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> 手術ガイドラインとしての「半摘」と「全摘」選択の基準となる腫瘍径と転移程度

がん診療ガイドライン│甲状腺腫瘍│診療ガイドライン
CQ 17 甲状腺乳頭癌に対する甲状腺(準)全摘術は甲状腺葉(峡)切除術に比べて予後を向上させるか?
http://jsco-cpg.jp/guideline/20_2.html#cq17
より

@ハイリスク
5cmを越える大きな乳頭癌,3cm以上のリンパ節転移,内頚静脈・頚動脈・主要な神経(反回神経など)・
椎前筋膜へ浸潤するリンパ節転移,累々と腫れているリンパ節転移,気管および食道粘膜面を越えるEx,
遠隔転移の存在のある乳頭癌である。これらの所見が一つでも認められれば全摘術を推奨する。

Aローリスク
T1(2cm 以下)N0 M0 の明らかに低リスクと評価されるものは葉切除術でよいというコンセンサスも得られた。

Bグレーゾーン
これらのどちらにも当てはまらない症例はグレーゾーンとして残るが,グレーゾーンの中でも委員会のコンセンサスとして
全摘術を勧めるものとしてT3(4cm 以上の乳頭癌),明らかなN1(N1a・N1b を問わず)が提案された。
グレーゾーンに相当する症例において全摘術を行うかどうかの判断は,反回神経麻痺・副甲状腺機能低下症
の発生頻度と,リスク分類を用いた再発予後・生命予後の予測とのバランスをもとに,個々の症例において
手術を実施する施設で最終決定することが求められる。
すなわち,反回神経麻痺・副甲状腺機能低下症といった合併症の発生を少しでも低く抑える点に重点を置いて
葉切除術を選択する場合,全摘術による反回神経麻痺・副甲状腺機能低下症のリスクが低い実績があり
再発を少しでも低く抑える可能性に重点を置いて全摘術を選択する場合,どちらも適切な選択と考えられる。


Bのグレーゾーンの治療方針についてはこちらも参考になるかと↓

第26回日本内分泌外科学会総会 シンポジウム3
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaesjsts/31/Supplement1/31_S47/_pdf
SY31〜3(5p〜)の部分