受託収賄容疑で逮捕された文部科学省科学技術・学術政策局長の
佐野太容疑者(58)は「科学技術畑のエース」と言われ、
事務次官に就く可能性もあると評されていた。
輝かしいキャリアを歩んだ現職幹部の逮捕に、同省内には4日、
衝撃が広がった。

テレビで逮捕を知ったという幹部は
「意外も意外。まだ信じられない」と驚いた様子。
佐野容疑者については「真面目で、物事に動じずに淡々と仕事をする人」と語った。
別の幹部も「輝かしいキャリア。文部科学審議官になっていたら事務次官の
可能性もあった」と述べ、佐野容疑者の能力を高く評価した。
同容疑者は2008年4月から山梨大副学長も務め、地元では15年1月に行われた
山梨県知事選で一時、候補者に擁立する動きもあったという。

同省関係者によると、同容疑者は4日朝に「きょうは休暇を取る」と秘書に連絡。
前日までは通常通りに勤務しており、「東京地検からの問い合わせを含め全く
前触れはなかった」と振り返った。

私立大学の支援事業への便宜を図る見返りに、自らの子どもを大学に合格させて
もらったとされる同容疑者に対し、「親ばかだったのか」(幹部)とあきれた様子。
元幹部の1人も「本当だとすれば『何やってるんだ』」と憤りをあらわにした。