楕円曲線🍩、Abel多様体
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梅村の「楕円関数論」を読み終わったら Mumfordの”Tata lectures on Theta”読むつもり 新スレ 「Abel関数・Riemannテータ関数・Siegelモジュラー関数」(仮称) を立てるか、現スレ 「楕円関数・テータ関数・モジュラー関数」 を継続するかは、スレの進行状況から判断する (ま、単に新スレ名を書いてみたかっただけだがw) 楕円曲線、K3曲面、Calabi-Yau多様体 こちらへの一般化も >>33 >K3曲面、Calabi-Yau多様体 >こちらへの一般化… …は別スレ立ててくれる? 今日からシルヴァーマン&テイトの「楕円曲線論入門」を読む Mordellの定理 もし非特異な平面3次曲線の有理点があるならば、 有理点全体のなす群は有限生成である 3次曲線 y^2=x^3+ax^2+bx+c について、曲線上の点P1=(x1,y1),P2=(x2,y2)を通る直線から 3つ目の交点P1*P2=(x3,y3)を求める y=λx+ν ただし λ=(y2-y1)/(x2-x1) ν=y1-λx1=y2-λx2 直線の方程式を3次曲線の方程式に代入する (λx+ν)^2=x^3+ax^2+bx+c すべての項を右辺に移す 0=x^3+(a-λ^2)x^2+(b-2λνx)+(c-ν^2) 上記はxの3次方程式で、その3つの解x1,x2,x3は3交点のx座標を与える x^3+(a-λ^2)x^2+(b-2λνx)+(c-ν^2)=(x-x1)(x-x2)(x-x3) 両辺のx^2の項の係数比較から以下がわかる λ^2-a=x1+x2+x3 よって x3=λ^2-a-x1-x2, y3=λx3+ν P0+P0=2P0の求め方 2点を通る直線の代わりにP0での接線を用いる 接線の傾きλは以下の通り λ=dy/dx=f'(x)/2y f(x)=x^3+ax^2+bx+cのとき f'(x)=3x^2+2ax+b λ=(3x^2+2ax+b)/2y したがってP0=(x,y)のとき、2P0のx座標は λ^2-a-2x =((3x^2+2ax+b)^2-4ay^2-8xy^2)/y^2 =((9x^4+12ax^3+(6b+4a^2)x^2+4abx+b^2)-(4ax^3+4a^2x^2+4abx+4ac)-(8x^4+8ax^3+8bx^2+8cx))/(x^3+ax^2+bx+c) =(x^4-2bx^2-8cx+b^2-4ac)/(x^3+ax^2+bx+c) 上記を2倍公式という >>37 WeierstrassのP関数の関係式 P'(u)^2=4P(u)^3-g2P(u)-g3 したがって楕円曲線の点の加法から P関数の加法公式が言える P(u1+u2)=λ^2/4-P(u1)-P(u2) λ=(P'(u1)-P'(u2))/(P(u1)-P(u2)) 加群のある元Pが mP=O (Oは加群の単位元) であり、かつ任意の1<=m’<mに対して m’P≠O であるとき、点Pの位数はmである、という 上記のmが存在するとき、Pは有限位数である、という Cを以下の非特異3次曲線とする y^2=x^3+ax^2+bx+c a) C上のある点P=(x,y)≠Oが位数2を持つための必要十分条件はy=0である b) Cは2を割り切る位数を持つ点をちょうど4点持つ(注:無限遠点Oを含む) これらの4点は群を成し、その群は位数2の2つの巡回群の直積である Nagell-Lutzの定理 y^2=x^3+ax^2+bx+c を整数係数a,b,cをもつ非特異3次曲線とせよ。 そしてDを上式の右辺の3次多項式の判別式とせよ D=-4a^3c+a^2b^2+18abc-4b^3-27c^2 P=(x,y)を有限位数の有理点とせよ。 そのときxとyは整数であり、 さらにy=0か、またはyがDを割り切るかである なんか梅村でもシルヴァーマン&テイトでも 楕円曲線こと複素トーラスの等分点について語るから なんかあるんだろうなと思ったけど・・・ そうか、そういうことか・・・早くいえよw 虚数乗法論と保型函数 https://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1610789759/ 4:Abel多様体の等分点って、今でいうところのエタールコホモロジーだからな 6:Abel多様体に対し、その等分点の集合は1次エタールコホモロジーと解釈できる そもそも有限生成Abel群は、巡回群の直和なのだから有限位数の点を調べるのは当然 >>44 なんかわかってなさそう 有限生成群=有限群、ではないよ 例えばZは有限生成(1つの元から生成される)だけど有限群ではないよ >>45 無限巡回群も巡回群だよ アーベル群のtorsionを調べるのは普通の話だろ >>45 なんかごまかしてるね 無限巡回群の要素は有限位数の点ではないよ 「有限生成Abel群だから有限位数の点を調べるのは当然」っておかしいよね こう書けば問題なかった そもそも有限生成Abel群には、有限巡回群も含まれるから有限位数の点を調べるのは当然 いわずもがなだけどな >>48 >>46 と同じことを言ってるように思う torsionという言葉を知らないなら、ちゃんと調べた方が良い >>49 torsionという言葉は知っている 安心して成仏しろw https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8D%A9%E3%82%8C_ (%E4%BB%A3%E6%95%B0%E5%AD%A6) >>44 の 「そもそも有限生成Abel群は、巡回群の直和なのだから 有限位数の点を調べるのは当然」が 「そもそも有限生成Abel群は、”有限”巡回群の直和であって 有限巡回群の要素となる点は有限位数なのだから 有限位数の点を調べるのは当然」と読めるから わかってなさそうといった 有限生成アーベル群は巡回群の直和(有限生成アーベル群の基本定理)だけど、 無限巡回群の単位元以外のすべての元は無限位数だから、有限位数の点だけじゃなく無限位数の点も調べる気がするんだが 無限の頭の悪さを感じる そりゃ調べるべきことはいくらでもあるわ ID:FgvgJsLX←こういう人の書いてないことを勝手に読み取るアホってどう対処すればいいの ID:wIbRfhaS ID:w6BJjOUz 誤解されるようなこといって つっこまれるとわけのわからんイイワケする 白痴って屠●して食ったほうがいいよな? Aという正論を言っている人に対して、「お前はBと言っているが、Aが正しい。従って、お前は間違っていて俺が正しい」という難癖をつけるのはレスバの定石みたいなもん AといってるつもりでBといった馬鹿に対して 「B?馬鹿じゃね?お前のいいたいのはAだろ 文章一つ正しく書けねえのかよ」 というのはツッコミの常套 100%つっこまれる奴が🐎🦌wwwwwww >>52 なるほど 調べるべきことはいくらでもある よって「有限位数の点を調べるのは当然」とは言えない、ということだな? 微分可能関数の微分が0になる点を調べるのは当然 他に調べるべきことがいくらでもあろうと >>58 巡回群の直和なのだから有限位数の点を調べるのは当然、という推論が彼の主張で、 無限巡回群は?と突っ込まれてるのが現状 推論そのものが議論の対象であって、推論の結論を補強するそのたとえ話は関係ないよ 有限生成アーベル群の基本定理におけるfree部分とtorsion部分を論点にしている人がいるようだけど、 そもそも、代数体上とは限らない楕円曲線の有理点は、一般的には(Z上の)有限生成アーベル群ではないよね? 複素トーラスの話からの流れでそれを言うのは馬鹿だと思う ID:FgvgJsLX ID:2A7b89TR つまりこいつらは馬鹿だと >>60 詳しくなくてすまんけど、 複素トーラス、つまりC(複素数体)上の任意のアーベル多様体AのC-有理点A(C)は有限生成アーベル群でないことって言えるの? τをIm(τ) > 0をみたす複素数 複素トーラスC/(Z⊕Zτ)は、有限生成アーベル群か >>64 モーデルの定理 有理数体 Q 上の楕円曲線 E の有理点と無限遠点 O のなすアーベル群 E(Q) が有限生成になる >>60 の発言は、体KがQどころか代数体でなければ、 K上の楕円曲線Eの有理点の全体は 有限生成アーベル群でないんじゃないか? という問い 答え?知らんよ >>64 当たり前ですがな “C有理点”は複素一次元の位相群なんだからもちろん非可算集合 学部3年レベルの群論の知識もないのに、数学スレで連投して、恥ずかしいという自覚が無いのだろうか >>67 >“C有理点”は…もちろん非可算集合 ID:fysO/+R6…やべぇ(汗 >>68 具体的に群論のいかなる知識が必要だといいたいんだろ? ところで、任意の自然数nに対する有限巡回群Z/nZすべての直和って有限生成? 違うよな? https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E7%90%86%E7%82%B9 >K を任意の体とするとき、 >K-有理点は点の各々の座標値が >体 K に属するような点と定義される。 ああ、そういうこと? でもさあ>>60 のいう「有理点」ってそういうことなの? 普通は下記の意味だよな? >数論において有理点(ゆうりてん、英: rational point)とは、 >各座標の値が全て有理数であるような空間の点のことである。 Wikipedia以外の参考文献が無いなら、インターネットを解約して浮いた金で数学書を買ったらどうかな 有理点をK-有理点にすり替えて説明もしないのが詐欺だよなw >>73 >数学書を買ったらどうかな 読まなきゃ意味ないよなw >>73 はトンチンカンなんだな 「Wikipedia以外の参考文献を読んだことがないなら 数学板にアクセスするのを辞めて 空いた時間で数学書を読んだほうがいいな」 これが正解 ま、しかし、そんな精神力があったら数学板に来ないw 察しろよw >>67 なるほど、巡回群が可算であることを使うのか >>78 そうそう、その事からも言える 台数的閉体係数のアーベル多様体の有理点のなす群は"divisible"なので有限生成になり得ない kを体(ch(k)≠2) Eをk上の楕円曲線、P∈Eを閉点とする 次数付き環Rを R := ⊕[n≧0] H^0(E, O_E(nP)) で定める。このときRは、次数付き環として、 k[t, x, y]/(y^2 - x(x - t^2)(x - λt^2)) deg(t) = 1 deg(x) = 2 deg(y) = 3 と同型。 >>80 なんか美味しそう じゅるるw このあたりのことが学べる標準的テキスト 紹介して divisible… 可除群 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%AF%E9%99%A4%E7%BE%A4 可除群 (divisible group) はアーベル群であって 全ての元がある意味で正の整数によって割ることのできるもの、 より正確には、すべての元が各正整数 n に対して n 倍元であるものである。 有理数全体Qは加法のもと可除群をなす。 非自明な可除群は有限生成でない。 >>80 Eはy^2 = x(x - 1)(x - λ)で定義され、Pは無限遠点としてよい。 KをEの標準因子とすると、deg(K) = 0 よって、n ≧ 1ならdeg(K - nP) < 0なので、dimH^0(E, O_E(K - nP)) = 0 Riemann-Rochの定理より dimH^0(E, O_E(nP)) = 1 - 1 + deg(nP) = n k代数の準同型f: k[t, x, y] → Rを t → 1 x → x y → y で定めればよい。 > Eはy^2 = x(x - 1)(x - λ)で定義され、Pは無限遠点としてよい。 ch(k)≠2はここで使ってる 標数2だと、この方程式では右辺が重根を持つから楕円曲線にならない あとは頑張って計算 複素関数論の復習 正則関数 定理1.1 f(z)=u(x,y)+iv(x,y)が領域Dで正則であるための必要十分条件は u(x,y),v(x,y)が以下のコーシー・リーマンの関係式を満たすことである。 ∂u/∂x=∂v/∂y, ∂u/∂y=-∂v/∂x 定理1.2 Dを単純閉曲線Cで囲まれた領域とし、 P(x,y),Q(x,y)をD∪C上の連続な偏導関数を持つ実関数とする。 このとき ∫C (Pdx+Qdy)=∫D(-∂P/∂y+∂Q/∂x)dxdy 定理1.3 (コーシーの積分定理) f(z)は単連結領域Dで正則であるとする。 このとき、D内の任意の閉曲線Cに対して、次の等式が成り立つ。 ∫C f(z)dz=0 定理1.4 (コーシーの積分表示) Dを単純閉曲線Cで囲まれた領域とし、 f(z)は、D~=D∪Cで正則であるとする。 このとき、任意の点z0∈Dに対して、 次の関係式が成り立つ。 f(z0)=(1/2πi)∫C (f(z)/(z-z0))dz 定理1.5 単純閉曲線Cで囲まれた領域をDとし、 f(z)はD~=D∪Cで正則であるとする。 このとき、z∈Dに対して次が成り立つ。 f'(z)=(1/2πi)∫C (f(ζ)/(ζ-z)^2)dζ 定理1.6 (リュービルの定理) 有界な整関数は定数関数である。 テーラー展開 定理1.7 D={z∈C| |z-a|<R }とする。 Dで正則な関数f(z)は、 Dにおいて、aを中心とする整級数に一意的に展開される。 すなわち、 f(z)=b0+b1(z-a)+b2(z-a)^2+… bn=(1/2πi)∫C (f(z)/(z-a)^(n+1))dz=f[n](a)/n! ただしC={z∈C| |z-a|<r,0<r<R} 定理1.8(一致の定理) f(z)は領域Dで正則であるとする。 Dの点aに収束する無限点列{zn}⊂Dが存在して f(zn)=0 (n∈N) が成り立つとき、Dにおいて f(z)=0 定理1.9 (最大絶対値の原理) f(z)が領域Dで正則であるとき、 |f(z)|が内点a(∈D)において最大値をとれば、 f(z)は定数である。 有理形関数 定理1.10 f(z)が円環領域D={z∈C| 0≦R1<|z-a|<R2}で正則ならば、 f(z)は、Dにおいてaを中心とするローラン級数 f(z)=Σ(n=-∞~∞) bn(z-a)^n に展開される。 ここで bn=(1/2πi)∫C (f(ζ)/(ζ-a)^(n+1))dζ (CはD内の正の向きを持つ単純閉曲線) aがf(z)の孤立特異点のとき、特異点を次のように分類する。 1)除き得る特異点: ローラン展開の負ベキ部分がない 2)極: ローラン展開の負ベキ部分の項が有限個 3)真性特異点: ローラン展開の負ベキ部分の項が無限個 f(z)が領域Dで真性特異点を持たないとき、 f(z)を有理形関数という。 定理1.11 Dを単純閉曲線Cで囲まれる領域とする。 f(z)はDにおいて有理形で、Cにおいて正則でかつ零点がないとする。 このとき bn=(1/2πi)∫C (f’(z)/f(z))dz=N0-N∞ ここで、N0はD内の零点の個数、N∞は極の個数。 これで関数論の復習は終わり 多様体の定義 多様体 定義1 n次元位相多様体とは、ハウスドルフ空間Mであって、 すべての点P∈Mが、R^nの開球と同相な開近傍をもつものをいう。 Mをn次元位相多様体とする。 Mの座標近傍{Uα,zα}は、 Mの開被覆{Uα}(M⊂∪Uα)と、 部分集合Uα⊂Mから開球Vα⊂R^nへの同相写像(座標写像)zα zα:Uα→Vα とで成り立っている。 空でない共通部分Uα∩UβにR^nの中への 2つの異なった同相写像が定義されている この2つの写像の合成 fαβ=zα・zβ^(-1):zβ(Uα∩Uβ)→zα(Uα∩Uβ) を座標変換関数という >>90 以下、多様体は原則として2次元のものを扱う 多様体Mの座標近傍は、そのすべての座標変換関数が正則関数、 すなわち複素解析的関数であるとき、複素解析的座標被覆と呼ばれる。 2つの複素解析的座標被覆は それらの合併もまた、複素解析的座標被覆であるとき、 同値であるという。 Mの複素解析的座標被覆の同値類をM上の複素解析的構造 または単に複素構造という。 ある固定した複素構造をもつ2次元多様体を (複素)1次元の複素多様体という。 また、伝統的用語としてリーマン面と呼ぶ。 多様体上の正則関数と正則写像 Mをリーマン面とする 開部分集合U⊂Mから複素数平面Cの中への写像fが 以下の条件を満たすとき、Uにおける正則関数という 「fは各共通部分U∩Uα≠φに対して、 f・zα^(-1):zα(U∩Uα)→C がzα(U∩Uα)⊂C内で正則関数である。」 定理2.1 リーマン面Mの関数が正則であるという性質は、 複素構造に属する複素解析的座標被覆の選択によらない。 >>92 U⊂M内のすべての正則関数の集合をU内の正則関数の環といい、 これをO_Uと表す。 この集合は、点ごとに関数の加法と乗法について明らかに環となる。 そしてO_Uは部分環として定数値関数を含んでいる。 定理2.2 Mがコンパクトで連結なリーマン面ならば、O_M=Cである。 >>93 MとM'を2つのリーマン面とする。 このとき写像 f:M→M' は、任意の点P∈Mと、P∈Uα,f(P)∈U'βである適当な座標近傍Uα⊂M,U’β⊂M’に対して、 関数z’β・f・zα^(-1)が点zα(P) のある開近傍において正則関数であるとき、 正則写像であるという。 定理2.3 写像の正則性は2つの複素構造に属する複素解析的座標被覆の選択によらない。 >>94 2つのリーマン面の間の同相写像f:M→M'は fとf^(-1)がともに正則写像であるとき、 正則同型写像という。 またMとM'はそれらの間に正則同型写像が存在するとき、 同型であるという。 球面とトーラス 球面 一次元射影空間Pを C^2-{{0,0)}/C* として定義する。 2つの集合 U0={(ζ0,ζ1)∈C^2|ζ0≠0} U1={(ζ0,ζ1)∈C^2|ζ1≠0} は複素射影空間Pを被覆し 各々は、それぞれ写像 z0=ζ1/ζ0,z1=ζ0/ζ1 によって、Cの上へ1対1に写像される。 よって、{U0,z0},{U1,z1}はPの座標被覆を形成し 1次元の複素射影空間をリーマン面Pと表せる。 >>96 トーラス 複素数平面Cに実数に関して線型独立な任意の2つの複素数ω1,ω2をとる、 このときωk≠0(k=1,2)かつ、¬(ω1/ω2∈R)である。 このω1,ω2はCの部分群Λ⊂Cを作る Λ={aω1+bω2|a,b∈Z} 商群C/Λは位相空間であり、種数1の面(トーラス)である。 >>97 P.S. 球面の複素構造は1つであるが トーラスの複素構造は1つではない これで多様体の定義は終わり 層とコホモロジー 準層と層 ハウスドルフ空間Mの開集合族をU_とする 任意の開集合族U∈U_に対して、アーベル群 S(U) が決まり、U⊂U'なる二つの開集合U,U'に対して γ~U3_U1=γ~U2_ U1・γ~U3_U2 (U1⊂U2⊂U3,U1,U2,U3∈U_) を満たすような準同型写像 γ~U’_U:S(U')→S(U) が存在するならば、集合 {S(U)|U∈U_} をM上の準層という >>99 点P∈Mに対して、Pを含む開集合の族をU_Pとし、 ΣP=∪U∈U_p S(U) とおく。 s1,s2∈ΣP(s1∈S(U1),s2∈S(U2))に対して、 γ~U1_U(s1)=γ~U2_U(s2) を満たすU⊂U1∩U2,U∈U_Pが存在するとき、 s1~s2 と書く。 ~はΣPの中の同値関係である ΣPを~によって類別した集合をS_Pとし、 s∈S(U)⊂ΣPを含む同値類[s]をPでのSの芽という そして、sに[s]を対応させる写像を γ~U_P で表す。 さらに、 S_=∪P∈M S_P とおき、S_からMへの写像 π:S_→M をπ([s])=P ([s]∈S_P)で定める。 任意のt∈S_P⊂S_に対して、 t∈γ~U_P(s)となるs∈S(U)をとり、 V(t)=∪q∈U γ~U_q(s) とおく。このような形の集合はt∈S_の近傍系を為す この近傍系によってS_は位相空間になるが、 一般にはS_はハウスドルフ空間とならない。 S_のこの位相に関して、写像 π:S_→M は局所同相写像である。 さらにS_Pは明らかにアーベル層であるが、群演算も連続である。 上記のようにして定義された(S_, π,M)を 準層{S(U)|U∈U_}から導かれた層という。 >>100 定義3.1 次の定義を満たす(S_,π,M)をアーベル群の層という。 1)S_,Mは位相空間 (Mを底空間という) 2)π:S_→Mは局所同相写像 (写像πを射影という) 3)S_P:π^(-1)(P)はアーベル群で、その群写像は連続である (S_Pを層のP∈Mにおける茎という。 各茎ごとに全く異なった群であってもよい。) 例3.1 Mをリーマン面とし、O(U)を開集合U⊂M上の正則関数の集合とする。 このときU'⊂Uに対して γ~U_U(f)=f|U’ (fのU'への制限) と定義すると、{O(U)|U⊂U_}は準層になる。 この準層から導かれる層をO_で表し、正則関数の芽の層といい O_の元を正則関数の芽という。 定理3.1 茎O_P(P∈M)は、収束べき級数環C{z}と同型である。 >>101 例3.2 Gを任意の集合が開集合となっている離散位相を持ったアーベル群、 S_を開集合×開集合を開集合とする積位相を持った空間G×Mとし、 そしてπ:G×M→Mを自然射影写像とする。 このとき、M上のS_=G×Mは定数層と呼ばれる。 (S_,π,M)を層とするとき π・f=i (恒等写像) を満たすようなMからS_への連続写像fを切断という。 {U}をMの近傍基、fを切断としたとき、 f(U)なる形の集合はS_の近傍基を成す。 U∈U_上のS_の切断の集合をΓ(U,S_)で表す。 f,g∈Γ(U,S_)に対して、 (f+g)(s)=f(x)+g(x) (x∈U) と定義することにより、Γ(U,S_)はアーベル群となる。 さらに、U'⊂Uのとき、準同型写像 γ〜U_U':Γ(U,S_)→Γ(U',S_) を γ〜U_U'(f)=f|U' (fのU'への制限) と定義すると{Γ(U,S_)}は準層となる。 >>103 定理3.2 (S_,π,M)が準層{S(U)}から導かれた層とする。 以下の(a),(b)が成立するならば、任意の開集合Uに対して S(U)≣Γ(U,S) (a)U=∪α U_ α(U_α∈U),s,s’∈S(U),γ~U_Uα(s)=γ~U_Uα(s’)ならば s=s’ (b)U=∪α U_ α(U_α∈U),s_α∈S(U_α)とする。 U_β⊂U_α1∩U_α2なるとき、 γ~U_α1_U_β(s_α1)=γ~U_α2_U_β(s_α2)ならば、 s∈S(U)が存在して、γ~U_U_α(s)=s_α 定理3.2の条件(a),(b)を満たす準層を完全準層という。 リーマン面上で正則関数より作られる準層{O(U)}は, 一致の定理があるから、明らかに完全準層である。 よって、O_の切断の集合Γ(U,O_)の元は 開集合Uの正則関数と考えてよい。 MumfordのAbelian Varietiesをいただいた 1章のAnalytic Theoryが良いね コンパクト複素Lie群って条件だけでいろいろ言えちゃう まあ、このレベルなら他にもっと分かりやすい本はあると思うけど Tata lectures on theta 1と合わせて読むと良さそう >>104 例3.3 f,g∈Γ(U,S_)について、ある点P∈Uに対して f(P)=g(P) (S_Pの元として等しい) であるならば、P∈U'⊂Uとなるある開集合U'に対して U'の全ての点Qに対して、 f(Q)=g(Q) (S_Qの元として等しい) となる >>105 お邪魔いたしております ただいま楕円関数以前の基礎を勉強中です 悪しからず 層の準同型写像 (S_,σ,M),(T_,τ,M)を2つのアーベル群の層とする τ・φ=σ を満たす連続写像φ:S_→T_を層写像という。 φ(S_P)⊂T_Pであり、 σ,τが局所同相写像であることから、 φも局所同相写像である。 層写像φ:S_→T_が各茎上で準同型写像、すなわち、 φ|S_P:S_P→T_Pが準同型写像であるとき、 φを層準同型写像という φが層準同型写像ならば φ*:Γ(U,S_)→Γ(U,T_) は準同型写像である。 φ,φ^(-1)がともに層準同型写像であるとき、 φを層同型写像という S_とT_の間に層同型が存在するとき, S_≣T_ と書く。 >>109 層準同型写像φ:S_→T_の核KerφはS_の部分層である。 またφの像ImφはT_の部分層である。 Imφ≣S_/Kerφ が成立する 層準同型写像 φ_n:S_n_→S_n+1_ (n∈Z) に対して Kerφ_n=Imφ_n-1 が任意のnに対して成立するとき、列 …→S_n-1→S_n→S_n+1→… は完全であるという。 特に、0層(茎が0だけからなる層)を含む列 0→R_ー(φ)→S_ー(ψ)→T_→0 はKerψ=Imφかつ、φは単射、ψは全射であるとき、完全である。 逆にR_がS_の部分層ならば、ι:R_→S_を包含写像としたとき、 自然な写像p:S_→S_/R_ は層準同型であり、 0→R_ー(ι)→S_ー(p)→S_/R_→0 は短完全列である。 >>110 例3.5 リーマン面Mで整数値のみをとる正則関数の層をZで表す。 Zは明らかに正則関数の芽の層O_の部分層である。 一方、f_P∈O_Pにexp(2πif_P)∈O*_Pを対応させる写像を e:O_→O*_で表すと、これは層準同型写像で全射である。 このとき 0→Zー(ι)→O_−(e)→O*_→0 は層の短完全列である。 >>110 > またφの像ImφはT_の部分層である。 なぜ? せやね ココは層と前層の一番重要な差だからいい加減に理解してはいけない >>112-113 では指導お願いします(丸投げ) >>114 ココは難しい まず層や前層のなす圏を理解してその射が全射、単射、完全というのはどういう意味か理解しないと完全には理解できない しかしそれをやりだすとそれだけで半年くらいかかる 本気でそこからやるつもりならイヴァンセンの“層とコホモロジー”とかから始めるしかない とりあえず楕円曲線論までの速習で誤魔化すつもりなら S→T→Uが完全:⇔任意の点xでSx→Tx→Uxが完全 を定義だと思ってしまう作戦もあるかもしれない 後々困るかもしれんけど >>115 ここでは、まずRiemann-Rochの定理に至る 諸概念及び主要定理を列挙する「ロードマップ」 を作成します 証明についてはここには掲載いたしません 圏についてはここでは出てきません うすうす気づいてると思いますが 種本がそんな立派なものではないからです イヴァセンの“層とコホモロジー”は 余裕があれば見てみたいと思いますが 私の書き込みはそんな高尚なものではないので T大の大学院生レベルのことを求められても困ります >>116 >証明についてはここには掲載いたしません 「第一段階では…掲載いたしません」と改めておきます 正直いうと、層以上にコホモロジーが分かってないので そこを押さえないとしょうがないのです ということで午後はコホモロジーについて一通り書きます つっこむなら15時以降にしてもらえますか? コホモロジー群 U_={U_α}をハウスドルフ空間Mの開被覆とする。 U_の中のq+1個の元U_0,U_1,…,U_qが U_0∩U_1∩…∩U_q≠φ を満たすとき、 σ={U_0,U_1,…,U_q} をq-単体といい、 |σ|=U_0∩U_1∩…∩U_q をσの台という。 S_をM上のアーベル群の層とすると、 q-単体σに切断 f(σ)∈Γ(|σ|,S_) を対応させる写像をq-鎖といい、 全てのq-鎖の集合を C~q(U_,S_) で表す。 f,g∈C~q(U_,S_)に対して (f+g)(σ)=f(σ)+g(σ) と定義すると、f+g∈C~q(U_,S_) このとき、C~q(U_,S_)はアーベル群となる。 さらにf∈C~q(U_,S_)と(q+1)-単体σσ={U_0,U_1,…,U_q+1}に対して (δf)(U_0,U_1,…,U_q+1) =Σ(i=0〜q+1) (-1)^i*f(U_0,U_1,…,U_i^,…,U_q+1)||σ| と定義することにより準同型写像 δ:C~q(U_,S_)→C~q+1(U_,S_) が得られる。 (U_i^は、U_iを除くことを意味する。 また、f||σ|はU_0∩U_1∩…∩U_i^∩…∩U_q+1からS_への写像fの U_0∩U_1∩…∩U_q+1への制限である。) δは双対境界輪体作用素と呼ばれる。 定理3.3 δ・δ=0 >>118 δ:C~q(U_,S_)→C~q+1(U_,S_) の核Kerδをq-輪体群と呼び Z~q(U_,S_)であらわす。 定理3.3より δ:C~q-1(U_,S_)→C~q(U_,S_) の像δC~q-1(U_,S_)は Z~q(U_,S_)の部分群である。 このとき,商群 H~q(U_,S_) =Z~q(U_,S_)/δC~q-1(U_,S_) (q≧1) =Z~0(U_,S_) (q=0) を層係数S_をもつU_のq次のコホモロジー群と呼ぶ 定理3.4 H~0(U_,S_)≣Γ(M,S_) >>119 完全コホモロジー列について考える。 空間M上で、次のような形の層の完全列を考える。 0→R_−(φ)→S_−(ψ)→T_→0 このとき、任意の開部分集合U⊂Mに対して、 φ,ψは対応する切断の群の間の準同型写像 φ*,ψ*を誘導する。 この結果として、次のような群の完全列ができる。 0→Γ(U,R_)−(φ*)→Γ(U,S_)−(ψ*)→Γ(U,T_) しかし一般にはψ*はΓ(U,T_)への全射とはなっていない。 例3.6 MをC内の円環領域{z|1<|z|<2}とし、M上の完全列 0→Zー(ι)→O_−(e)→O*_→0 (e:g(z)→exp(2πig(z))) を考える。 このとき,z∈Γ(M,O*)は、あるf(z)∈Γ(M,O)によって z=exp(2πif(z)) と書くことはできない。 なぜなら f(z)=(1/2πi)log(z)と書き直せるが log(z)は、多価関数で、 1価正則関数の集合Oの元ではないからである。 >>120 定理3.7 Mをパラコンパクトなハウスドルフ空間とし、 0→R_−(φ)→S_−(ψ)→T_→0 をM上の可換群の層の完全列とする。 このとき次のような形のコホモロジー群の長い完全列が存在する。 0→H~0(M,R_)−(φ*)→H~0(M,S_)−(ψ*)→H~0(M,T_) −(δ*)→H~1(M,R_)−(φ*)→H~1(M,S_)−(ψ*)→H~1(M,T_) −(δ*)→H~2(M,R_)−(φ*)→H~2(M,S_)−(ψ*)→H~2(M,T_) −(δ*)→H~3(M,R_)−(φ*)→… φ:F→GをX上の層の射とする。ImφはGの部分層である。 証明)部分層の定義から、示したいことは以下の2つである。 1.任意のXの開部分集合Uに対して、Im(φ_U)⊆Imφ(U)。 2.任意のx∈Xに対して、(Imφ)_x = Im(φ_x)。 1については、Im^pφ(U):=Im(φ_U)であってImはIm^pの層化なので成り立つ。 2を示す。 a.(Imφ)_x⊃Im(φ_x) t_x∈Im(φ_x)と置き、φ_x:F_x→G_xを用いてφ_x(s_x)=t_xとなるs_x∈F_xを選ぶ。 φ_xの定義から、ある開集合Vが存在してφ_V(s)=tであって、t∈Imφ(V)なので、t_x∈(Imφ)_x。 よってaが成り立つ。 b.(Imφ)_x⊂Im(φ_x) t_x∈(Imφ)_xを取り、xを含むある開集合Uに対してt∈G(U)を取ると、tのあるxの開近傍Vへの制限はIm(φ_V)の中にあり、t_x∈Im(φ_x)である。 定義の説明をかなり省いていますが、こうですか? (S_,π,M)を層とする。 S_の開部分集合R_が R_P=R∩S_P (P∈M):S_Pの部分群 を満たすとき (R_,π|R_,M)は層であるが これを(S_,π,M)の部分層という。 このとき T_P=S_P/R_P を自然な商群とし T=∪P∈M T_P とおき、T→Mをπ(T_P)=Pで定義する。 さらにφ:S_→T_を自然な写像、 すなわち、s∈S_Pにsを含む剰余類∈S_P/R_Pを 対応させる写像とする。 写像φは射影πと可換であるが、 この写像φが連続となるような 最弱な位相(商位相)をT_にいれる。 U⊂T_:開集合⇔φ^(-1):Sの開集合 このとき(T_,π,M)は層となるが、 これをS_のR_による商層といい、 (S/R,π,M)で表す。 例3.4 (O_,π,M)をリーマン面M上の正則関数の芽の層とし、 E={P1,…,Pn} をM上の有限個の点の集合とする。 開集合U⊂Mに対して R(U)={f∈Γ(U,O)|Pi∈U⇒f(Pi)=0,i=1,…,n} とおく。 R(U)はΓ(U,O_)の部分群であり、 {R(U)}は自然な制限写像を考えるとM上の準層である。 この準層から導かれる層をR_とすると、 R_はO_の部分層である。 O_Pが収束ベキ級数環と同型であることから、 商層T_=O_/R_の茎は T_P =C (P∈E) =0 (¬(P∈E)) >>116 層の理解がちゃんとしてないと後で全部わからなくなるよ >>127 あなたのちゃんとした層の理解をお示しください 全部わかりきったんでしょ? どうぞ!!! 間違いはつっこんでくださいね 間違いから学ぶのが一番確実ですから 前層Aが層であるとは、U=∪U_αであるときA(U)→ΠA(U_α)⇉A(U_β∩U_γ)という完全列を満足するということである。 双対アーベル多様体って、Wikipediaの定義を見ても具体例がさっぱり分からんのだけど ピカール群(の単位元の連結成分)とは違うの? ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
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