生物学的側面から見た糞

糞便の内容物は、水分、新陳代謝によってはがれた腸内細胞、
大腸菌などの腸内細菌、胆汁などの体内分泌液、
摂取した食物のうち消化しきれなかったもの(食物繊維など)、
または体内に蓄積していた毒素などである。
未消化物の組成は摂取した食物により左右される。

人間の場合、便を構成する成分のうち、食べ物の残滓はおよそ5%に過ぎない。
大半は水分(60%)が占め、次に多いのが腸壁細胞の死骸(15%〜20%)である。
また、細菌類の死骸(10%〜15%)も食べ物の残滓より多く含まれる。

糞の量・形・色・臭い等は動物種、また個体によって様々であり、
体調によっても大きく変化する。
人間の場合、1日に平均して100〜250gほどを排出するが、
体調の関係で、大量に出たり、何日も出ないこともある。
水分が多い場合は液状になることもあり、その場合は下痢といわれる。
長期間出ない状態は便秘(宿便)と呼ばれ、中毒症状を起こすこともあり、
極めて稀ではあるが、便秘による死亡例もある。
下痢や便秘、血便等の便の異常は、
特に長期間続く場合、病気の兆候として注意される。