桐生市福祉課によると、警察官OB採用は2012年度に開始し、各年度で最多4人が勤務。16年度からうち1人は就労支援相談員で、市職員OBの相談員が退職したため、住民相談業務の経験に期待して群馬県警に退職者の紹介を依頼した。人口約10万人の同市の福祉課のケースワーカーは7人。例えば36万人余の高崎市は、ケースワーカー35人に対してOB4人だ。

また、調査団が県への情報公開請求で入手した23年度の桐生市への監査資料によると、市は生活保護の申請について、相談と受け付けを福祉課職員と警察官OBの2人で対応すると明記し、家庭訪問をした事例も確認できた。

●「相談者に心理的な圧迫を加えていた可能性」

桜井准教授は「ケースワーカー5、6人程度の福祉事務所で4人の警察官OBは多い。しかも、初回の相談に同席するのは聞いたことがない」と語る。これが生活保護の申請を拒む「水際作戦」の手段となっていたのでは、との疑念を持った。「元警察官の対応が、相談者にとって威圧的で心理的な圧迫を加えていた可能性はある」

続きは東京新聞 2024年5月1日 06時00分
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