イランのパーレビ体制が崩れたのは1979年のことであり、あれから既に40年近くもの
歳月が過ぎている。当時、アメリカがこのイスラム革命によるパーレビ体制の打倒を
許したのは、パーレビ国王が重度の癌に罹っており、回復の見込みがなかったことと、
皇太子があまりにも若かったことが挙げられていた。

だがその幼かった皇太子は、既に50代であろうか。国王に就任するに相応しい年齢に
達しているのだ。以前からもパーレビ皇太子の王位就任が噂されていたが、ここに来て
その話が現意味を帯び始めてきている。

それは、最近のイラン国内外の動きの変化を敏感に受け止めての対応なのであろう。
『ハメネイに死を』『ハメネイ体制は打倒しろ』といったデモ隊の声と『スレイマーニに死を』
という声は明確な反体制であり、ハメネイ政権打倒の国民の意思と見て、レザ・パーレビ
皇太子は腰を上げたということだ。

レザ・パーレビ皇太子は、アメリカのハドソン研究所の講演会場で水曜日に講演を行った。
彼は今ある状態を『ハメネイ体制の終わりの始まりだ。』と評価した。

「若者たちは耐えることを知らず、より良い将来を望むむようになってきている。現代化と
自由を求めるようになったのだ。世界はこれらの人たちの側に、立つべきであり権力交代
は平和的に、大衆の犠牲の少ない形で、進められるべきだ。既にイランは有益な人たちを
これ以上殺すべきではない段階にあり、兄弟的結束のなかで態勢交代が起こることを望む。
イスラム体制は交渉の価値のない組織であり、体制改革も無理だ。

こうした流れのなかでは、国際社会の支援が大きな意味を持つ。西側の民主的な考えが
イランにも広がるべきだ。西側諸国はアメリカを始めとして体制変革を支援すべきであり、
イランの現体制は異常なものだということを明確に認識すべきだ。
これまでイランのハメネイ体制が進めてきたことは、体制の生き残りが全てであり、
イランやイラン国民のためのものではなかったのだ。」

これがレザ・パーレビ皇太子によって語られた話のおおよそだが、アメリカの息のかかった
発言ではないか。トランプ大統領は彼の大統領選挙に絡めて、イランのハメネイ体制を
打倒する腹をかため、レザ・パーレビ皇太子を利用することを考えているのではないか。