g2(e^(2πi/3),1)=0 ☆補題2.6 g3(i,1)=0 ★定理2.13 任意の複素数aに対して J(ω1,ω2) = 1728g2^3(ω1,ω2)/(g2^3(ω1,ω2)-27g3^2(ω1,ω2)) = a となるようなR上1次独立な複素数ω1,ω2が存在する 感想 >>91-95 ・Weierstrassのζ関数、σ関数を定義した (注:両方とも楕円関数ではない) ・さらにζ関数、σ関数による楕円関数の表示が 可能であることを示した (ここで、楕円関数f(u)の周期平行四辺形[u0]上の すべての極にわたる留数の総和は0であること、および Abelの定理を使う) >>96-97 ・異なるω1,ω2が、同じ格子を持つとき、そのときに限り 同じP関数、ζ関数、σ関数をもたらすことを示した >>98-99 ・3次曲線が非特異であれば、対応する格子が存在することを示した 次回から、いよいよテータ関数に入る 刮目して待て! 違う テータ関数は擬二重周期 楕円関数はテータ関数の積の比で表される ○(x)=exp(2πix) とおく (注:原文ではe(x)としているが、 e^xと紛らわしいので あえて○(x)と書き直す) Hを上半平面とする ●命題3.1 (z,τ)∈C×Hに対して、級数 θ(z,τ)=Σ(n∈Z) ○(1/2*n^2τ+nz) を考える θ(z,τ)はC×H上広義一様に絶対収束し、 θ(z,τ)はC×H上の正則関数となる テータ関数の定義式は θ(z,τ)=Σ(n∈Z) ○(1/2*n^2τ)○(nz) と書ける ○(n(z+1))=○(nz)であるので θ(z+1,τ)=θ(z,τ)が成り立つ さらに、以下が成り立つ θ(z+τ,τ) =Σ(n∈Z) ○(1/2*n^2τ+n(z+τ)) =Σ(n∈Z) ○(1/2*(n+1)^2τ-1/2*τ+nz) =Σ(n∈Z) ○(1/2*(n+1)^2τ-1/2*τ+(n+1)z-z) =○(-1/2*τ-z)Σ(n∈Z) ○(1/2*(n+1)^2τ+(n+1)z) n+1=mとおけば =○(-1/2*τ-z)Σ(m∈Z) ○(1/2*m^2τ+mz) =○(-1/2*τ-z)θ(z,τ) つまり、以下が成り立つ θ(z+τ,τ)=○(-1/2*τ-z)θ(z,τ) 一般にm,nを整数とすれば θ(z+mτ+n,τ)=○(-1/2*m^2τ-mz)θ(z,τ) さて、a,b∈Rに対して θa,b(z,τ)=○(1/2*a^2τ+a(z+b))θ(z+aτ+b,τ) とおく θa,b(z,τ)を指標a,bのテータ関数と呼ぶ 具体的に級数で書けば θa,b(z,τ) =○(1/2*a^2τ+a(z+b))Σ(n∈Z) ○(1/2*n^2τ+n(z+aτ+b)) =Σ(n∈Z) ○(1/2*(n+a)^2τ+(n+a)(z+b)) 上記より、以下の公式が成り立つ θ0,0(z,τ)=θ(z,τ) θa,b(z+b',τ)=θa,b+b'(z,τ) ○(1/2*a'^2τ+a'z)θa,b(z+a'τ,τ)=○(-a'b)θa+a',b(z,τ) θa+p,b+q(z,τ)=○(aq)θa,b(z,τ) ここで、a,a',b,b'∈R、p,q∈Z である テータ関数ってのは何のためにあるのかな 楕円関数をテータ関数の比で表すということだけ? τ∈H、整数l>=0を固定して V_l:={f(z)|f(z)は整関数、∀m,n∈Z.f(z+lmτ+ln)=○(-1/2*l^2m^2τ-lmz)f(z)} とおく V_lはC-ベクトル空間である その基底をテータ関数を使って与えることができる ☆補題3.1 整関数f(z)に関する次の条件は同値である 1)f(z)∈V_l 2)f(z+lmτ)=○(-1/2*l^2m^2τ-lmz)f(z)およびf(z+ln)=f(z)が 任意の整数m,nについて成り立つ 3)f(z+lτ)=○(-1/2*l^2τ-lz)f(z),f(z+l)=f(z)が成り立つ ☆補題3.2 整関数f(z)に関する次の条件は同値である 1)f(z)∈V_l 2)f(z)=Σ(n∈(1/l)Z) c_n○(1/2n^2τ+nZ)と展開できて さらにm-n∈lZとなるににのm,n∈(1/l)Zに対してc_m=c_nが成り立つ ベクトル空間V_lの元f(z)は f(z)=Σ(n∈(1/l)Z) c_n○(1/2n^2τ+nZ) と書け、補題3.2より係数c_iは 0<=i<=l-1/l (i∈(1/l)Z) に対して自由に選べるので 以下の命題が証明できる ●命題3.2 C-ベクトル空間V_lの次元はl^2である >>107 テータ関数を使ってベクトル空間V_lの基底を書くことができる ●命題3.3 a_i∈(1/l)Z (i=0,…,l-1) b_j∈(1/l)Z (j=0,…,l-1) を2組の((1/l)Z)/Zの完全代表系とすると θa_i,b_j(z,τ) はC-ベクトル空間V_lの基底となる Vを整関数全体のなすC-ベクトル空間とする ベクトル空間Vの自己同型全体のなす群をGL(V)で表す τ∈Hを固定しておく a,b∈Rに対して、線形写像S_b,T_aを f(z)∈Vに対して S_b f(z)=f(z+b) T_a f(z)=○(1/2*a^2τ+az)f(z+aτ) により定義すると,S_b,T_a∈GL(V)である 任意のb1,b2,a1,a2∈Rについて S_b1・S_b2=S_b1+b2 T_a1・T_a2=T_a1+a2 である S_bとT_aは可換に近いが実は異なる S_b・T_a f(z) =S_b(○(1/2*a^2τ+az)f(z+aτ)) =○(1/2*a^2τ+a(z+b))f(z+b+aτ) T_a・S_b f(z) =○(1/2*a^2τ+az)f(z+aτ+b) つまり S_b・T_a f(z) =○(ab)T_a・S_b f(z) >>109 C1~*={c∈C||c|=1}と置く 写像 ρ:C1~*×R×R→GL(V) (c,a,b)→cT_a・S_b を考えると、ρは単射で、像ImρはGL(V)の部分群 (c1T_a1・S_b1)・(c2T_a2・S_b2) =c1c2○(a,b)T_a1+a2・S_b1+b2 (cT_a・S_b)^-1=c^-1○(a,b)T_a・S_b つまり (c1,a1,b1)・(c2,a2,b2)=(c1c2○(a1,b2),a1+a2,b1+b2) (c,a,b)^-1=(c^-1○(ab),-a,-b) C1~*×R×Rの上記の群構造をGと書く GをHeisenberg群と呼ぶ ●命題3.4 1)群Gの中心はC1~*(=C1~*×{0}×{0})である 2)群Gの交換子群[G,G]はC1~*である C1~*はGの中心であるので正規部分群であり 商群G/C1~*は2次元ベクトルの加法群R×Rである つまり以下は完全列である 1→C1~*→G→R×R→0 量子力学における有名な定理 ★定理3.1(von Neumann-Stone) Gの既約ユニタリ表現 ρ:G→GL(W) で、 任意のc∈C1~*について ρ(c)=cId_W となるものが、 同型を除いて唯一つ存在する (Id_WはWの恒等写像) >>109-110 さて、テータ関数とHeisenberg群の関係について述べる (S_b・T_a)θ(z、τ) =(S_b・T_a)Σ(n∈Z) ○(1/2*n^2τ+nz) =S_b(○(1/2*a^2τ+az)Σ(n∈Z) ○(1/2*n^2τ+n(z+aτ)) =○(1/2*a^2τ+a(z+b))Σ(n∈Z) ○(1/2*n^2τ+n(z+b+aτ)) =θa,b(z,τ) Γ={(1,a,b)∈G|a,b∈Z}とおけば、ΓはGの可換部分群 さらに整数l>=0に対して lΓ={(1,a,b)∈G|a,b∈lZ}とおくと、lΓはΓの部分群で (1,l,0)及び(1,0,l)によって生成される ρ((1,l,0))=T_l,ρ((1,0,l))=S_lであるので 以下の命題を得る ●命題3.5 f(z)∈Vに関する次の条件は同値 1) f(z)はlΓ不変 つまりg∈lΓに対してg(f(z))=f(z) 2)S_l(f(z))=f(z),T_l(f(z))=f(z) S_l(f(z))=f(z+l) T_l(f(z))=○(1/2*l^2τ+lz)f(z+lτ) であるので、補題3.1より、以下の結果を得る ●命題3.6 V_l={f(z)∈V|f(z)はlΓ不変} (>>107 ) が成立する >>109-111 Mumfordのテータ関数論で大切なのは Heisenberg群の有限版である mを正整数とし μm={ζ∈C1~*|ζ^m=1} とおく さて G(l)={(c,a,b)∈G|c∈μl^2, a,b∈(1/l)Z} とおくと、G(l)はGの部分群で、lΓ⊂{G(l)の中心}である Gl=G(l)/lΓ=μl^2×((1/l)Z/lZ)×((1/l)Z/lZ) (c1,a1,b1)・(c2,a2,b2)=(c1c2○(a1,b2),a1+a2,b1+b2) [Gl,Gl]=μl^2 Glは、Heisenberg群の有限版であり、 定理3.1の類似が成り立つ ★定理3.2 Glの有限次元既約表現 ρ:Gl→GL(W)で、 任意のc∈μl^2について ρ(c)=cId_W となるものが、 同型を除いて唯一つ存在する (Id_WはWの恒等写像) この既約表現が実はV_lである (>>107 ) テータ関数が熱方程式の解であることには 何か深い意味でもあったりするの? >>113 「ユビキタス熱核」読んでスペクトル幾何調べて太鼓で形を聞き分ける絡みのネタ熱心に追ってた時期がボクにもありますた。 テータ関数の本質というか正体っていったい何なんですか? 教科書を見ると変換公式やら互いの関係式やらは書いてあり ますが、それだけでは何が何やらさっぱりわかりません・・ V_l (>>107 ) に属するテータ関数を用いて 複素トーラスC/(1,τ)の 射影空間P l^2-1への埋め込みを与える >>116 Ω(τ)=(1,τ)とおく ☆補題3.3 0≠f(z)∈V_lとすると f(z)はlΩ(τ)=(l,lτ)の基本周期四辺形の中に ちょうどl^2個の零点を持つ ただし零点は重複度を込めて数える ☆補題3.4 zの関数としてθ1/2,1/2(z,τ)は奇関数である つまり θ1/2,1/2(-z,τ)=-θ1/2,1/2(z,τ) したがって θ1/2,1/2(0,τ)=0 ●命題3.7 θ(z,τ)の零点全体のなす集合は {(p+1/2)τ+(q+1/2)|p,q∈Z} (ai,bi)∈((1/l)Z)×((1/l)Z) (0<=i<=l^2-1) を((1/l)Z)×((1/l)Z)の完全代表系とする θi(z,τ)=θai,bi(z,τ)とおく ●命題3.8 θi(z,τ)の零点全体のなす集合は {(-ai+p+1/2)τ+(-bi+q+1/2)|p,q∈Z} i≠jならば θi(z,τ)とθj(z,τ)には 共通零点が存在しない 命題3.8 (>>117 ) より、 l>=2とすると、任意のz∈Cに対して (θ0(lz,τ),…,θl^2-1(lz、τ)) は零ベクトルになることはないので、 射影空間P l^2-1の点 [θ0(lz,τ),…,θl^2-1(lz、τ)] が定まる つまり、解析写像 Φl:C→P l^2-1 z → [θ0(lz,τ),…,θl^2-1(lz、τ)] が定まる V_l(>>107 )の定義より (θ0(l(z+1),τ),…,θl^2-1(l(z+1)、τ)) =(θ0(lz,τ),…,θl^2-1(lz、τ)) (θ0(l(z+τ),τ),…,θl^2-1(l(z+τ)、τ)) =○(-1/2l^2τ-lz)(θ0(lz,τ),…,θl^2-1(lz、τ)) であるので [θ0(l(z+1),τ),…,θl^2-1(l(z+1)、τ)] =[θ0(lz,τ),…,θl^2-1(lz、τ)] [θ0(l(z+τ),τ),…,θl^2-1(l(z+τ)、τ)] =[θ0(lz,τ),…,θl^2-1(lz、τ)] したがって、解析写像 φl:C/Ω(τ)→P l^2-1 z → [θ0(lz,τ),…,θl^2-1(lz、τ)] が定まる E_τ=C/Ω(τ)とおく ★定理3.3 l>=2ならば、解析写像 φl:E_τ→P l^2-1 は、複素トーラスE_τ=C/(1,τ)の射影空間P l^2-1への埋め込みである V_l(>>107 )はG_l(>>112 )加群であるので 準同型写像 ρ:G_l→GL(V_l) が存在する (1,a,b)∈μl^2×((1/l)Z/lZ)×((1/l)Z/lZ)に対して ρ(1,a,b)(θi)=Σ(j=0〜j^2-1) cijθj であるとする ☆補題3.5 φl(z+(aτ+b)/l,τ) =[Σ(j=0〜j^2-1) c0jθj,…,Σ(j=0〜j^2-1) cl^2-1jθj] ●命題3.9 射影平面P l^2-1において、超平面Hと像φl(E_τ)の共通部分は 重複度も込めて丁度l^2個の点からなる 一般に射影空間Pn内のd次元射影多様体Vが与えられたとき Pnの一般の位置にあるn-d次元超平面H^(n-d)とVは 有限個の点で交わることが知られている さらに交点の数|V∩H|はHのとり方によらない この数を射影多様体V⊂Pnの次数という 命題3.9はφl(E_τ)⊂P l^2-1がl^2次曲線であることを述べている l=2(>>107 )の場合 伝統的テータ関数記号(Mumford,Tata lectures on Theta)の定義 θ00(z,τ)=θ0,0(z,τ) θ01(z,τ)=θ0,1/2(z,τ) θ10(z,τ)=θ1/2,0(z,τ) θ11(z,τ)=θ1/2,1/2(z,τ) 指標付きテータ関数の定義(>>104 )より θ00(z,τ)=Σ(n∈Z) ○(1/2*n^2τ+nz) θ01(z,τ)=Σ(n∈Z) ○(1/2*n^2τ+n(z+1/2)) θ10(z,τ)=Σ(n∈Z) ○(1/2*(n+1/2)^2τ+(n+1/2)z) θ10(z,τ)=Σ(n∈Z) ○(1/2*(n+1/2)^2τ+(n+1/2)(z+1/2)) 一方、以下が成立している θ00(z,τ)=θ(z,τ) θ01(z,τ)=θ(z+1/2,τ) θ10(z,τ)=○(1/8τ+1/2z)θ(z+1/2τ,τ) θ11(z,τ)=○(1/8τ+1/2(z+1/2))θ(z+1/2τ+1/2,τ) 関数の零点(>>117 ) (p,q∈Z) θ00(z,τ) z=(p+1/2)τ+(q+1/2) θ01(z,τ) z=(p+1/2)τ+q θ10(z,τ) z=pτ+(q+1/2) θ11(z,τ) z=pτ+q θ00(-z,τ)=θ00(z,τ) 偶関数 θ01(-z,τ)=θ01(z,τ) 偶関数 θ10(-z,τ)=θ10(z,τ) 偶関数 θ11(-z,τ)=-θ11(z,τ) 奇関数 >>118 で、l=2とした場合 Φ2:C→P3 z→[θ00(2z,τ),θ01(2z,τ),θ10(2z,τ),θ11(2z,τ)] ☆補題3.6 A= (1 1 1 1) (1 1 -1 -1) (1 -1 1 -1) (1 -1 -1 1) とおくと、等式 tAA=AtA=4I4 が成立する ここでI4は4次の対称行列を表す つまり(1/2)Aは直交行列である ☆系3.1 u1,u2,u3,u4,v1,v2,v3,v4を変数とする u をu1 〜u4 による縦ベクトル u'をu1'〜u4'による縦ベクトル v をv1 〜v4 による縦ベクトル v'をv1'〜v4'による縦ベクトル とする u'=(1/2)Au v'=(1/2)Av とおく このとき等式 Σ(i=1〜4)ui'vi'=Σ(i=1〜4)uivi が成立する テータ関数の定義より θ00(x1,τ)θ00(x2,τ)θ00(x3,τ)θ00(x4,τ) =Σ(m1〜m4∈Z) ○((1/2)(Σ(i=1〜4)mi^2)τ+Σ(i=1〜4)mixi) θ01(x1,τ)θ01(x2,τ)θ01(x3,τ)θ01(x4,τ) =Σ(m1〜m4∈Z) ○((1/2)(Σ(i=1〜4)mi)+(1/2)(Σ(i=1〜4)mi^2)τ+Σ(i=1〜4)mixi) θ10(x1,τ)θ10(x2,τ)θ10(x3,τ)θ10(x4,τ) =Σ(m1〜m4∈Z) ○((1/2)(Σ(i=1〜4)(mi+1/2)^2)τ+Σ(i=1〜4)(mi+1/2)xi) θ11(x1,τ)θ11(x2,τ)θ11(x3,τ)θ11(x4,τ) =Σ(m1〜m4∈Z) ○((1/2)(Σ(i=1〜4)mi)+(1/2)(Σ(i=1〜4)(mi+1/2)^2)τ+Σ(i=1〜4)(mi+1/2)xi) 上記四個の等式を加えると θ00(x1,τ)θ00(x2,τ)θ00(x3,τ)θ00(x4,τ) +θ01(x1,τ)θ01(x2,τ)θ01(x3,τ)θ01(x4,τ) +θ10(x1,τ)θ10(x2,τ)θ10(x3,τ)θ10(x4,τ) +θ11(x1,τ)θ11(x2,τ)θ11(x3,τ)θ11(x4,τ) =2Σ'(m1〜m4∈(1/2)Z) ○((1/2)(Σ(i=1〜4)mi^2τ)+Σ(i=1〜4)mixi) ここでΣ'は条件1)または2)を満たす,すべてのm1〜m4にわたる和を表す 1)i=1〜4について、miは整数であって、Σ(i=1〜4) mi∈2Z 2)i=1〜4について、mi∈Z+1/2であって、Σ(i=1〜4) mi∈2Z さて n=n1〜n4による縦ベクトル m=m1〜m4による縦ベクトル x=x1〜x4による縦ベクトル y=y1〜y4による縦ベクトル として n=(1/2)Am y=(1/2)Ay とおくと、以下の補題が成り立つ ☆補題3.7 m1〜m4に関する次の条件は同値である i) m1〜m4はΣ'に関する>>123 の条件1)または2)を満たす ii)上に定義したn1〜n4は整数である 系3.1(>>122 )を、ui=vi=miとして適用して Σ(i=1〜4) mi^2=Σ(i=1〜4) ni^2 を得る さらにui=mi,vi=xiに適用すれば Σ(i=1〜4) mixi=Σ(i=1〜4) niyi したがって θ00(x1,τ)θ00(x2,τ)θ00(x3,τ)θ00(x4,τ) +θ01(x1,τ)θ01(x2,τ)θ01(x3,τ)θ01(x4,τ) +θ10(x1,τ)θ10(x2,τ)θ10(x3,τ)θ10(x4,τ) +θ11(x1,τ)θ11(x2,τ)θ11(x3,τ)θ11(x4,τ) =2Σ'(n1〜n4∈Z) ○((1/2)(Σ(i=1〜4)ni^2τ)+Σ(i=1〜4)niyi) よってRiemannのテータ公式を得る θ00(x1,τ)θ00(x2,τ)θ00(x3,τ)θ00(x4,τ) +θ01(x1,τ)θ01(x2,τ)θ01(x3,τ)θ01(x4,τ) +θ10(x1,τ)θ10(x2,τ)θ10(x3,τ)θ10(x4,τ) +θ11(x1,τ)θ11(x2,τ)θ11(x3,τ)θ11(x4,τ) =2θ00(y1,τ)θ00(y2,τ)θ00(y3,τ)θ00(y4,τ) ☆補題3.8 次の公式が成り立つ θ00(z+1,τ)=θ00(z,τ) θ01(z+1,τ)=θ01(z,τ) θ10(z+1,τ)=-θ10(z,τ) θ11(z+1,τ)=-θ11(z,τ) >>124 の公式で、x1にx1+1を代入して補題3.8を使うと以下の公式を得る θ00(x1,τ)θ00(x2,τ)θ00(x3,τ)θ00(x4,τ) +θ01(x1,τ)θ01(x2,τ)θ01(x3,τ)θ01(x4,τ) -θ10(x1,τ)θ10(x2,τ)θ10(x3,τ)θ10(x4,τ) -θ11(x1,τ)θ11(x2,τ)θ11(x3,τ)θ11(x4,τ) =2θ01(y1,τ)θ01(y2,τ)θ01(y3,τ)θ01(y4,τ) ☆補題3.9 次の公式が成り立つ ○(τ/2+z)θ00(z+τ,τ)=θ00(z,τ) ○(τ/2+z)θ01(z+τ,τ)=-θ01(z,τ) ○(τ/2+z)θ10(z+τ,τ)=θ10(z,τ) ○(τ/2+z)θ11(z+τ,τ)=-θ11(z,τ) >>124 の公式で、x1にx1+τを代入して両辺に○(τ/2+x1)を掛けると 補題3.9により以下の公式を得る θ00(x1,τ)θ00(x2,τ)θ00(x3,τ)θ00(x4,τ) -θ01(x1,τ)θ01(x2,τ)θ01(x3,τ)θ01(x4,τ) +θ10(x1,τ)θ10(x2,τ)θ10(x3,τ)θ10(x4,τ) -θ11(x1,τ)θ11(x2,τ)θ11(x3,τ)θ11(x4,τ) =2θ10(y1,τ)θ10(y2,τ)θ10(y3,τ)θ10(y4,τ) ☆補題3.10 次の公式が成り立つ ○(τ/2+z)θ00(z+τ+1,τ)=θ00(z,τ) ○(τ/2+z)θ01(z+τ+1,τ)=-θ01(z,τ) ○(τ/2+z)θ10(z+τ+1,τ)=-θ10(z,τ) ○(τ/2+z)θ11(z+τ+1,τ)=θ11(z,τ) >>124 の公式で、x1にx1+τ+1を代入して両辺に○(τ/2+x1)を掛けると 補題3.10より以下の公式を得る θ00(x1,τ)θ00(x2,τ)θ00(x3,τ)θ00(x4,τ) -θ01(x1,τ)θ01(x2,τ)θ01(x3,τ)θ01(x4,τ) -θ10(x1,τ)θ10(x2,τ)θ10(x3,τ)θ10(x4,τ) +θ11(x1,τ)θ11(x2,τ)θ11(x3,τ)θ11(x4,τ) =2θ11(y1,τ)θ11(y2,τ)θ11(y3,τ)θ11(y4,τ) x1,x2,x3,x4にx1+l1,x2+l2,x3+l3,x4+l4を代入することにより 20個の公式を得る l1〜l4∈(1/2,τ/2) かつ l1+l2+l3+l4∈(1,τ) である θab(x1,τ)θcd(x2,τ)θef(x3,τ)θgh(x4,τ) を [ab,cd,ef,gh] と表し θab(y1,τ)θcd(y2,τ)θef(y3,τ)θgh(y4,τ) を [ab,cd,ef,gh]' と表す 上記の記号により20個のRiemannテータを記載する 1) [00,00,00,00]+[01,01,01,01]+[10,10,10,10]+[11,11,11,11] = 2[00,00,00,00]' 2) [00,00,00,00]+[01,01,01,01]-[10,10,10,10]-[11,11,11,11] = 2[01,01,01,01]' 3) [00,00,00,00]-[01,01,01,01]+[10,10,10,10]-[11,11,11,11] = 2[10,10,10,10]' 4) [00,00,00,00]-[01,01,01,01]-[10,10,10,10]+[11,11,11,11] = 2[11,11,11,11]' 5) [00,00,01,01]+[01,01,00,00]+[10,10,11,11]+[11,11,10,10] = 2[01,01,00,00]' 6) [00,00,01,01]+[01,01,00,00]-[10,10,11,11]-[11,11,10,10] = 2[00,00,01,01]' 7) [00,00,01,01]-[01,01,00,00]+[10,10,11,11]-[11,11,10,10] =-2[11,11,10,10]' 8) [00,00,01,01]-[01,01,00,00]-[10,10,11,11]+[11,11,10,10] =-2[10,10,11,11]' 9) [00,00,10,10]+[01,01,11,11]+[10,10,00,00]+[11,11,01,01] = 2[00,00,10,10]' 10) [00,00,10,10]+[01,01,11,11]-[10,10,00,00]-[11,11,01,01] = 2[01,01,11,11]' 11) [00,00,10,10]-[01,01,11,11]+[10,10,00,00]-[11,11,01,01] = 2[10,10,00,00]' 12) [00,00,10,10]-[01,01,11,11]-[10,10,00,00]+[11,11,01,01] = 2[11,11,01,01]' 13) [00,00,11,11]+[01,01,10,10]+[10,10,01,01]+[11,11,00,00] = 2[01,01,10,10]' 14) [00,00,11,11]+[01,01,10,10]-[10,10,01,01]-[11,11,00,00] = 2[00,00,11,11]' 15) [00,00,11,11]-[01,01,10,10]+[10,10,01,01]-[11,11,00,00] =-2[11,11,00,00]' 16) [00,00,11,11]-[01,01,10,10]-[10,10,01,01]+[11,11,00,00] =-2[10,10,01,01]' 17) [00,01,10,11]+[01,00,11,10]+[10,11,00,01]+[11,10,01,00] = 2[11,10,01,00]' 18) [00,01,10,11]+[01,00,11,10]-[10,11,00,01]-[11,10,01,00] =-2[10,11,00,01]' 19) [00,01,10,11]-[01,00,11,10]+[10,11,00,01]-[11,10,01,00] =-2[01,00,11,10]' 20) [00,01,10,11]-[01,00,11,10]-[10,11,00,01]+[11,10,01,00] = 2[00,01,10,11]' Riemannのテータ関係式において x1=x2、x3=x4と特殊化すると テータ関数の加法公式が得られる 例えば θ00(x1+x3)θ00(x1-x3)θ00(0)^2 =θ00(x1)^2θ00(x3)^2+θ11(x1)^2θ11(x3)^2 =θ01(x1)^2θ01(x3)^2+θ10(x1)^2θ10(x3)^2 θ11(x1+x3)θ11(x1-x3)θ00(0)^2 =θ11(x1)^2θ00(x3)^2-θ00(x1)^2θ11(x3)^2 =θ01(x1)^2θ10(x3)^2-θ10(x1)^2θ01(x3)^2 ここでさらにx3=0とすると θ00(x1)^2θ00(0)^2 =θ01(x1)^2θ01(0)^2+θ10(x1)^2θ10(0)^2 θ11(x1)^2θ00(0)^2 =θ01(x1)^2θ10(0)^2-θ10(x1)^2θ01(0)^2 φ2:Eτ=C/(1,τ)→P3 φ2(z)=[θ00(2z,τ),θ01(2z,τ),θ10(2z,τ),θ11(2z,τ)] が成り立つ さらに θ00(x1)^2θ00(0)^2-θ01(x1)^2θ01(0)^2-θ10(x1)^2θ10(0)^2=0 θ11(x1)^2θ00(0)^2-θ01(x1)^2θ10(0)^2+θ10(x1)^2θ01(0)^2=0 が成り立つ このことは、射影空間の点 [a0,a1,a2,a3]=[θ00(2z,τ),θ01(2z,τ),θ10(2z,τ),θ11(2z,τ)] が、二つの関係式 f1=θ00(0)^2 a0^2-θ01(0)^2 a1^2-θ10(0)^2 a2^2=0 f2=θ00(0)^2 a3^2-θ10(0)^2 a1^2+θ01(0)^2 a2^2=0 を満たしていることを示している つまり[a0,a1,a2,a3]∈V(f1,f2)⊂P3 φ2(Eτ)⊂V(f1,f2) であるが実は φ2(Eτ)⊃V(f1,f2) でもあるので φ2(Eτ)=V(f1,f2)である V(f1,f2)は二つの二次曲面の交わりとして定義されているので 射影空間内の4次曲線である(Bezoutの定理) つまり2次式f1,f2は、4次曲線φ2(Eτ)の定義方程式を与える ★定理3.4 ∂θ11(z,τ)/∂τ|z=0 = -πθ00(0,τ)θ01(0,τ)θ10(0,τ) ☆補題3.11 ∂^2θij(z,τ)/∂z^2=4π√(-1)θθij(z,τ)/∂τ ★定理3.5 i)無限級数Σ(n=1〜∞) |un|が収束するとき, 無限積Π(n=1〜∞) (1+un)は収束する この時Π(n=1〜∞) (1+un)は絶対収束するという。 ii)絶対収束するとき、上記の無限積は 積の順序に関係なく一定の値に収束する。 さらに分配法則にしたがって無限積を 形式的に無限級数に展開してもよい。 ★定理3.6 有界閉集合K⊂Cが存在して un(z)は、任意のnについてK上正則とする。 さらに級数Σ(n=1〜∞) |un(z)|が K上で一様収束すると仮定する このとき 無限積Π(n=1〜∞) (1+un)はK上で一様収束し、 したがって正則である ☆補題3.12 z∈C,整数mに関する次の条件は同値である i) ○((m+1/2)τ-z)=-1 ii) 整数nが存在し、2πi(z-(m+1/2)τ)=(2π+1)πiと書ける iii)整数nが存在して、z=(m+1/2)τ+(n+1/2)と書ける ★定理3.7 テータ関数θ(z,τ)は以下のように無限積に展開される θ(z,τ)=Π(m=1〜∞) (1-○(mτ)) Π(m=0〜∞) {[1+○((m+1/2)τ-z)][1+○((m+1/2)τ+z)]} ☆補題3.13 p(z,τ)=Π(m=0〜∞) {[1+○((m+1/2)τ-z)][1+○((m+1/2)τ+z)]}とおくと i) p(z+1,τ)=p(z,τ) ii)p(z+τ,τ)=○(-(1/2)τ-z)p(z,τ) >>135 定理3.7の公式は q=○((1/2)τ),w=○((1/2)z) とおくと、以下のように書ける Σ(m=-∞〜∞) q^(m^2)w^(2m) =Π(m=1〜∞) (1-q^2m)(1+q^(2m-1)w^2)(1-q^(2m-1)w^(-2)) 上記の公式はJacobiの三重積公式と呼ばれている >>137 Jacobiの三重積公式の公式で w=iq^(1/4) q=q^3/2 を代入すると、Eulerの5角数公式を得る Σ(m=-∞〜∞)(-1)^m*q^(m(3m+1)/2) =Π(m=1〜∞) (1-q^m) >>138 Eulerの5角数公式の右辺を展開すると Π(m=1〜∞) (1-q^m) =1+Σ(n=1〜∞)q^n[E(n)-U(n)] ここで E(m)は整数mを偶数個の相異なる正整数の和に表す書き方の数 U(m)は整数mを奇数個の相異なる正整数の和に表す書き方の数 ★定理3.8 正の整数mが与えられたとき、 正の整数nが存在して m=(1/2)n(3n+1) または m=(1/2)n(3n-1) と書けるならば E(m)-U(m)=(-1)^n 上記の整数nが存在しなければ E(m)-U(m)=0 ☆補題3.14 整数a,b,c,dがad-bc=1を満たすとき (1,τ)=(aτ+b,cτ+d) が成立する ☆補題3.15 τを上半平面H上の点とし、 整数a,b,c,dはad-bc=1を満たすと仮定する このとき次が成立する i) (aτ+b)/(cτ+d)∈H ii)Cの各元を(cτ+d)^(-1)倍する写像C→Cは 複素トーラスの同型 C/(1,τ)≣C/(1、(aτ+b)/(cτ+d)) を引き起こす ★定理3.9(Jacobiの変換公式) θ00(z/τ,-1/τ)=○(-1/8)τ^(1/2)○(z^2/(2τ))θ00(z,τ) ☆系3.2 θ10(z/τ,-1/τ)=○(-1/8)τ^(1/2)○(z^2/(2τ))θ01(z,τ) θ01(z/τ,-1/τ)=○(-1/8)τ^(1/2)○(z^2/(2τ))θ10(z,τ) θ11(z/τ,-1/τ)=-i*○(-1/8)τ^(1/2)○(z^2/(2τ))θ11(z,τ) ★定理3.10 θ11(z,τ+1)=○(1/8)θ11(z,τ) ☆系3.3 θ00(z,τ+1)=θ01(z,τ) θ01(z,τ+1)=θ00(z,τ) θ10(z,τ+1)=○(1/8)θ10(z,τ) ★定理3.11 a,b,c,d∈Z,ad-bc=1,c>=0とする θ00(z/(cτ+d),(aτ+b)/(cτ+d)) =○(-1/8)(cτ+d)^(1/2)○(cz^2/(2(cτ+d))θ00(z,τ) ★定理3.12 θ01(2z,2τ)/θ00(z,τ)θ01(z,τ)=θ01(0,2τ)/θ00(0,τ)θ01(0,τ) θ11(2z,2τ)/θ10(z,τ)θ11(z,τ)=θ01(0,2τ)/θ00(0,τ)θ01(0,τ) ☆補題3.16〜3.17 定数aが存在して θ00(2z,2τ)=a(θ00(z,τ)^2+θ01(z,τ)^2) ★定理3.13 2θ00(0,2τ)θ00(2z,2τ)=θ00(z,τ)^2+θ01(z,τ)^2 2θ00(0,2τ)θ10(2z,2τ)=θ10(z,τ)^2-θ11(z,τ)^2 ●命題3.10 θ00(0,2τ)^2=(θ00(z,τ)^2+θ01(z,τ)^2)/2 θ01(0,2τ)^2=θ00(z,τ)θ01(z,τ)^2 つまり θ00(0,2τ)^2はθ00(z,τ)^2とθ01(z,τ)^2の算術平均 θ01(0,2τ)^2はθ00(z,τ)^2とθ01(z,τ)^2の幾何平均 Weierstrassのσ関数とテータ関数の関係 σ(z)=exp((1/2)ω1η1z^2)(ω1/θ’11(0,τ))θ11(z,τ) これでテータ関数は終わり 次から「Jacobiの楕円関数」について 刮目して待て! 定義 u:=zπθ00^2(0) sn u:=(-θ00(0)/θ10(0))(θ11(z)/θ01(z)) cn u:=( θ01(0)/θ10(0))(θ10(z)/θ01(z)) dn u:=( θ01(0)/θ00(0))(θ00(z)/θ01(z)) κ :=θ10^2(0)/θ00^2(0) κ':=θ01^2(0)/θ00^2(0) sn 0=0 cn 0=1 dn 0=1 >>147 κ^2+κ'^2=(θ10^4+θ01^4)/θ00^4=1 θ10^2(0,-1/τ)/θ00^2(0,-1/τ) =θ01^2(0,-1/τ)/θ00^2(0,-1/τ) =κ' sn^2 u+cn^2 u =(θ00^2(0)θ11^2(z)+θ01^2(0)θ10^2(z))/(θ10^2(0)θ01^2(z)) =1 dn^2 u+κ^2sn^2 u =(θ01^2(0)θ00^2(z)+θ10^2(0)θ11^2(z))/(θ00^2(0)θ01^2(z)) =1 >>147-148 θ00(0),θ01(0),θ10(0)をθ00,θ01,θ10と書く d(θ11(z)/θ01(z))/dz =-πθ01^2(θ00(z)/θ01(z))(θ10(z)/θ01(z)) d(sn u)/du =(dz/du)(d((-θ00/θ10)(θ11(z)/θ01(z)))/dz) =(-1/πθ00^2)(θ00/θ10)(d(θ11(z)/θ01(z))/dz) =(θ01^2/θ00θ10)(θ00(z)/θ01(z))(θ10(z)/θ01(z)) = cn u dn u d(sn^2 u+cn^2 u)/du =2sn u d(sn u)/du+2cn u d(cn u)/du =2sn u cn u dn u+2cn u d(cn u)/du =0 ゆえに d(cn u)/du=-dn u sn u d(dn^2 u+κ^2 sn^2 u)/du =2dn u d(dn u)/du+2κ^2 sn u d(sn u)/du =2dn u d(dn u)/du+2κ^2 sn u cn u dn u =0 ゆえに d(dn u)/du=-κ^2sn u cn u >>147-149 (d(sn u)/du)^2 =(1-sn^2 u)(1-κ^2sn u) (d(cn u)/du)^2 =(1-cn^2 u)(1-κ^2sn u) =(1-cn^2 u)(κ'^2-κ^2cn u) (d(dn u)/du)^2 =κ^4(1-sn^2 u)(1-cn^2 u) =-(1-dn^2 u)(κ'^2-dn^2 u) u:=∫[0,v] (1/√(1-x^2)(1-κ^2x^2))dx とおく sn 0=0,sn' 0=1であるので sが0の近傍にあるとき x=sn s と変数変換できる dx=d sn s=√(1-x^2)(1-κ^2x^2)ds したがって u =∫[0,v] (1/√(1-x^2)(1-κ^2x^2))dx =∫[0,sn^(-1) v] ds =sn^(-1) v つまり v(s)=sn u ω :=(π/2)θ00^2 ω':=(π/2)θ00^2τ とする 周期 sn u:4ω, 2ω' cn u:4ω, 2ω+2ω' dn u:2ω, 4ω' 零点(基本平行四辺形上) sn u: 0,2ω cn u:ω,3ω dn u:ω+ω',ω+3ω' 極(基本平行四辺形上) sn u:ω',2ω+ω' cn u:2ω+ω’,4ω+ω' dn u:ω',3ω' アフィン4次曲線 C:y^2=(1-x^2)(1-κ^2x^2) を考える Cのコンパクト化C~を 2枚のアフィン平面WとW'の貼り合わせで実現する (x,y)∈Wと(x',y')∈W'を次の条件を満たすとき同一視する 1)xx'=1 2)y=y'/x'^2 C ={(x ,y )∈W |y^2=(1-x^2)(1-κ^2x^2)} C'={(x',y')∈W'|y'^2=(x'^2-1)(x'^2-κ^2)} CとC'はW∩W'上で一致し代数曲線C~を得る cn^2 u dn^2 u=(1-sn^2 u)(1-κ^2 sn^2 u) sn' u=cn u dn u 上記より C→C: u→(sn u,cn u dn u)=(sn u,sn' u) は正則写像 φ:C→C~=C∪C' を定義する したがってφは同型写像 φ~:C/(4ω,2ω')→C~ を与える ★定理4.1(Jacobiの公式) ∫[0,1] (1/√((1-x^2)(1-κ^2x^2)))dx =(π/2)θ00^2 (κ=θ10^2/θ00^2) ☆補題4.1 ∫[0,1] (1/√((1-x^2)(1-κ'^2x^2)))dx =∫[1,1/κ] (1/√((s^2-1)(1-κ^2s^2)))ds (κ'= θ01^2/θ00^2 κ^2+κ'^2=1) ここで、右辺の平方根はs=0でiをとるRiemann面R上の枝 また、Riemann面R上の積分路は、1と1/τを結ぶ線分上の縁μ+にとる ★定理4.2 ∫[0,1] (1/√((1-x^2)(1-κ'^2x^2)))dx =-i(π/2)θ00^2τ a,b,c∈Cとして、2階線型微分方程式 u(1-u)d^2f/du^2+(c-(a+b+1)u)df/du-abf=0 を超幾何微分方程式と呼ぶ 無限級数 F(a,b,c;u) =1+(ab/1*c)u+(a(a+1)b(b+1)/1*2*c(c+1))u^2 +(a(a+1)(a+2)b(b+1)(b+2)/(1*2*3c(c+1)(c+2))u^3+… を超幾何級数という ●命題4.1 超幾何級数F(a,b,c;u)は超幾何微分方程式を満たす F(u)=∫[0,1] (1/√(1-x^2)(1-ux^2))dx G(u)=∫[0,1] (1/√(s^2-1)(1-us^2))ds とおく ★定理4.3 楕円曲線y^2=(1-x^2)(1-ux^2)の周期 ∫Γ (1/y)dx=4F(u) ∫Γ’(1/y)dx=2G(u) は、uの関数とみなすと、a=b=1/2、c=1とした超幾何微分方程式 u(1-u)d^2f/du^2+(1-2u)df/du-(1/4)f=0 の解である ★定理4.4 Re(c-a-b)>0のとき、等式 F(a,b,c;1)=(Γ(c)Γ(c-a-b))/(Γ(c-a)Γ(c-b)) が成り立つ { 「試験で,なぜなのかを問うてはいけない.答えられないから.もしそのような問題を出すな ら,あらかじめその問題について,答を教えておく必要がある」 { 時間内に答えるのは無理な沢山の問題を出すこと「学生は解き方を覚えてきた問題しか手をつ けない.覚えてきた問題を試験に出さなくて悪い成績をつけたら,意地悪な先生と思われる」 { 理解が困難な内容を教えていること「志村先生も,理解を求めるより,分からなくてもどんどん 進めるのが効果的と書いている.易しくすれば,それに応じて学生が怠けるだけである」 第1種積分を K(κ)= ∫[0,1] (1/√((1-x^2)(1-κ^2x^2)))dx と書く また、κ^2+κ'^2=1とする ★定理4.5 K(κ),K(κ’)は線型微分方程式 κ^3-κd^2y/dκ^2+(3κ^2-1)dy/dκ-κy=0 の解である 第2種積分を E(κ)= ∫[0,1] (√(1-κ^2x^2)/√(1-x^2))dx と書く ★定理4.6 E(κ),K(κ)は次の微分方程式系を満たす dE/dκ=(E-K)/κ dK/dκ=(E-κ'^2K)/(κκ'^2) K'(κ)=K(κ’) E'(κ)=E(κ’) とおく ★定理4.7(Legendreの関係式) 0<κ<1のとき、等式 E(κ)K'(κ)+E'(κ)K(κ)-K(κ)K'(κ)=π/2 が成り立つ テータ関数の加法公式より、 sn u,cn u,dn uの加法公式を 導くことができる ★定理4.8 次の加法定理が成り立つ sn(u+v)=(sn u cn v dn v + sn v cn u dn u)/(1-κ^2 sn^2 u sn^2 v) cn(u+v)=(cn u cn v - sn u dn u sn v dn v)/(1-κ^2 sn^2 u sn^2 v) dn(u+v)=(dn u dn v - κ^2 sn u cn u sn v cn v)/(1-κ^2 sn^2 u sn^2 v) これでJacobiの楕円関数は終わり 明日から「楕円曲線のモジュライ」について 刮目して待て! ω1,ω2をR上1次独立な複素数 Ωをω1,ω2の生成する加法群Cの部分群とする Ω=(ω1,ω2) 複素トーラスC/Ωは射影平面P2上の3次曲線 x0x2^2=4x1^3-g2x0^2x1-g3x0^3 に埋め込まれる ここで g2=60Σ'(1/ω^4) g3=140Σ'(1/ω^6) さらに判別式 Δ=g2^3-27g3^2≠0 ※問題5.1 逆にΔ≠0となるP2上の3次曲線 x0x2^2=4x1^3-g2x0^2x1-g3x0^3 が与えられたとする このときP関数による埋め込みが、 与えられた3次曲線となるような 複素トーラスC/Ωが存在するであろうか つまりΔ=g2^3-27g3^2≠0となる 複素数g2,g3が与えられたとき、 g2=60Σ'(1/ω^4) g3=140Σ'(1/ω^6) とする部分群Ω=(ω1,ω2)⊂Cは存在するか? (ω1,ω2をR上1次独立な複素数とする) ※問題5.2 二つの複素トーラスC/Ω,C/Ω'はいつ同型になるか >>164 ●命題5.1 複素トーラスの複素多様体としての同型写像 f:E=C/Ω→E'=C/Ω' が与えられたとする。 このとき、複素数a,bが存在して、図式 f~:C→C π:C→E π':C→E' は可換となる。 (つまりf・π=π’・f~) ここで、 f~は正則写像 u → au+b を表し π、π’はx∈Cにその同値類を対応させる自然な写像である ●命題5.2 複素多様体Xが与えられたとき、 Xの普遍被覆多様体p:X~→Xが、同型を除いて唯一つ存在する >>164 の問題2の解は定理5.1で与えられる ★定理5.1 E=C/Ω,E'=C/Ω'を二つの複素トーラスとする。 このとき、次の条件は同値である 1) EとE'は複素多様体として同型である。 2) EとE'は複素リー群として同型である つまり、複素多様体の同型写像f:E→E'であって、 次の条件を満たすものが存在する。 任意のx,y∈Eに対して、f(x+y)=f(x)+f(y)が成り立つ 3) 0でない複素数aが存在して、aΩ=Ω'が成り立つ ☆系5.1 E,E'を複素トーラスとする g:E→E'を複素多様体の同型写像とする gがEの単位元0を、E'の単位元0に写すならば, gは複素Lie群の同型写像である。すなわち、 g(x+y)=g(x)+g(y) が、任意のx,y∈Eについて成り立つ 複素トーラス全体のなす集合Tを考える E,E'∈Tとする。 EとE'が複素多様体として同型のとき、E≣E'と定義すると ≣は集合Tの元の間の同値関係となる。 ※問題5.3 集合Tの同値関係≣による商集合T/≣は、どのようなものであろうか? ●命題5.3 Eを複素トーラスとする。 Imτ≠0である複素数τが存在して、 E≣C/(1,τ)が成立する。 ●命題5.4 Eを複素トーラスとする。 Imτ>0である複素数τが存在して、 E≣C/(1,τ)が成立する。 T'をC/(1,τ),Imτ>0の形の複素トーラス全体のなす集合とする。 ☆系5.2 商集合T/≣の元と商集合T'/≣の元の間に 自然な1対1対応が存在する。 GL2(Z)= {(a,b) (c,d)|a,b,c,d∈Z,ad-bc=±1} SL2(Z)= {(a,b) (c,d)|a,b,c,d∈Z,ad-bc=1} とおくと、行列の積を考えることにより GL2(Z)は群になる。 SL2(Z)はGL2(Z)の部分群である。 H={τ∈C|Imτ>0} τ,τ’∈Hとして 複素トーラス E =C/(1,τ) と E'=C/(1,τ')が いつ同型になるかを見る。 定理5.1よりE≣E'となる条件は 0と異なる複素数αが存在して α(1,τ)=(1,τ') が成立することである 命題2.7により 上記は以下の条件と同値である (a b) (c d)∈GL2(Z)が存在して ατ=aτ’+b α=cτ’+d が成り立つ このとき以下が成り立つ ☆補題5.1 (a,b) (c,d)∈SL2(Z)である ●命題5.5 τ,τ’∈Hとし、複素トーラス E =C/(1,τ) 、E'=C/(1,τ') を考える 次の条件は同値である 1) EとE'は複素多様体として同型である。 2) EとE'は複素リー群として同型である 3) (a,b) (c,d)∈SL2(Z)が存在して τ=(aτ’+b)/(cτ’+d) が成り立つ ■定義5.1 τ,τ’∈Hとする (a b) (c d)∈SL2(Z)が存在して τ’∈(aτ+b)/(cτ+d)が成立するとき τ≣τ'と書くことにする ☆補題5.2 定義5.1の≣は同値関係である ■定義5.2 g= (a b) (c d)∈SL2(Z),τ∈Hに対して gτ:=(aτ+b)/(cτ+d)∈Hとおく ☆補題5.3 τ,τ'∈Hとする 次の条件は同値である 1)τ≣τ’ 2)g∈SL2(Z)が存在して、τ'=gτが存在する ☆補題5.4 τ∈H、g,g'∈SL2(Z)とすると、 I2τ=τ、(gg')τ=g(g'τ)が成立する (I2は2次の単位行列) ■定義5.3 Gを群、Xを集合とする。 次の条件1)、2)を満たす写像 μ:G×X→Xが与えられたとき、 群Gは集合Xに(左から)作用するという g∈G、x∈Xに対して、μ(g,x)=g.xと書くことにする。 1)1.xが任意のx∈Xについて成り立つ ここで1はGの単位元である 2)g.(g'x)=(gg').xが、任意のg,g'∈G、および任意のx∈Xについて成り立つ 補題5.4は写像 SL2(Z)×H→H、(g,τ)=gτ が、群SL2(Z)の集合Hへの作用を定めることを示している ☆補題5.5 群Gが集合Xに作用しているとする Xの元x,yに対して、Gの元gが作用して、y=g.xとなるとき x≣yと書くことにする。 このとき、≣はXにおける同値関係となる xをXの元とする G.x={g.x|g∈G}をxのG-軌道という ☆補題5.6 群Gが集合Xに作用していると仮定する 補題5.5の同値関係≣、およびXの二つの元x,yに関する 次の条件は同値である 1)x≣y 2)y∈G.x 3)G.x=G.y ☆系5.3 G.x={y∈X|x≣y}が成り立つ ☆系5.4 商集合X/≣=G-軌道全体のなす集合 商集合X/≣を、G\Xと書くことが多い (\は正しくはバックスラッシュ) ★定理5.2 次の自然な全単射写像が存在する T/≣ ≣ SL2(Z)\H ■定義5.4 Hの連結開集合Fが次の条件を満たすとき、 FはSL2(Z)に関する基本領域であるという 1)Hの任意の点は、閉包F~の点と同値である 2)Fの任意の相異なる2点は同値ではない ★定理5.3 領域F={τ∈H||τ|>1,-1/2<Reτ<1/2}は、(SL2(Z),H)の基本領域である。 ■定義5.4 Hの連結開集合Fが次の条件を満たすとき、 FはSL2(Z)に関する基本領域であるという 1)Hの任意の点は、閉包F~の点と同値である 2)Fの任意の相異なる2点は同値ではない ★定理5.3 領域F={τ∈H||τ|>1,-1/2<Reτ<1/2}は、(SL2(Z),H)の基本領域である。 ☆補題5.7 τ∈Hに対して、τを固定するSL2(Z)の元全体のなす集合を Gτと書くことにする つまり Gτ={g∈SL2(Z)|g.τ=τ} 1)GτはGの部分群であり、Gτ⊃{±I2}が成り立つ 2)さらにτ∈F~,Gτ⊋{±I2}とすると、 次の3つの場合のいずれかが成立する a)τ=iであり、 Gτ= <(0 -1)> <(1 0)> b)τ=e^(2πi/6)であり、 Gτ= <(0 -1)> <(1 -1)> c)τ=e^(2πi/3)であり、 Gτ= <(-1 -1)> <(1 0)> ☆補題5.8 U={τ∈H|Imτ>1}とする。 Uの2点τ,τ’に関する次の条件は同値である 1)τ≣τ' 2)τーτ'∈Z 3)整数nが存在して (1 n) (0 1).τ=τ' となる ★定理5.4 次の全単射写像が存在する T/〜(≣SL2(Z)\H)≣C S= (1 1) (0 1) T= (0 -1) (1 0) とする ●命題5.6 群SL2(Z)は二つの元S,Tから生成される 補題2.1にて n≧2に対して G_2n(ω1,ω2)=Σ(ω∈Ω,ω≠0) 1/(ω^2n) は絶対収束する (ω1,ω2)=(ω1',ω2')ならばG_2nの定義より G_2n(ω1,ω2)=G_2n(ω1',ω2') したがって G_2n(aτ+b,cτ+d)=G_2n(τ,1) λを0と異なる複素数とすれば λ^2n G_2n(λω1,λω2)=G_2n(ω1,ω2) したがって (cτ+d)^2n G_2n(τ,1) =(cτ+d)^2n G_2n(aτ+b,cτ+d) =G_2n((aτ+b)/(cτ+d),1) τ∈Hのとき G_2n(τ,1)=G*_2n(τ) とおく G*_2nはH上の正則関数である 上記より、以下の補題が成り立つ ☆補題5.9 τ∈H, (a b) (c d)∈SL2(Z) とする このとき G*_2n((aτ+b)/(cτ+d))=(cτ+d)^2n G*_2n(τ) >>181 補題5.9において (a b) (c d) = (1 b) (0 1) (b∈Z) とすれば G*_2n(τ+b)=G*_2n(τ) したがってG*_2n(τ)はq=e^2πiτのLaurent級数に展開できる (Fourier展開) ☆補題5.10 τ∈H,k≧2とする 次の等式が成立する (-1)^k (k-1)! Σ(m=-∞〜∞)(τ+m)^-k=(2πi)^kΣ(n=1〜∞) (n^(k-1) q^n) ☆補題5.11 G*_2k(τ)は以下のFourier展開を持つ G*_2k(τ)=2s_2k + 2(2πi)^2k/(2k-1)!Σ(n=1〜∞) (σ_(2k-1)(n) q^n) ここで q=e^2πiτ s_2k=Σ(n=1~∞) (1/n^2k) σ_r(n)=Σ(d|n,d>0) d^r ☆補題5.12 s_4=(1/90)π^4、s_6=(1/945) >>182 g*_2(τ)=60G*_4(τ) g*_3(τ)=140G*_6(τ) Δ*(τ)=g*_2(τ)^3-27g*_3(τ)^2 J(τ)=(12^3)g*_2(τ)^3/Δ*(τ) ☆補題5.13 (2π)^(-12)Δ*(τ)=q+Σ(n=2〜∞)(b_n q^n) ここで、b_nはすべて整数 ☆補題5.14 J(τ)は上半平面上の正則関数である 任意の (a b) (c d)∈SL2(Z)について 以下の等式が成り立つ J((aτ+b)/(cτ+d))=J(τ) >>183 ★定理5.5 次の主張が成立する 1) J(τ)は商空間SL2(Z)\Hのコンパクト化 (SL2(Z)\H)∪{i∞~}上の有理型関数とみなせる。 2) J(τ)はSL2(Z)\H上正則であり、i∞~で1位の極を持つ 3) J(τ)はRiemann面の同型写像SL2(Z)\H≣Cを与える 特に複素数a∈Cを与えたとき、J(τ)=aとなるτが、同値を除いて一意的に定まる 12^3g*_2(τ)^3=(2π)^12(1+Σ(n=1〜∞)(c_n q^n)) Δ*(τ)=(2π)^(12)(q+Σ(n=2〜∞)(b_n q^n)) したがって J(τ)=(12^3)g*_2(τ)^3/Δ*(τ)=1/q+qΣ(n=0〜∞)(d_n q^n) と書け、J(τ)がi∞~において、1位の極を持つ有理型関数であることを示す ☆補題5.15 ΣをRiemann球 PをΣ上の点とする f(z)をΣ上の有理型関数で、Σ\P上正則、P上で1位の極を持つとする このとき有理型関数f(z)は、Riemann球Σのf(P)=∞となる自己同型写像 f:Σ→Σを与える ■定義5.5 上半平面H上の正則関数f(τ)が次の条件を満たすとき、 f(τ)はSL2(Z)に関する重さkのモジュラー形式(modular form) であるという 1)任意の g= (a b) (c d)∈SL2(Z) に対して f((aτ+b)/(cτ+d))=(cτ+d)^k f(τ) が成立する 2)f(τ)のq=e^2πiτに関するLaurent級数展開(=Fourier展開)は qのベキ級数になる f(τ)=Σ(n=0〜∞)c_n q^n (c_n∈C) SL2(Z)に関する重さkのモジュラー形式全体のなす集合M_kは C-ベクトル空間を成す G*_2n(τ)をEisenstein級数という 補題5.9及び補題5.11は、Eisenstein級数G*_2n(τ)が SL2(Z)に関する重さ2nのモジュラー形式であることを示す ベクトル空間M_kは有限次元であると証明できる さらに M_0=C、M_2=0、M_4=Cg*_2(τ)、M_6=Cg*_3(τ)、 M_8=Cg*_2(τ)^2、M_10=Cg*_2(τ)g*_3(τ) であると示せる 一般にC-ベクトル空間M_2nはg*_2(τ)^a g*_3(τ)^bから生成される (2n=4a+6b) >>185 ■定義5.6 f(τ)をSL2(Z)に関するモジュラー形式とする f(τ)のFourier展開が f(τ)=Σ(n=1〜∞)c_n q^n (c_n∈C) となるとき、f(τ)は尖点形式(cusp form)であるという SL2(Z)に関する重さkの尖点形式全体のなす集合S_kは M_kの部分集合になる g*_2(τ)、g*_3(τ)は各々、重さが4、6のモジュラー形式であるので g*_2(τ)^3、g*_3(τ)^2は重さ12のモジュラー形式である したがって、 Δ*(τ)=g*_2(τ)^3 - 27 g*_3(τ)^2 は重さ12のモジュラー形式であり、 補題5.13より尖点形式であると示される >>185 ■定義5.7 f(τ)をHの有理型関数とする f(τ)が次の条件を満たすとき f(τ)は群SL2(Z)に関するモジュラー関数であるという 1)任意の g= (a b) (c d)∈SL2(Z) に対して f((aτ+b)/(cτ+d))=f(τ) が成立する 2)f(τ)のFourier展開は qの負ベキの項を有限個しか含まない つまり、ある整数mが存在して f(τ)=Σ(n=m〜∞)c_n q^n (c_n∈C) J(τ)は群SL2(Z)に関するモジュラー関数である 条件1)を満たすことは補題5.14で 条件2)を満たすことは定理5.5で示される モジュラー関数をつくるには、 重さの等しい二つの0でないモジュラー形式の比 をとればよい ★定理5.6 テータ関数θ00(0,τ)^2、θ01(0,τ)^2、θ10(0,τ)^2は Γ4に関する重さ1のモジュラー形式である ここで Γ4={g∈SL2(Z)|a≣d≣1,b≣c≣0 mod 4} g= (a b) (c d) 新年あけましておめでとう さて、正月は、楕円関数を使った5次方程式の解法について書きますか 5次方程式 x^5+a1x^4+a2x^4+a3x^2+a4x+a5=0 を考える 上記の方程式に対して、 Tschirnhausen変換 y=α0+α1x+α2x^2+α3x^3+α4x^4 をほどこし、 y^5+b1y^4+b2y^3+b3y^2+b4y+b5=0 なる方程式をつくる ここでbi(1≦i≦5)はα0,α1,α2,α3,α4のi次斉次式である ☆補題6.1 nを3以上の整数とする B(x0,x1,x2,…,xn)を体K上に係数を持つ2次斉次式とする このとき、次の条件を満たす体Kの拡大K⊂L⊂M、及び Pn上の点[u0,u1,u2,…,un]、[v0,v1,v2,…,vn]が存在する 1)L/K,M/Lは高々2次拡大である 2)(u0,u1,u2,…,un)、(v0,v1,v2,…,vn)∈M^(n+1) 3)[u0,u1,u2,…,un]≠[v0,v1,v2,…,vn] 4)任意の複素数λ,μに対して B(λu0+μv0,λu1+μv1,…,λun+μvn)=0 ●命題6.5 補題6.1の条件1)を満たすKの拡大体Mの3次拡大Nが存在して bi(α0,α1,α2,α3,α4)=0 (1≦i≦3) となる(α0,α1,α2,α3,α4)≠0をM^5の中に見つけることができる ★定理6.2 体Kに係数を持つ5次方程式 x^5+a1x^4+a2x^4+a3x^2+a4x+a5=0 が与えられたとする 2乗根、3次方程式、4乗根を解くことにより、 α0,α1,α2,α3,α4を決めて Tschirnhausen変換 y=α0+α1x+α2x^2+α3x^3+α4x^4 により、与えられた5次方程式を y^5+y+b=0 に変換することができる F(x,y)=x^6-y^6+5x^2y^2(x^2-y^2)-4xy(x^4y^4-1)=0 とおく このとき F(-(κ(5τ)^(1/4)),κ(τ)^(1/4))=0 が成り立つ(レベル5のモジュラー方程式) そして F(x,κ(τ)^(1/4))=(x+κ(5τ)^(1/4))Π(i=0〜4) (x-κ((τ+16i)/5)^(1/4)) も成り立つ 体KをQ(κ(τ)^(1/4))とおくと 以下の1)、2)が成り立つ 1)多項式 F(x,κ(τ)^(1/4))∈Q(κ(τ)^(1/4))[x]=K[x] はK上既約である 2)K係数の6次代数方程式 F(x,κ(τ)^(1/4))=0 の解は α_∞(τ)=-(κ(5τ)^(1/4)) α_i=κ((τ+16i)/5)^(1/4) (i=0〜4) したがって、体の拡大 K(α_∞,α_1,α_2,α_3,α_4)/K はGalois拡大で、そのGalois群は5次交代群A5である A5には指数5の部分群Hが存在する したがってHに対応する中間体Mをとれば [M:K]=5である 一方K=Q(κ(τ)^(1/4))は一変数有理関数体Q(y)と同型であるので 拡大体M/Kは5次拡大の(あるいは5次方程式の) 1個のパラメータを含む族を与えている 5次方程式は1つのパラメータを含むBring_Jerrardの標準系 z^5+z+b=0 に帰着できるので、5次方程式の族M/Kを使って、 Bring_Jerrardの標準系が解けることが期待できる。 体K(α_∞,α_1,α_2,α_3,α_4)の元r_i(0≦i≦4)を 次の式により導入する r_0(τ)=(α_∞-α_0)(α_1-α_4)(α_2-α_3)κ(5τ)^(1/4) r_1(τ)=(α_∞-α_1)(α_2-α_0)(α_3-α_4)κ(5τ)^(1/4) r_2(τ)=(α_∞-α_2)(α_1-α_3)(α_0-α_4)κ(5τ)^(1/4) r_3(τ)=(α_∞-α_3)(α_2-α_4)(α_1-α_0)κ(5τ)^(1/4) r_4(τ)=(α_∞-α_4)(α_0-α_3)(α_1-α_2)κ(5τ)^(1/4) r_iはK(√5)上5次方程式 x^5-2^4・5^3・κ^2(1-κ^2)^2x-2^6・5^(5/2)・κ^2(1-κ^2)^2(1+κ^2)=0 の解である 変換 x=(-2^4・5^3・κ^2(1-κ^2)^2)^(1/4)z により上記の5次方程式は z^5+z-(2・5(-5/4)・(1+κ^2(τ)))√(-1)/√(κ(τ))(1-κ^2(τ)) に変換される >>192 r_i(0≦i≦4)の定義式中の κ(5τ)^(1/4)を κ(τ)^(1/4)に に訂正の上 再掲 --- 体K(α_∞,α_1,α_2,α_3,α_4)の元r_i(0≦i≦4)を 次の式により導入する r_0(τ)=(α_∞-α_0)(α_1-α_4)(α_2-α_3)κ(τ)^(1/4) r_1(τ)=(α_∞-α_1)(α_2-α_0)(α_3-α_4)κ(τ)^(1/4) r_2(τ)=(α_∞-α_2)(α_1-α_3)(α_0-α_4)κ(τ)^(1/4) r_3(τ)=(α_∞-α_3)(α_2-α_4)(α_1-α_0)κ(τ)^(1/4) r_4(τ)=(α_∞-α_4)(α_0-α_3)(α_1-α_2)κ(τ)^(1/4) r_iはK(√5)上5次方程式 x^5-2^4・5^3・κ^2(1-κ^2)^2x-2^6・5^(5/2)・κ^2(1-κ^2)^2(1+κ^2)=0 の解である 変換 x=(-2^4・5^3・κ^2(1-κ^2)^2)^(1/4)z により上記の5次方程式は z^5+z-(2・5(-5/4)・(1+κ^2(τ)))√(-1)/√(κ(τ))(1-κ^2(τ)) に変換される 一般の5次方程式はBring_Jerrardの標準型 z^5+z+b=0 に帰着できる 標準型の方程式は以下の方法で解ける 1)b=-(2・5(-5/4)・(1+κ~^2))√(-1)/√κ~(1-κ~^2) となるκ~を求める 上記は4次方程式を解くことで実行できる 2)楕円曲線 C:y^2=(1-x^2)(1-κ~^2x^2) C上の第一種積分 ξ=dx/y=dx/√(1-x^2)(1-κ~^2x^2) の周期 K =∫[0,1] dx/√(1-x^2)(1-κ~^2x^2) K'=∫[1,κ~] dx/√(1-x^2)(1-κ~'^2x^2) を求める (κ~'^2=1-κ~^2である) τ~=√(-1)K'/K (κ~=θ10^2(0,τ~)/θ00^2(0,τ~)) である したがって α_∞=-(κ(5τ~)^(1/4)) α_i =κ((τ~+16i)/5)^(1/4) (i=0〜4) β =κ(τ~)^(1/4) として r_0(τ~)=(α_∞-α_0)(α_1-α_4)(α_2-α_3)β r_1(τ~)=(α_∞-α_1)(α_2-α_0)(α_3-α_4)β r_2(τ~)=(α_∞-α_2)(α_1-α_3)(α_0-α_4)β r_3(τ~)=(α_∞-α_3)(α_2-α_4)(α_1-α_0)β r_4(τ~)=(α_∞-α_4)(α_0-α_3)(α_1-α_2)β は、標準型の5次方程式の解である 楕円関数ってどこまでが楕円関数って見なされるの? sn,cn,dnが楕円関数なのは分かるけど。 amとかテータ関数も楕円関数? 参考 超冪根 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%85%E5%86%AA%E6%A0%B9 1858年に、シャルル・エルミートは楕円超越函数を用いた最初の一般五次方程式の解法を発表した (同時期にフランチェスコ・ブリオッシとレオポルト・クロネッカーもまた同値な解法を得ている)。 エルミートは、既によく知られていた三次方程式に対する 三角函数を用いた解法を一般化する形でこの解法に到達し、 ブリング–ジェラード標準形 x^5-x+a=0 に対する解を求めた (一般の五次方程式は、チルンハウス変換でこの標準形に帰着できる)。 エルミートは三次方程式における三角函数の役割を、 ブリング–ジェラード標準形の方程式において果たすのが 楕円函数であることを観察したのである。 このような取り扱いは、冪根を一般化する過程とみることもできる。 冪根が (n)√x=exp((1/n)ln x) あるいはもっと明確に (n)√x=exp((1/n)(∫[1,x] dt/t)) と表せることに注意すると、エルミート–クロネッカー–ブリオッシの方法は、 本質的にはこの式に現れる指数函数 exp を楕円モジュラー函数で、 同じく積分 ∫[1,x] dt/t を楕円積分で、それぞれ置き換えるものである。 クロネッカーはこの一般化すら 任意の高次方程式に適用できる一般定理の 特別の場合に過ぎないものと考えていた。 そのような一般定理はトマエの公式と呼ばれ、完全な記述は1984年に梅村浩によって与えられた。 それは、上記の式の exp(あるいは楕円モジュラー函数)のところをジーゲル・モジュラー形式で、 積分のところを超楕円積分で、それぞれ置き換えるものになっている。 >>195 楕円関数とは二重周期関数です テータ関数は二重周期関数ではないので、楕円関数ではありません しかしながら、>>147 で定義したように 楕円関数は2つのテータ関数の比として表すことができます ありがとうございます。 ヤコビとワイエルシュトラス以外にも楕円関数はあるんですね。 ガウスの楕円関数とかディクソンの楕円関数とかはじめて知りました。 (  ̄ー ̄)/C□☆□D\( ̄ー ̄ ) ヤコビヤーン >>146 ご苦労さん だがね それは、例のスレにもっと早く書くべきことだろうよ( https://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1604268050/52 ) ほとんど無価値な、本からの定理のみの写経じゃなくてさ 今月からMumford「代数曲線とヤコビ多様体」の中の 「ヤコビ多様体とテータ関数の起源」を読む ヤコビ多様体の発端はアーベルとヤコービによる、xの多価代数関数fの積分 I=∫f(x)dx の研究にある 上記のfは g(x,f(x))≣0 gは2変数多項式 の解である したがってIは I=∫[γ]ydx と書くことができる。 ここでγは平面曲線g(x,y)=0上の積分路である 主結果は、>>207 の積分が常に加法定理をみたすことである すなわち、ある整数gが存在してa_0を起点とし a_1,…,a_(g+1)を、平面曲線Cの任意の点とすると、 {a_k}から有理的な方法でb_1,…,b_g∈Cが順番を除いて定まり ∫[a_0,a_1]ω+…+∫[a_0,a_(g+1)]ω≣∫[a_0,b_1]ω+…+∫[a_0,b_g]ω mod{∫ωの周期} となる たとえば、C=P^1、ω=dx/xのときは、g=1となり ∫[1,a_1]dx/x+∫[1,a_2]dx/x=∫[1,a_1*a_2]dx/x が成り立つ 繰り返すことにより、すべての a_1,…,a_g,b_1,…,b_g∈Cに対して 有理的な方法で、順番を除いて定まる c_1,…,c_g∈Cが存在して Σ[i=1~g]∫[a_0,a_i]ω + Σ[i=1~g]∫[a_0,b_i]ω = Σ[i=1~g]∫[a_0,c_i]ω (mod 周期) が成り立つ 上記は諸定理の中でも最も古典的な結果であり ほんのわずかな補強だけで非常に現代的な形で再定式化できる 代数群Gの定義 Gが代数多様体であり、かつ、 群の積m:G×G→G と 逆元i:G→G が 代数多様体の間の射になるようなもの 上記のGは自動的に複素解析的なLie群になる したがってそのLie環 Lie(G) と 指数写像exp:Lie(G)→Gがある アーベルの定理の言いかえ Cvを代数曲線とし、 ωをCv上の有理微分とするとき 多価の関数 a→∫[a_0,a] ω が以下の三つの関数に分解する φ:Cv-(ωの極) → J exp:Lie J → J l:Lie J → C ただし 1)Jは可換代数群 2)lはLie J からCへの線型写像 3)φは代数多様体の間の射であって、実際にg=dim J のときは φをJの加法により拡張して φ(g):[(C-ωの極)×…×(C-ωの極)/順序の置換S_g]→J とすると、φ(g)が双有理射、すなわちあるザリスキ開集合間の同型射になる >>210 Cv=P^1,ω=dx/xのとき、J=P1-(0,ω)となる またφは恒等射である 要点はJが2つのg組(a_1,…,a_g)と(b_1,…,b_g)を「足して」 第3の組(c_1,…,c_g)を作ることを実現する対象物であり、 そのとき積分Σ[i=1~g] I(x_i)がJからGへの準同型になることである ωのうちで最も重要なのは第1種微分、すなわち極をもたないものである これらを一斉に積分すると最も重要なJ、つまりヤコビ多様体を得る これをJacと書く Jacは>>210 の性質3)よりコンパクトな可換代数群、 つまり複素トーラスでなければならないことがわかる。 これは φ:Cv→Jac から引き起こされる 4) φ*:E→R_1(Cv) (EはJac上の平行移動不変な1形式μの集合、 R_1(Cv)はCv上の極を持たない有理微分ωの集合) が双射になるように設定する こうして dim Jac=dim R_1(Cv)=Cの種数g となる ヤコビ多様体を真に有効なものにしているのはテータ関数である Jac上の関数論を展開する理由が3つある a)Jac上の射影空間への埋め込みを与え、 したがって代数構造やモジュライ構造などの理解が深まる b)Jacの群構造が関数論に面白い仕方で反映しているかもしれない c)Jac上の関数をS"g(=Cv×…×Cv/S_g)に引き戻し、 さらにCv上に引き戻した関数の興味深い展開式が得られ 例えばリーマン・ロッホの定理の証明に使える ヤコビ多様体を真に有効なものにしているのはテータ関数である Jac上の関数論を展開する理由が3つある a)Jac上の射影空間への埋め込みを与え、 したがって代数構造やモジュライ構造などの理解が深まる b)Jacの群構造が関数論に面白い仕方で反映しているかもしれない c)Jac上の関数をS~g(=Cv×…×Cv/S_g)に引き戻し、 さらにCv上に引き戻した関数の興味深い展開式が得られ 例えばリーマン・ロッホの定理の証明に使える Jac=C^g/L と書き C^g上のL周期的な有理型関数を構成する代わりに、 L保型な整関数fを求める すなわち f(x+α)=e_α(x)f(x) α∈L x∈C^g {e_α}={保形因子} (保形因子とはC^g上の整関数であって e_(α+β)(x)=e_α(x+β)e_β(x) を満たし、いたるところで零でないもの) 同じことであるが、保型関数fはJac上の直線束L{e_α}の正則切断のことであり、 このような二つのfの商は常にL周期的になることは明らかである 最も単純な{e_α}としては e_α(x)=e^(B(x,α)+c(α)) Bは双線型 がある g>=2のときは、大部分の複素トーラスC^g/Lは、 その上に定数以外の有理形関数が全く存在せず、代数多様体にすらならない しかも{e_α}は自明なものしかない ところが曲線Cvの場合、何か特別なことが起こる Bの候補になる双線型写像を見つけよう Cv上の極を持たない有理微分の全体R_1(Cv)には 以下の正定値エルミート形式が存在する (ω1,ω2)=∫[Cv] ω1∧ω2~ したがって 、その双対空間であるJacの普遍被覆空間C^g上にも エルミート形式が存在する これをHと書く ところでH_1(Cv,Z)には、交点形式から引き起こされる 以下の整数値の歪対称形式がある E:H_1(Cv,Z)×H_1(Cv,Z)→Z 同型H_1(Cv,Z)≣Lがあるから、 Lにも上記のEがある >>218-219 HとEの関係 ∀x1,x2∈L.E(x1,x2)=Im H(x1,x2) 上記が成り立つ場合は(ほぼ標準的な){e_α}の選び方がある すなわち e_α(x)=±e^(π[H(x,α)+(1/2)H(α,α)]) 定理 C^g上に正定値エルミート形式Hが存在し、 L上でE=Im Hを満たす整数値歪対対形式Eが存在することは、 複素トーラスC^g/L上にg個の代数的独立な有理形関数が存在するための 必要十分条件である 上記の関数があるとき、C^g/Lはある射影空間P^nに埋め込める したがって射影代数多様体になる tata lectures on theta1, 2 複素トーラスは簡単にはP^nに埋め込めない 埋め込みの存在は>>220 の関係式 ∀x1,x2∈L.E(x1,x2)=Im H(x1,x2) の成立が前提である そこで位数nのテータ関数を定義する それはC^g上の整関数fであって f(x+α)=(±e^π[H(x,α)+(1/2)H(α,α)])^n*f(x) を満たすものである 上記のf全体のなす空間をS_nとする このときS=ΣS_nは次数環で dim S_n=n^g (n>=1) が導かれる 特に1位のテータ関数が定数倍を除いて丁度1つある この重要な関数をθと書き、リーマンのテータ関数と呼ぶ >>224 n>=3のとき、S_nの基底をψ_1,…,ψ_(n^g)とすると 以下の定理が得られる レフシェッツの埋め込み定理 C^g/Lは x→(ψ_1,…,ψ_(n^g))=Ψ_n(x) によりP^((n^g)-1)に埋め込まれる 全てのβ∈C^gに対して (T_β f)(x)=f(x+β) と定義し、いたるところ零ではない正則関数eに対して (U_e f)(x)=e(x)f(x) と定義する 以下の補題が成立する 1)任意のβ∈C^gに対して、 U_e T_β S_n=S_nとなるようなeが存在するための必要十分条件は、 β∈(1/n)Lである。 2)各β∈(1/n)Lに対して上で定まるe(β)を選ぶとき、 β→U_e(β)・T_βは、(1/n)L/LのS_nへの射影表現を定義する この表現は既約である C^g/Lはアーベル群であるにも関わらず 関数論的には次元が1より大きな既約表現が 沢山あることは注目に値する 実は、これらは有限2階ベキ零群G_nの通常表現である 1→Z/nZ→G_n→(1/n)/n→1 これらはベキ零リー群 1→R→G→V+V^→1 (V=実ベクトル空間) に類似の性質を持つ このリー環はハイゼンベルクの交換関係の代数である >>226 の補題から多くの結果を得ることができる 系 1)埋め込み写像Ψ_nにおいて、βによるC^g/Lの平行移動が 線型変換P^((n^g)-1)→P^((n^g)→1)に延長できるための 必要十分条件は、β∈(1/n)L/Lとなることである 2)対応する有限群G_nの生成元の選び方の不定性を除けば S_nの特別な基底が定数倍を除いて定まる したがって、射影変換により Ψ_n:C^g/L→P^((n^g)-1) を正規化することができる この正規化において、β∈(1/n)L/による平行移動の Ψ_n(C^g/L)への作用は具体的なn^g×n^g行列の 集まりによって与えられる 基底をより具体的に表すため、θ∈S_1から始めよう E(φ(n,m),φ(n',m'))=<n,m'>-<m,n'> になるようなφ:Z^g×Z^g→Lを決め、φをQ^g×Q^g→L○×Qに延長する このときn=m^2ならば、S_(m^2)の典型的な特別基底は次の形になる θ[α β](x)=[e]・θ(mx+φ(α,β)) 但し、α,βは(1/m)Z^gのmod Z^gの代表系を動くものとする したがって x→(…,θ[α β](x),…) が、C^g/Lの正規化された射影埋め込みである 要約 共に素朴な等質空間である複素多様体C^g/LとP^nをとり Ψ_nを仲人として結婚させると、できた子供は 非常に非対称的で複雑な関数θ[α β](n^g=m^2g個)になるのである Torelliの定理を示せば、曲線がそのJacobi多様体で決定することが分かる よって、複素トーラスのモジュライ(Siegel upper half-spaceをシンプレクティック群で割ったもの)から、非特異射影曲線が完全に分類される あ、g = 0のときは射影直線な >>233 そこはその次の 「トレリの定理とショットキー問題」 で出てくるので もうちょっと待ってくれ C^g/Lが曲線Cvのヤコビ多様体のとき、 C^g/L上の関数をCvに引き戻すと 何が得られるか見る 次の基本関数を考察する E_e(x,y)=θ(∫[x,y]ω→−e→) e→∈C^g ω→はR_1(Cv)の基底{ωi}を並べたもの yとe→を固定すると上記の関数はCv上の多価関数となり、 一周する経路に沿って解析接続したとき e^(∫[x,y]ω+定数) の倍数だけ変わる >>235 E_eを用いて、Cv上の有理関数fの以下のような一意分解性が示せる a_i=fの零点 b_i=fの極 とすると(あるω∈R1(Cv)により)以下が成り立つ f(x)=e^(∫* ω)(Π(i) E_e(x,ai))/(Π(i) E_e(x,bi)) 上記の分解式はP^1の有理関数の分解式 f(x)=C・(Π(i) (x-ai))/(Π(i) (x-bi)) の種数が高い場合の類似である >>236 このE_eを用いるとCv上の微分(形式)で種々の極をもつものを記述できる 例えば (∂/∂x) log(E_e(x,a)/E_b(x,b)) dx は、a,bのみで位数1の極をもち、留数がそれぞれ1,-1となる、Cv上の有理1形式であり、 ((∂^2/∂x∂y) log(E_e(x,y)))|(y=a) dx はx=aのみで位数が2の極をもち、他には極をもたない、Cv上の有理1形式である コンパクト複素多様体の場合、その上に異なる複素構造がどのくらい入るかは分かって、複素構造の同型類は H^1(X, TX) の元に1対1に対応する(TXはXのholomorphic tangent bundleの切断の層)。たとえば一次元なら、Riemann-RochとSerre双対性を使って、このベクトル空間の次元は簡単に計算できる。すなわち H^1(X, TX) 〜 H^0(X, ω⊗TX*) (ωは標準層、TX*はTXの双対) 〜 H^0(X, ω^⊗2) 〜 H^0(X, OX(2K)) (Kは標準因子) gをXの種数として deg(K) = 2g - 2 χ(D) = 1 - g + deg(D) なので、 dim(H^0(X, OX(2K))) = 1 - g + (4g - 4) + dim(H^1(X, OX(2K))) H^1(X, OX(2K)) 〜 H^0(X, OX(K - 2K)) deg(-K) < 0だから、これは0。 ∴ dim(H^1(X, TX)) = 3g - 3。 一番簡単なのは、代数幾何でいうアファイン多様体、複素幾何でいうStein多様体の場合 この場合はもちろんH^1 = 0だから、複素構造の同型類は1つしかない 射影空間も変形できない H^1(P^n, T) 〜 H^(n-1)(P^n, ω^⊗2) 〜 H^(n-1)(P^n, O(-2(n+1)H)) (Hは超平面) 〜 0 >>238 >コンパクト複素多様体の場合、 >その上に異なる複素構造がどのくらい入るかは分かって、 >複素構造の同型類は >H^1(X, TX) >の元に1対1に対応する >(TXはXのholomorphic tangent bundleの切断の層) H^1(X, TX)って線型空間ですよね?違う? >>241 つまり、コンパクト複素多様体の複素構造のモジュライ空間は線型空間になる、と言ってる? 聞いてる方が明らかに答え知ってるやん すなおに違うんですか?って聞けばいいのに >>243 あれ? 「複素構造の同型類はH^1(X, TX)の元に『1対1』に対応する」 んですよね? >>244 もし、>>238 の文章が 「複素構造の同型類の空間の次元はH^1(X, TX)の次元と等しい」 だったら、何も言わなかったんですけどね 可算集合は常にQとの間に1対1対応があるわけだが、それを以って任意の可算集合が体であると主張する人を俺は知らない そもそも複素構造の同型類からH^1(X, TX)への自然な1対1対応って作れるの? 小平"複素多様体論"の4章 小平"複素多様体と複素構造の変形1"(https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/publication/lecturenote.html ) やってることは局所座標の貼り合わせ写像にパラメータをつけて微分したら、チェインルールで出てきた係数がTXのČech 1-cocycleになるので、あとは同じコホモロジー類に属する条件を計算するだけ。 Sernisi "Deformations of Algebraic Schemes"の1章 こっちはそれのスキーム版。 >>238 の「複素構造の同型類はH^1(X, TX)の元に1対1に対応する」は 全く何の嘘偽りもなく実現できるの? 例えば 局所的にn次元のユークリッド空間と同相だからといって 大域的にもn次元のユークリッド空間と同相、とはいえないよね? >>254 あなたは確かめた上で 「複素構造の同型類はH^1(X, TX)の元に1対1に対応する」 つまり 「H^1(X, TX)は複素構造の同型類のモジュライ空間だ」 と言い切ってる? >>255 >ここでいう同型類って無限小変形のことでしょ? じゃ、はじめにそういわなきゃ 専門じゃないからよく知らんけどモジュライ空間とタイヒミュラー空間は一次ホモロジー群の生成元の選び方分だけ違いが出るんだっけ? >>238 > dim(H^1(X, TX)) = 3g - 3。 これ、g > 1のとき g = 0, 1ならdeg(-K) < 0じゃないから。実際、 h^1(X, TX) = 0 (g = 0) 1 (g = 1) 3g - 3 (g > 1) >>258 そもそもタイヒミュラー空間を写像類群(離散群)で割るんじゃなかったか? で確か写像類群の生成元がデーンツイストで生成されるとかなんとかかんとかという話に繋がるんだったような あの話はなんか予想でまだ解けてないとかなんとかいう話しもあったな 昔聞いた話すぎてよく覚えてない >写像類群の生成元がデーンツイストで生成される ああ、ねじってくっつけるってやつね 阿原と逆井の本は買ったよ やっぱ代数幾何よりトポロジーだな MumfordのTata lectures on thetaが最高に面白い Hartshorneに飽きた人は是非読むと良い 数学セミナー10月号と現代数学10月号は共に「楕円関数」がテーマだ。 三角関数を使った相互律の証明を 楕円関数を使って実行すると 何が証明できますか? >>265 ラマヌジャンのノートブックとどっちが面白い? やっぱり数論的な香りにあふれた方が良い気がするんですが 無機質な単なる幾何の話は、代数幾何スレにでも移住して貰えませんか? もっと楕円函数やモジュラーの底知れぬ美しさを存分に語ってほしいです こういう本の方向? >>270 >数論的な香り J.H.コンウェイ『素数が香り、形がきこえる-目でみる2次形式(THE SENSUAL FORM)』 Paul J. Nahin "In Pursuit of Zeta-3: The World's Most Mysterious Unsolved Math Problem" >>271 >楕円函数やモジュラーの底知れぬ美しさ D.マンフォード『インドラの真珠: クラインの夢みた世界(Indra's Pearls: The Vision of Felix Klein)』 >三角関数を使った相互律の証明を >楕円関数を使って実行すると >何が証明できますか? たとえば四次剰余の相互法則が 3次剰余の相互法則は どんな関数を使って証明できますか? BSD予想は楕円曲線上の予想、だとすれば平面を含んでいるので、この世界は直線は存在しないので偽である、というのは成り立ちませんかね? BSD予想って高次元のアーベル多様体に一般化できるの? p と q をアイゼンシュタイン整数環上の、3とも互いに素な素元とするとき、合同式 x3 ≡ p (mod q) が可解となる必要十分条件は x3 ≡ q (mod p) が可解となることである。 BSD 「楕円曲線E上の有理点と無限遠点Oのなす有限生成アーベル群の階数(ランク)が、EのL関数 L(E, s) のs=1における零点の位数と一致する。」 楕円曲線は平面上にない為アーベル群が作られない。よって偽である。 これで終わってないですかね? >>281 >>楕円曲線は平面上にない為アーベル群が作られない。 平面上にないものはすべてアーベル群ではないと信じていますか? https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想 つまりここの概要を見ると 有限個の基底で線型空間が貼られて全てその中の要素でアーベル群が作られる、的な話だと浅い解釈で喋ってましたがもう一度考えてみますね。 もしそのような解釈で合ってるのであればそもそも同一平面上にないからダメだと思うんですが。 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想 の概要 「 楕円曲線上の有理点(x 座標も y 座標も有理数になる点)は、加法 '+' を定義することができる。楕円曲線 E 上の2点 P = (x1, y1), Q = (x2, y2) に対し、直線 PQ と E との交点と x 軸に関して対称な位置にある点 (x3, y3)を P + Q で表される点と定義する。(詳細は楕円曲線の記事を参照)」 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ 楕円曲線 このページでその群の構造について語られていますが、幾何学的には交点だと書かれていますが、僕はその交点を恐らく持たない、何故なら同一平面上にないから という事を主張している。そうなればアーベル群の定義から外れて BSD予想のフォーミュレーション 「楕円曲線E上の有理点と無限遠点Oのなす有限生成アーベル群の階数(ランク)が、EのL関数 L(E, s) のs=1における零点の位数と一致する。」 の前提が崩れる為BSDは偽である というような論法だと思われます。 280はよくわかるが 281,284,286,287は 全然わからない >3次剰余の相互法則は >どんな関数を使って証明できますか? これもアイゼンシュタインによる楕円関数を使う 証明があったと思う。周期が1とωのものを使ったと思う。 楕円積分と楕円関数 おとぎの国の歩き方 ちょっとクセがあるから堅い本に慣れてる人には読みにくいかも知れないけど初心者的には分かりやすかった 大雑把に言えば 対称領域の商空間で 有理数係数の定義方程式を持つもの ベルグマン核とセゲー核の漸近展開の比較から テータ関数の公式が導かれるらしい 「そればすごい」なのか 「それはセゲーによる」なのか どっちだ L^2正則関数の空間が持つ情報を究めなければいけない 今話題の不変量は Diederich-Fornaess指数 セゲー・ガーボル(Szego" Ga'bor, 1895/01/20〜1985/08/07) は、 ユダヤ系ハンガリー人の数学者。 ハンガリーの Kunhegyes 出身。 渡米して、1938年から1966年までスタンフォード大学で教鞭を執った。 テプリッツ行列 (Toeplitz matrices)、直交多項式の理論に業績を残した。 数学者のジョン・フォン・ノイマンを教えている。 著作に「直交多項式」"Orthogonal polynomials" (1939) がある。 これは同分野の古典であり、多項式論の参考文献として広く用いられている。 アメリカ合衆国のカリフォルニア州パロアルトで死去した。 〔楕円曲線〕 双曲線、放物線は明らかに曲線だが、 「楕円」と言ったときは内部を含むかも知れない。 そこで、楕円の周のことを特に「楕円曲線」と呼ぶことにした。 (ウソ) ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
read.cgi ver 07.5.4 2024/05/19 Walang Kapalit ★ | Donguri System Team 5ちゃんねる